
「EDEN」 武正晴監督 × ☆
新宿のショーパブ「エデン」の店長兼演出家のミロ(山本太郎)はゲイやニューハーフ、トランスジェンダーの従業員と問題を抱えながらも元気に過ごしていました。42歳の誕生日を迎えた日、仲間のノリピーがミロの部屋で急死し警察の取り調べを受けます。その上、オーナー(高岡早紀)がストーカー被害にあいマンションに駆けつけます。一方、店の常連客アカネ(中村ゆり)は誰にも打ち明けなかった心の傷をミロに打ち明けます。バタバタとした誕生会の場でノリピーの遺体を故郷の母親の元へ届けることにするのでした。
いわゆる性的なマイノリティだけでなく、国籍やレイプ被害者といった広い意味での少数派の登場人物が温かい目で描かれ、「自信をもって生きていこうよ」というメッセージがラストのパレードで表現され、とても印象的なシーンとなりました。沖縄のレイプ被害者の心の深い傷とかミロが故郷宮城の母親と電話で、なにげない会話なのに号泣する場面は泣けます。確かに「ウォータープルーフマスカラ」じゃないと目の周りが涙で真っ黒になりますね。(☆)
タバコは主役の山本太郎が喫煙(×)、隣に住むピエロが「タバコちょうだい」とねだる場面がありました。山本さんは反原発の活動をしているのに喫煙しているのはとても滑稽です。タバコにはポロニウムという放射性物質が主流煙・副流煙にふくまれているのを知らないのでしょうか。ぜひとも、タバコについても認識を新たにし、その害を訴えてほしいものです。
なお松田聖子の「赤いスイトピー」が劇中歌として使われていましたが、筆者は「夫の喫煙が原因で妻が肺がんやCOPDに罹患すること」を「赤いスイトピー症候群」と名付けています。理由は「♪タバコのにおいのシャツにずっと寄り添って」いると肺の疾患になる確率が高くなるからです。
なお、新宿の紀伊国屋の向かい側でペペロンチーノ役で出演していた齋賀正和さんらが映画の衣装でチラシ配りをしています。近くを通ったら声をかけてあげてね。また、この映画は10日間で撮られたというのですから驚きです。監督の今後に期待します。