無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

ダイアナ

2013-10-25 | 2015以前の映画評


「ダイアナ」 オリヴァー ヒルシュピーゲル監督 英 ×××!

 36歳で事故死した元英国皇太子妃ダイアナ。夫チャールズの不倫が原因で離婚し、その後亡くなるまでの2年間を描いています。
 事故の時一緒にいた人は実は単なる友人で、本当の恋人は別にいました。2年前見舞いにいった宮殿近くの病院で知り合ったパキスタン人の心臓外科のスペシャリストに心を惹かれ、お互いに愛し合うようになりました。宗教やライフスタイルの違いを乗り越えなんとか二人は思いを遂げようとしましたが、ゴシップ記事に悩まされていました。
 “元”とはいえプリンセスが結構一人で自由に行動している姿は、日本の皇室とは全く違っています。やっと自分の役割に気が付き始めた矢先の事故で残念なことです。生きていれば「ノーベル賞」ものだったかも・・・。
 タバコは、信じられないことに外科医の恋人がほとんどの場面で喫煙していました。ダイアナから「患者にはタバコを止めるように言っているのに」「私は患者ではない。」と言って喫煙していました(××)。また、事故の時に一緒にいた男友達も喫煙者でした(×)。時代が1995年ごろだとしてもちょっと多すぎです。

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朝日のあたる家

2013-10-24 | 2015以前の映画評


「朝日のあたる家」 太田隆文監督 ○ ☆☆ 無煙映画大賞候補作品

 静岡県湖西市、自然に恵まれた町に平田一家は暮らしていました。父親(並樹史朗)はハウスでイチゴ栽培をする農家、母親(斉藤とも子)は主婦、長女のあかね(平沢いずみ)は地元の大学生、妹の舞(橋本わかな)は中学生でごく普通の家族でした。そこに、震度5の地震が発生しました。そして、60キロ離れた山岡原発が福島と同じような事故を起こしてしまったのです。避難勧告、避難所の生活、はっきりしない政府の態度、などなど福島と全く同じ後手後手の対応に、家族は翻弄されていくのでした。
 沖縄に住む叔父役の山本太郎は映画のなかで電力会社が莫大な広告費でメディアをコントロールしていたことなどを話します。「競争する会社もないのに電力会社は800億の広告費を使っている。」と言っていましたが、ちなみにJTの広告費は147億円(広告宣伝費)と1012億円(販売促進費)です(数字は村田陽平著「受動喫煙の環境学」より)。説得力のあるいい場面でした。
 真実を伝えるのがドキュメンタリー映画ですが、ドキュメンタリーでは伝えきれない真実をドラマだからこそ伝えることができるという作品です(☆☆)。多くの人に見てほしいのですが、なかなか上映してくれる映画館がないそうで、これもまた哀しい日本の現実ですね。
 タバコはなし。無煙です(○)。ただ、空き巣犯が残したと思われる吸い殻が一本荒らされた部屋にありました。監督はタバコのことは意識していなかったと言っていましたが、本当に自然にタバコのない作品が当たり前になることを予感させる作品でした。太郎さん、禁煙しましたか。

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ベニシアさんの四季の庭

2013-10-24 | 2015以前の映画評


「ベニシアさんの四季の庭」 萱原和彦監督 ○ ☆

 英国貴族の家に生まれたものの19歳で放浪の旅に出て、京都大原に落ち着いたベニシアさんの人生を描いています。日本人よりも日本文化を大切にし、古民家で古い道具たちを手入れをしながら大切に使い、庭には100種以上のハーブが季節ごとに香る生活をしています。その人生は離婚、娘の病気、夫のけがなど波乱に満ちていました。どんな時も庭の植物や昆虫たちが彼女を慰めてくれたのでした。
 苦しいことも受け入れ乗り越えてきた彼女の言葉には人生の哲学がたくさん詰まっていて感動のドキュメンタリーです(☆)。
 暮らし方のヒントがいろいろ紹介されていましたが、肉食だけはちょっと意外でした。
 タバコはなし。無煙です。ただ、街中の場面で“たばこ”の看板が映りました。

