猫楠 南方熊楠の生涯 (角川文庫ソフィア) | |
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南紀白浜の番所山公園の山頂に白い建物が建つ。何でも南方熊楠記念館だそうだ。南方熊楠(みなかた くまぐす)、聴いたことのある名前だ、確か博物学者だったと思うが、私はよく知らない。もう一度来ることはないだろうと、歩いて山の上へ。そして記念館に入る。
南方熊楠は、幕末、和歌山に生まれ、明治時代に、アメリカ、イギリスに留学している。特に大英博物館に勤務する時代は、博物館の書物をすごい数、書き写している。その書き写し、入場券にも印刷されている。そして、当時から十数か国語を話すことができた。すげえ・・
その破天荒な人生は、まんが猫楠(ねこぐす)に出ている。作者は、水木しげる氏。熊楠の研究範囲は、森羅万象というが、先日受験した、知識検定の範囲が同じ、「森羅万象」だ。粘菌という微生物の研究も有名だが、最も有名なのは、若き昭和天皇が和歌山を訪問した時に、ご進講したこと。後年、昭和天皇の二度目の和歌山では、南方熊楠ことを歌っている。その歌碑が、記念館の前に立っている。
記念館の屋上からは、360度の眺めだ。昭和天皇にご進講した神島(かしま)も遠くに見える。写真真ん中に浮かんでいる2つの島のようだ。
帰りがけに、文庫本の漫画を購入。あっという間に読み終えた。ほんとに型破りの人生を送った人だ。物語には、昭和天皇から始まって、民俗学の大家柳田邦男、中国の革命の立役者、孫文まで出てくる。何でも研究対象で、海外の著名な学者と議論しても勝っている。ものすごい人物が日本にもいたもんだね。