kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

生き残る道

2021-10-22 | 陸上競技

前の記事にも少し書きました。今回大会で400mHとショートハードルが実施されたので目の前で動きを見ることができました。これを見たからといっていきなり技術的な考え方が変わるということはありません。付け焼刃では戦えないからです。

根本的に足が速いかどうかは大きな部分だと思っています。女子のショートハードルで指導している選手が中国大会で13秒98で走りました。これで地区の3位です。この選手はレース経験が少ないというのもあるかもしれませんがフラットレースで13秒0がベストです。条件に恵まれればもっと速いのかもしれませんが。それでも12秒8が出るかどうかだと思っています。それで13秒9が出せるというのはまずまずの話ではないかなと思います。これまで県内で14秒0以内で走った選手は遅くても12秒5くらいで走ります。県記録を持っている選手は12秒0だったか。13秒8が県記録ですからロスがそれなりにあります。

 

そうであれば今やろうとしていることは間違いなく「ハードルロスを少なくする」ことに繋がっています。元々ハードリングがうまかったこともあるとは思います。昨年度は14秒8がベストだと思うのでそこから考えたら1秒速く走れるようになっています。

 

今回、女子の400mHを見てもっと改善できる部分があるのでは?と感じました。ハードルが低いのでそれほどハードルがうまくなくてもなんとかなります。身長があれば走りの中でまたぐ感じでいけるのかもしれません。が、抜き足が遅れていたり前まで持ってこれない、大きく抜いてくるので着地時にスムーズに入れない。女子の400mHはそこまで技術的なことが求められていないのかもしれません。切り替えの感覚も含めてです。そうであればここをどのように改善するかで戦える可能性が見えてくるのではないか。男子のトップ選手のハードルロスは1~1.5秒程度かなと思います。それに比べて女子はロスが大きい。ここをどのように改善していくかで「生き残る」ことができるのではないかなと。

 

男子はハードル上で移動距離が大きくなります。13歩で走るという選手は大半の選手は接地が長くなり普段の走りと少し変わってきます。その関係でハードル上で移動する距離が大きくなる。ハードル上で「休む」というような表現をすることもあります。これは女子には当てはまらないのではないかと思っています。単純バネの部分もあります。低く遠くにというのは女子の400mHではそこまで重視されない。とはいえ、基本的なハードリングを改善することで間違いなくタイムが短縮できます。400mのフラットが58秒で走れてロスを1秒ちょっとで抑えることができれば60秒切りも可能になる。走りとハードリングの差を埋めていくことで勝負ができるようになるのではないかなと思っています。

 

もちろん最優先は「走力の向上」です。足が速いということは何にもまして必要な要素です。タイムを競う種目ですから足が遅ければ勝ち上がっていけません。努力の度合いで競争するのではないですから。走であれば13秒0の選手が12秒5で走れるようになることは最優先事項。小手先の「ハードル技術」だけに頼っても仕方ありません。ハードリングが上手くても100mが13秒5でしか走れないのであれば13秒台で100mHを走るのは不可能です。そうであればやはり「走る練習」は必要不可欠になります。

 

陸上(あえて陸上とだけ書きます)では100m、走幅跳、砲丸投に出場する選手が多くなります。その次に女子の100mHくらいかもしれません。これは「人気がある」というのもありますが、単純に「出場しやすい」というのがあります。特に幅跳びは「走る練習をそこまでしなくてよい」という認識の中で「跳躍練習」をすればよいと思う部分がある。本当に競技をしようと思えばかなり奥が深い種目です。が、「出場する」という意味ではやりやすい種目。この段階で「本当に必要な技術」は身に付きません。ハードルに関してもハードルインターバルを5歩で走れば問題ないので「出場しやすい種目」となるかなと。

 

しかし、本当に勝負をしようと思えば他の種目でもある程度活躍できる力が必要です。特にスプリントがあるかないかは大きな要因です。「きつい練習はちょっと・・・」と思っていたらやはり「出場しやすい種目」に出ることになるかもしれません。

 

ハードル種目。「技術的なこと」だけをやっても駄目だと思います。きちんとした「走力」と「基礎筋力」に裏打ちされたものになるべきです。「技術的なこと」は目先が変わるから楽しいというか飽きずにできます。走練習や基礎筋力向上は地味ですし時間がかかります。kd先生と話していると「砲丸投げはとにかく基礎的な動きがどれだけできるか」と言われます。動きが極端に少ない。筋力を上げることと動きの精度を上げることが重要になるのです。

 

今回の大会。ある選手が以前と比べるとハードルリングがきれいになっていました。大学でそういう練習が多いのだと思います。しかし、走りのほうが・・・。全く走れていません。接地が長くなり以前の良さを失っています。私のレベルが何を言うかと思われるかもしれませんが(笑)。それでもちょっと考えたらわかることではないかと。もっとシンプルにやっていけば自ずと結果につながると思います。

 

今、やりたいなと思っていることがあります。少し前から書いていますが。とにかく県内のハードルのレベルを上げたい。各顧問がそれぞれ指導はされていると思います。それを否定するつもりは全くありません。しかし、より専門的になハードルについての動きを身に付けようと思えば限界があると思います。私自身、かなりハードルに関しては考えています。スプリントに関してもですが。gt先生に言わせると「常軌を逸している」くらいかもしれません(笑)。それでも「どうすればその動きができるか」という部分を常に考えています。寝ていてもそのことを考えるくらいでなければ駄目だと思っています。ハードルに関してそんな恐ろしい生活を他の人に求めるのは違うと思います。だからこそそこに関しては私が担当してやっていきたい。

 

全体のレベルを上げる。それもありますが、やはり「もったいないな」と思うことが多いのもこう考えるようになった要因です。もっともっと強くなれるのにという選手を見ていると何ができるかをしっかりと見極めていきたいと思っています。余計なお世話だと思う方もいるでしょう。そういう場合は「自分の信じる道を進む」べきだと思います。練習会をするから必ず参加してほしいという気もありません。

 

どこかに「生き残る道」があると思っています。どうやって戦っていくか。取り残されていくのではなく何かをしてそれを結果につなげていきたい。時間を有効に使うということはこういうことかなと。走練習は各学校で、技術的な部分や戦術的な部分は練習会で。分担してやっていくことでさらに可能性が広がると思っています。

 

無駄に長くなりました。記録しておきます。

コメント
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