感じたことを。
前の記事の続きというか補足というか。
20分フリー補強をしました。こちらからは種目の指示は出しません。時間を有効に使うのは自分自身です。のんびりやる選手もいれば普段やらないことをやっている選手も。
この時に「スイング歩行」をしている選手がいました。何を思ったのかわかりませんが。比較的軽い重りでやっていたので全く問題なくできます。手だけで回すのではなく体幹を使って保つためのスイング歩行です。ランジの姿勢を保ちながらやります。かなり前に補強の中に入れていました。気が付けばなくなっていたのですが。
この動きを見ていて前任校のkanaのことを思い出しました。とにかくこの手の動きが強かった。たぶん4㎏のスイングハンマーを使っていたと思います。ひょっとしたら5㎏かも。それでも体幹がぶれずに前に進みます。膝と腰の移動のタイミングがずれるとスイングの勢いに負けてまっすぐ進みません。そのことを思い出したので当時の動画を選手に見せました。「この動画がほしい」とのこと。よくわかりませんが(笑)
実際に見比べてみると本当に強い。股関節が広がって膝が出るタイミングで腰が進みます。タイミングがずれないのでしっかりと前に進みます。これは重要だなと感じました。腰の移動が苦手な選手。この動きをすることで改善できるのではないか。そう感じました。もちろん、そこに至るまでにいろいろなことができなければいけません。それでも体幹の強さはそれなりになってきているので「進む感覚」や「動きのタイミング」を身に付けるためには必要かもしれないなと感じました。
こうやって選手が自主的にやることで見えてくることがあります。私自身が視野が狭くなっている部分を選手が工夫して練習をすることで「これはいいな」と感じることが出てきます。もちろん、きちんと「動きにつなげていく」という感覚をもって取り組めなければそういう発想は出てきません。何を思ってスイング歩行をやろうと思ったのかは聞きませんでした。が、重要。
そのタイミングで「懸垂逆上がりができるようになった」「バック懸垂が連続でできるようになった」と報告が。私はそこは見に行っていないのでどうなのかわかりませんが。基礎筋力のアップがこういう部分に表れているのだと思います。走れるようになってきている理由の一つにこの辺りもあるのかもしれません。
練習終了時に「火曜日は自分で補強をすること」という話をしました。正直、私が見ていない場所でのことです。「やらない」者も出てくると思います。しかし、これはもう強制する話ではない。「やったほうがいい」という話はしますがそれをやるかどうかは本人次第。いちいち連絡をして「やったのか?」と確認するのは違うと思います。やりくないならやらなければいい。それは前から書いています。結局、それは競技に出る。が、競技で結果を残したいと思わない選手にどれだけのことを話しても効果はないと思います。ここは様子を見るしかないのかなと。
するとある選手が「セラバンドを持って帰っていいか」と質問に来ました。家で補強するのに必要だと。これくらいなら持って帰ることは一向にかまいません。持って帰ってやるかどうかはそれぞれの目標意識に合わせてだと思います。
が、さらに「MDを持って帰りたい」という者も。いやいや(笑)。それに加えて「DMを持って帰っていいか」という者も。たった1日のことです。自重でできる補強でいいと思いますが。それでも「やりたい」と望んでいる部分に対して否定する必要はないかと思います。「安全に持って帰れるなら構わない」と伝えました。スイングハンマーも方に背負って持って帰るというのでそれは止めました。危ない。
こういう部分を見ていると本当に「変化」を感じます。こういう選手は競技面だけではなく生活面でも大きく変わっています。そうなると勝手に強くなる。走れるようになってきたなと思う選手は実はこういう部分の変化があるのです。相関関係は高い。逆に「グランドだけ」という選手になると一時的に何かが変わってもまた元に戻ります。変化ではない。ここの差は正直大きいなと感じます。
たかが「補強」と思うかもしれません。しかし、補強の取り組みは競技の取り組みと間違いなくつながっています。工夫して補強しようとしたり継続してやったりする。見えないところでもしっかりと補強をする選手というのはやはり強くなります。不足分を補うからです。
「自分は頑張っている」と言葉にしてあぴーする選手は「認めてもらいたい」というだけかもしれません。本当に努力する選手は「足りない」と思って行動するので「自分は頑張っている」とは思わないからです。それが当たり前だから。こういう部分の変化を見ていきたいなと思っています。
まとまりませんが。変化を感じる部分はあります。必ず結果につながると思っています。取り組みの姿勢の変化。重要です。