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人類資金

2013-10-22 | 2015以前の映画評


「人類資金」 阪本順治監督 × ☆

 敗戦直前旧日本軍によって隠蔽された金塊などのいわゆるM資金を巡るサスペンスドラマです。詐欺師の真舟(佐藤浩市)はM資金をネタにした詐欺を仕掛けていましたが、あるとき“財団”から誘われ日米の秘密機関の存在を知ります。初めは半信半疑でしたが、“財団”と関わりだしたことで様々な事件に巻き込まれ、次第に世界を相手にした闘いをすることになるのでした。
 金を増やすためではなく「人を良くするために使われる人類資金」は、人口の3割のために7割の人々が貧しい暮らしを余儀なくさせられている資本主義のグローバリズムに対し、別の世界もあるのではないかという提案をしています。あえてドラマで社会の矛盾を描くことにこだわっている監督の渾身の一作です(☆)。ロシアやタイ、国連などでのロケが作品をより重厚にしました。アクションシーンに真実味があり、好感が持てました。観月ありさが特によかったです。
 タバコは、冒頭の敗戦直前の場面でアメリカ人(豊川悦司)がなぜか意味不明の喫煙を思わせぶりにします(×)。「お金のために生きるのではなく、人は良くなりたいと思っている。」それならタバコは止めよう。みんなに迷惑です。それともやっぱり広告・宣伝料が欲しいのかな。


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甘い鞭

2013-10-20 | 2015以前の映画評


「甘い鞭」 R18 石井隆監督 △

 不妊治療専門医の奈緒子(壇密)は昼間は有能な医師として働く一方、夜になるとSMクラブでM嬢セリカに変身していました。奈緒子には17歳の時に隣人に拉致・監禁され、1か月もの間男にいたぶられ続けた過去がありました。血だらけになりながらも自力で母のもとにもどった娘を母親は受け入れることができず、生還したもののその時から家族は崩壊してしまいました。客の前で鞭を打たれながら奈緒子は自分の過去をどうにかして乗り越えたいと思うのですが・・・。
 壇密と17歳の奈緒子を演じた間宮夕貴が身体をさらけ出して渾身の演技をしています。ボカシの入れ方が妙に芸術的でした。また、映像は直視しかねるむごさがありますが、ナレーション(喜多嶋舞)が軽妙で救われました。
 タバコは客の男が灰皿にタバコを押し付けて消すしぐさは映りますが、喫煙する場面はありませんでした(△)。

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もうひとりの息子

2013-10-20 | 2015以前の映画評


「もうひとりの息子」 ロレーヌ レヴィ監督 仏 ××! ☆

 2012年東京国際映画祭グランプリ、監督賞受賞作品です。テルアビブに暮らすフランス系イスラエル人の一家の18歳の息子は徴兵検査で両親の実の子ではないことが判明します。出生時湾岸戦争の混乱で赤ちゃんの取り違えが起きていたのです。実の子は昔のベルリンの壁のように壁で隔てられている中で暮らすパレスチナ人の息子でした。2組の夫婦は話し合い、母親同士は関係が取れるようになりますが、父親たちやパレスチナの兄は反発し、なかなか打ち解けません。そんな中で、本人同士が出会い、話をすることでお互いを理解しあおうと努めるのでした。
 子どもを取り違えられた家族の苦悩を描いているだけでなく、テルアビブのビーチで半日アイスを売って得たバイト代とパレスチナで父親が1か月自動車修理をして得る給料とがあまり変わらないという経済的な格差や、近くに海があってもパレスチナ人は通行証がなければ海を見ることもできないという厳しい現実も描写され、いわゆる「パレスチナ問題」を考えさせるきっかけになる作品です(☆)。
 タバコは18歳の息子たちが喫煙します(×)。18歳から成人のようですが、一応「タバコ吸ってもいいかな。」と親の許可を得ていました。また、親に隠れて葉巻やハッパも吸っていました(×)。ただ、イスラエル人の母親は医者なのですが息子のタバコを一口吸い、息子から「喫煙者の子どもは影響があるの?」とたずねられ、「体の小さい子が多いわね。」と答えていました(!)。

