kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

ハードル練習をする

2021-02-16 | 陸上競技

日曜日。この日は防府の競技場で国体合宿2日目。久々に競技場に来ました。同じ市内ですが場所的に離れているのでほとんど来ません。夏以来でしょうか。学校で練習ができればそれで十分だと考えています。タータンのほうが走りやすかったりするのでしょうが。今はそこまで必要性を感じていません。それはうちの話なのでどうでもいいのですが。

 

前日に引き続きハードル練習をすることに。前日のダメージもありかなり疲労感がある中での練習でした。うちのハードル選手も参加させてもらいました。この子は本当に疲労困憊ではないかなという感じがあります。水曜日からのぶっ続けでの練習。本人が休みたがらないのでこちらが抑えないといけません。体力的にはかなりあるほうだと思いますが、それと疲労度は全くの別問題。見極めなければいけませんし、そのあたりのことを本人に理解させなければいけません。

 

午前中のアップは軽く。ハードルを使って股関節周辺の動きを。あとはハードルの基礎的なことを。細かいドリルというよりは「ハードルを越えるための準備」というレベルでしょうか。タンブリングやハードルもも上げなどをしてから一歩ハードル。これは無難に。ある程度やってから5歩ハードルを実施。これはハードルインターバルを12mにして実施しました。17歩でヨンパを走るための練習です。13m+12mで。13mのアプローチでは少し短いかなという感じを受けています。これは結構専門的というかマニアックな話になるというか。

 

100mHでは1台目まで13mです。これを8歩。100mと400mを比べると間違いなく100mのほうがトップスピードが速いと思います。当然です。しかし、100mHは13mを8歩という制約の中で1台目を迎えます。それによりスピードが上がりきる前にハードルを越えなければいけなくなる。ここは大きな話だと思います。実際、17歩のストライドで走ろうと思えば190cmくらいのストライドになります。自然に走って。ヨンパの1台目に入るスピードのほうが100mHよりも高くなるので17歩で走ることが可能になります。しかし、13mではそこまでスピードが上がらない。その中で12mで5歩になるときつくなります。ここは考え方次第だと思いますが。長い距離を走って17歩の練習をするのはしんどい。45m+35mですから2台目まで越えると80m走ることになります。それを何本も走るというのは難しい。その代替の練習を考えておく必要があると思っています。

 

前置きが長くなりましたが最初は13m+12mで作りましたが選手の状況を見て数メートル伸ばしました。もう少し工夫してアプローチの距離を伸ばしてもいいなと思いました。これは自分自身の中で勉強になります。「理論的数値」では12mが17歩のストライドでの5歩。本当はもう少し広いのですが。しかし、1台目までの入りのスピードを考えるともっと工夫する必要があるなと思いました。これは学校でやっても同じではないなと思います。久々に頭を使いながら400mH のことを考えました。krk君であればここまで考えなくても「できてしまう」というのがあります。そうではないときにどのように組み立てるか。面白いなと思います。

 

何本かその辺りの練習をしてから今度は逆足での5歩。うちの選手はほとんど逆足をやっていません。実際にスピードを上げて逆足を使うのは初めてだと思います。もっというと400mHのための練習をするのはこの日が初めて。対応能力も問われます。逆足の5歩の時は当然ながら「短くする」必要があります。17歩で逆足で走ることは皆無だからです。同じハードルインターバルで練習をすることに意味はありません。ここも「考え方」だと思っています。逆足を使うということは歩数の切り替えになるのです。つまりストライドが狭くなった状態での逆足。そこをどのように考えるか。

 

この日は詰めて実施。本当は「逆足連続」というのは無意味だと思っています。正確にいうと「無意味」ではないのですが、「レース展開」を考えると「無意味」というのが正しい表現でしょうか。実際のレースの中で「逆足の連続」は存在しません。レース展開を大きく失敗した時にはあり得る話かもしれませんが。「逆足を使う」というのは展開の中で「歩数が増えるとき」と「前半を偶数歩で走るとき」だけです。苦手意識がある選手にとっては「1回」で終わらせたい部分。レース前半を偶数歩で走る選手にとっては「苦手」という意識は持てない部分です。使用頻度が高い。練習の基礎としては「ゆっくり逆足で跳ぶ」というのがスタートラインだと思います。しかし、それで練習を続けていてもレースの中では使えません。

 

「実践的な練習」としてある程度のスピードの中で「逆足で跳ぶ」必要があるのです。今回実施した「逆足5歩」の練習は「スピードが高い中での逆足の練習」という位置づけです。レース展開を考えての練習ではありません。まーそんなことは選手には関係ないと思います。こちらが「準備」としてその部分を身に付けさせればいいだけの話です。本当は「理解」してやる必要があると思いますが跳ぶだけで精一杯の選手にこの手のことを話をしてもあまり意味はありません。情報過多となり悪い部分が大きくなります。指導するほうが「意図的にやる」ことが重要。そのためには「ハードルインターバル」をどのように設定するのかも重要だと思います。跳べばいいわけではない。

 

国体候補選手は普段から逆足の練習をしているのだと思います。比較的スムーズ。もともと柔らかいしなやかな走りをするのでこの辺りは得意なのかもしれません。ヨンパのための練習をこれまでもやってきています。うちの選手はこの日がほぼ初めての実戦。上手く跳べません。お構いなしにやる。上手く跳べないというよりは慣れていないだけという感じがあったのでスルーして走らせました。最後のほうはなんとか逆足5歩で走れていました。それなりに順応しているのだと思います。

 

最後に4歩ハードルで。交互に越えていく形にしました。歩数が増えたところの意識です。単純に「交互に跳ぶ」という話ではなくて「なぜやるのか」という話になります。練習しておかなければ対応できない。距離感の調整は今後の話。今は決められた距離(こちらが設定した適切なインターバル)で走る練習です。ヨンパの練習は様々なパターンがあると思います。それは「種目特性」を考慮したうえで行う必要があります。この辺りは工夫だと思っています。

 

男子のヨンパと女子のヨンパでは求める部分が違ってきます。「ハードル上で休む」という表現を使うことがあります。これは女子には当てはまらないのではないかなと思っています。ハードルが低いので。意図的に「遠くから遠く」に跳ぶ必要がなくなります。走りの中にハードルがあるという意識付け。男子はハードル上である程度移動してインターバルの距離を調整します。重要。しかし、女子でも「遠くから遠く」への練習はします。矛盾しているかもしれませんが。思い切って踏み切らなければいけないときも出てきます。1歩増やすというのではなく少しストライドを確保しながら大きく走って遠くから跳ぶことで対応する場面がある。そのためにも意識してやる必要がある。細かい話ですが。

 

ヨンパの話をし始めるとマニアックになりすぎます。何を書いているのかよくわからないという話になるかもしれません。こうやって書いていく中で自分の中で「こういう練習ができる」というのが浮かんできます。これも大きい。

 

長くなるのでいったん切っておきます。また書きます。

コメント
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