
「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」 ヘティ マクドナルド監督 英✗
イギリスのレイチェル・ジョイスの小説「ハロルド・フライの思いもよらない巡礼の旅」が原作です。
退職後妻モーリーン(ペネローペ ウィルトン)と平穏に暮らすハロルド(ジム ブロードベント)の元に昔の同僚の女性から「今ホスピスにいる」という手紙が届きます。早速返事を書きポストに出かけたハロルドでしたが迷いに迷いとうとうホスピスまで歩いて出かけることにします。特別な準備もなく普通の靴でなんと800キロを歩こうとするのですが・・・。
さまざまな人(一言で表現するにはしきれないさまざまな人です)に助けられたり励まされたりしながら歩くハロルドはある目的がありますが、置いていかれた妻は「なんで?」という疑問と苛立ちが襲います。
歩く人も待つ人にもそれぞれの人生を省みるまさに巡礼の旅となるのでした。
日本ではお遍路さんが有名ですが、「歩く」という行為が頭の中の記憶や感情を思い出させるのでしょうか。演じる俳優たちが微妙な心の変化を巧みに表現していました。
撮影(ケイト マッカラ)の光の捉え方が大変素晴らしく人生同様さまざまな光を映し出し「光の映画」とも言えます。小説では味わえない映画ならではの楽しみです。
タバコは、優秀だった息子が酒やクスリに溺れるようになりタバコも吸っていました。