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陽だまりの彼女

2013-10-18 | 2015以前の映画評


「陽だまりの彼女」 三木孝浩監督 ××

 新人営業マンの浩介(松本潤)は取引先で中学時代の同級生真緒(上野樹里)と10年ぶりに再会します。中学時代真緒はいじめにあっていて浩介だけが味方でした。再会したふたりは恋に落ちますが、実は真緒には不思議な秘密がありました。二人の愛のゆくへはどうなるのでしょうか。
 神奈川県内の横浜や江ノ島、小田急、相鉄と登場するご当地映画です。内容はネタバレになってしまうので言及できませんが、動物系ファンタジーです。若いカップルにはお勧めかも。
 タバコは真緒の父親役の塩見三省が真緒の過去を語る場面で「灰皿持って来い。」「禁煙したんでしょ。」「今、やめた。」と再煙する場面がありました(×)。辛い時にはタバコ、という過去のパターンですね。あと、後半の宴会の場面でタバコがチラホラ出てました(×)。

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おしん

2013-10-18 | 2015以前の映画評


「おしん」 冨樫森監督 ○

 1983年NHKの朝の連続小説として社会現象ともなり、のちには世界各地で放映された名作ドラマを、奉公に出された時期だけにしぼって映画化しました。雪の中をいかだに乗って、親元から奉公に出されていく名場面がこの作品でも再演されました。子役の濱田ここねはかつての小林綾子同様の名演技でしたが、両親の演出には苦しみがいまひとつ感じられず表現に甘さを感じました。父稲垣吾郎、母上戸彩のふたりは手はきれいだし衣服もつぎは当たっているもののきれいすぎます。農具も使用感がなくもっと使い込んだものを用意してほしかったです。
 奉公先での理不尽な仕打ちや、脱走兵から教えてもらうのが与謝野晶子の詩「君死にたもうことなかれ」という流れには共感を感じました。続編はあるのでしょうか。
 タバコはなし。無煙です。

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波伝谷(はでんや)に生きる人々

2013-10-17 | 2015以前の映画評


「波伝谷(はでんや)に生きる人々」   我妻和樹    ××× (YIDFF)

   南三陸戸倉にある波伝谷に学生時代から住み込んで取材していた監督が1組の夫婦を中心に海と畑の恵みで生きる人々を描いています。小さな集落ではありますが、そこには契約講という組織に入れるかどうかでその地区での立場の違いが歴然としてあり、決してきれいごとだけではありません。ちなみにこの集落は311で流されてしまいました。
   タバコは、50年前の「新日本紀行」の映像かと思われるほど喫煙率が高く、女性や子どもの前でも、仕事の舟の上でもカキなどを加工する場でも全く無頓着に喫煙していました(×××)。契約講が衰退していくのはこうした前近代的な集団だからまともな人は離れて行くのが自然なのではないでしょうか。少なくともプロなんだから、勤務中は禁煙しましょう。

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オルグヤ オルグヤ 雨果の休暇

2013-10-17 | 2015以前の映画評


「オルグヤ オルグヤ」「雨果の休暇」 中国    ××    ☆☆ (YIDFF)

    中国内モンゴル自治区の最後の狩猟民族エヴァンキの生活を追いました。エヴァンキは森に住み、トナカイの放牧と狩猟で生活をしていましたが、今は狩猟が禁止され町に定住させられています。抑圧された少数民族の多くがそうであったように、彼らも酒に溺れ自滅の道を辿れされています。そんな一人の母親は酒好きで酔うとケンカばかりしているため、子どもは「祖国の子」として施設で育てられています。「オルグヤ オルグヤ」では母親と身内の人々を描き、「雨果の休暇」では母子の様子を撮影しています。酒好きでトラブルばかり起こしている母親ですが、トナカイやイヌなどを可愛いがり、息子に会う日を楽しみに待っています。息子もそんな母親をちょっと持て余しながらも優しく接していて微笑ましいです。魅力ある対象に出会えたことが、この作品の成果です(☆☆)。
    まず、狩猟民族の生活がいわゆる縄文的で大変興味深く見ました。山に入ると数本の木を切ってテントの骨にし、ストーブまで完備しています。トナカイの肉を干し、小川で魚を取ります。ムックリを奏でることなどからアイヌと大変近い民族だと思います。
    今回山形映画祭では17本見ましたが、個人的にはこの作品がベストワンです。
    タバコは、母親はじめほとんどのおとなが喫煙していました。「俺たちは酒で早死する。」と言っていましたが、早死の原因は「酒とタバコ」です。タバコを忘れずに!

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