kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

「心」をつなぐ

2011-06-12 | 陸上競技
ここ最近は練習についてほとんど触れていません。それどころではない部分がかなりあります。県総体が終わって全体の前で中国大会の話をしたのは先週の水曜日が初めてです。個別には話した部分がありましたが、チームとして中国に向かうためにはこの状態では不可能だという部分がありました。恥を晒すようになりますがこれまでで一番状態が悪かったと思います。競技に向けての話ではなくごく当たり前の事を話続けなければいけない状態でしたから。

私は特別難しいことを求めていません。誰にでも出来るような事を話しているだけです。部活動は教育活動の一環だという思いがあります。部活動さえすればそれで良いわけではありません。人として大事なことを繰り返し伝えていく機会だと思っています。1人1人の行動が周りに与える影響を考えられないのであれば集団行動はできません。
しかし、こればかりやるのが本当に部活動なのかという気がしています。競技に関する指導がほとんど出来ずに生活指導・行動指導が中心になるようでは意味がなくなってしまう気がします。何が優先事項で何のためにやっているか分からなくなります。

当たり前の事を求めるから悪いのでしょうか?集団行動の基本になる考え方や行動を求めているつもりです。「その場が楽しければ良い」という風潮があるのが本当に許せませんでした。うちはリレーを中心にチームを作ってきました。最初の段階では個人では戦えないという部分が強かったので何とかリレーで…という想いがありました。その後それなりに形になってきて「リレーでインターハイへ」という共通認識でチームが出来てきました。

県総体、3年生男子が個人種目では出場が出来ませんでした。決して速くはありませんが努力を重ねてきました。1度も県総体で走っていません。今回マイルはある程度狙える位置にいました。しかし、1週間前に1人が怪我をしてしまいその目標は遠いものになってしまいました。その時点で勝負ができない状態となりました。通常であれば棄権してしまう所でしたが、人一倍努力してきた者を走らせてやる機会が与えられたのだと思いました。勝てません。それでも一緒に練習をしてきた最上級生を走らせてやりたいと思いました。

マイルの予選がある日の朝、選手に伝えました。最後のレースになるのだから走るように、と。間違いなく勝負にはなりません。しかし、リレーでバトンをつなぐというのは「心」をつなぐことです。同じ目標を共有してやってきた仲間とレースを走ることに意味があります。チームによっては「とりあえず出る」所もあるかもしれませんがうちは根本的に違うスタンスでやっているつもりでいました。が、結局出場しませんでした。私が何故出るように話したかが伝わっていなかったのか…。

メンバーのうち3人はこちらから指定していました。あとの1人は2人のうちどちらかが走るようにと指示を出して役員の仕事をひたすらやっていました。招集所主任から「男子はオーダーが出ていないが」と言われましたが対応する時間がありませんでした。何故出さないのか疑問を感じていました。少し時間が過ぎて今度は「オーダー提出時間が過ぎてから出たいと言ってきたのだが」と言われました。何を考えているのか全く分かりませんでした。話を聞く暇もなく雨の中役員の仕事をこなしました。

後になって確認すると「2人のうちどちらか」と指名したものが「走りたくない」と言って拒否をしたようです。翌日に試合があるから嫌だと。その上、人数が足りないから長距離から1人借りてきて出ようとしたようです。考えられません。こちらが話している意味が分かっていないのでしょうか。

3年生の最後のレース。一生懸命にやってきたが力が足りなくて総体で走れなかった選手のために走らせようと、一緒に時間を過ごしてきた「仲間」で走らせようとしたのです。最初から勝ち負けではなく「想い」を感じさせるために走らせようと思っていたのに…。この3年生がどれだけチームに貢献していたのかも感じられないのか?怒りを通り越して情けなさを感じました。何のために指導をしてきたのかも分からなくなりました。
この3年生、マイルの前日に他の選手が私の車の鍵を間違えて宿舎まで持って帰ったのを知り「自分が持っていく」と走って競技場まで戻ってきました。翌日に試合がある選手に負担がかからないようにと自ら申し出てからの行動です。私はこの行為を見て涙が出そうになりました。こうやってチームをサポートする姿勢を下級生が見て次につながっていくと思うからです。足が速くなくても出来ることはある。足が速いから偉いわけではない。これを感じ取ってもらいたかった。だからこそ走らせてやりたいと思っていました。

「勝てないから出ない」というのであれば上に進めない選手は最初から出ないほうがいい。そういうことになります。予選は不要です。一生懸命やってきても走れない選手もいます。普段から適当にやっていて試合だけに出るというのは私は許せません。強いから弱いからではなく、一生懸命やっている選手、勝負をしようと思っている選手に対して失礼だからです。
指導者によって考え方は様々です。リレーを中心に考えています。リレーを走るというのはそれなりに意味を持ちます。だからこそ「心」がつながらないといけない。長距離を借りてきて「出るだけ」なら出る意味はないのです。そう考えて指導してきて伝えてきたつもりです。本当に情けなく感じました。

結果的にその3年生は1度も県総体を走ることなく終わってしまいました。もう取り返しがつきません。この事の意味をもう一度考えてもらいたいと思います。チームとして大きな問題を抱えています。今まで作ってきた「心」をつなぐチームは崩れてしまった。そう感じています。また1から作り直す?大きなエネルギーを要します。ここまで考える必要はなくもっと「楽」に考えるほうが良いのかもしれません。しかし、チームとしての取り組みは譲れないものがあります。決して厳しい事を求めているわけではありません。真剣に考えないといけないと思います。
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