kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

力の出し方について7

2022-05-18 | 陸上競技
多分この話はこれで最後になるかなと。今回色々話した中で感じたことなので。

中距離の話をしている中で「あまり耐乳酸性の練習をしていると頭打ちになるイメージがある」と言われてしました。高校時代は長距離に軸足を置きながら時々乳酸系の練習を入れる。それでも強い選手が大学でもやっていけるなだろう、と。

日本記録を出した選手、大学に行って乳酸系の練習が増えたようです。だからといって長い距離を走っていないとラストが出ない感じがあると16キロのペース走などもやる。乳酸系に関してはパワーマックスを使って耐性を高める練習が多いとのこと。これは専門性を高めるという意味合いで大学からで良いのではないかという話でした。

また、導入頻度の問題も。その先生の話によると狙った大会の3週間前くらいから入れていくのが良い気がすると。感覚的なものなのかもしれません。長距離的な練習と耐乳酸性の練習がマッチングする時期に記録が出るという印象を持っていると。ここもかなり興味深い話だと思います。

「頭打ちになる」可能性がある。例えば高校時代に短距離系の流れの中で800をやっていく。耐乳酸を高める練習の頻度を増やせばある程度の結果は出せると思います。が、それが大学でも出せるのかどうか。伸び代を残して進学するというのはすごく大切な考え方だと思います。が、大半の選手は高校で辞めてしまうかもしれない。この辺りのことはどう捉えるか。難しい部分だと思います。が、ある程度の耐乳酸トレーニングはやはり必要だと考えています。

「3週間前くらいから」というのは絶妙な期間だと考えています。1番の理由は「気持ちが持たない」からです(笑)。耐乳酸性のトレーニングはこれまで書いてきたように「かなりの覚悟」が必要です。自分自身で負荷をかけて乳酸を溜めないといけません。溜めない走りを繰り返していても効果は現れないからです。しかし、かなり負荷が高いのです。その練習に向き合うためにはかなりの気持ちの強さが必要です。これを1年間やり続けると思うと気持ちが折れるかもしれません。

以前は定期的にこの手の練習を入れることができました。「何が何でも強くなる」という気持ちがあったからです。逆にいうと負荷が大きすぎた部分があるのかもしれません。「強くなりたい」という気持ちを理解しながら本当は手綱を引いて抑えなければいけないのかなと。まーここまでやるのは余程の気持ちが入っている選手に限られますが。

そう考えるとやはり「3週間前」というのは良い時期なのかもしれません。目の前に試合がある。その時期は大半の選手は頑張れます(笑)。きつくてもなんとかしたいという気持ちが持続できます。半年後に試合があるというのであってもなかなか気持ちを奮い立たせてやっていくのは今の選手には難しいのかなと感じています。もちろん、定期的にそういう耐性を高める練習はやるべきだと思います。2週間単位で1回ずつくらいは入れていくと良いのかなと感じています。3週間前から2週間は週2くらいで入れると良いのかなと勝手に考えています。かなり気持ちが入らないとできないかなと思いますが。

これが絶妙なタイミングで今回、「耐乳酸性が不足しているのでは?」と感じたのがすこし前。丁度県総体の3週間前だったと思います。3週間前には250mを3本を2日間。女子はこれができていないので不足するかもしれませんが。更に今週は何回かその手のことを実施したいと考えています。月曜日に150mを5本5分レストでやったのでもう1回か2回はどのような形かで耐乳酸性のトレーニングを入れておきたい。

このバランスなどはよく考えないといけないと思います。ダメージが大きすぎて回復しないというのでは困りますから。スピードと耐乳酸性の両方の軸からアプローチする。まー当たり前といわれたら当たり前なのですが。狙いを明確にして練習をすると色々なことが変わるのではないかなと思っています。既成概念があって、「これまでは」という呪縛があります。もちろんこれまでやったきたことにも大きな効果を出せるものがあります。しかし、本当はそれほど意味がないことであっても「前例主義」であったり「他の人がやっているから」という理由で実施していることも少なくない。

きちんと「理由」があってそれを説明できる。それをやることでどのような効果が望めるのかも理解しながらやると良いのかなと思っています。これは覚悟の問題とも比例すると思います。

何回かやって思うのですが、「ここでいかないといけない」という話をどれだけしても出し切れない選手はいます。そのために記録を計るという最もシンプルな方法を取ることにしました。自分自身で追い込まないのであれば記録測定をしっかりとしてそれで負荷をかける。ここはすごく大切な気がしています。

これまではセパレートコースで綺麗に走っている部分がありました。ここも独断でオープンで最初からガンガン競り合うようにしました。目の前に何かないとできないという感じがあるのでそれをしっかりと感じさせながらやるためにはその方が良いかなと。「質の高い練習をする」という前段階をどうやって作るかなのかなと。自分達は「負荷をかけている」と思っていてもそれは80%でしかなかったりする。それは自分では分からないのです。ここも今の段階では徹底的にやらなければいけないと思います。まだ殻を破るというレベルには到達しないなという感じがあります。

まだまだ勉強しないといけないことが多いと思います。才能だけに頼るシステムではなく、最善を尽くして選手を伸ばしていけるシステムができれば良いなと。まー私みたいな適当な人間が何をいうのかというレベルではの話ではありますが(笑)

なんとなく書きたかったことは書けたかなと思います。また思いついたら書きます。たぶん。
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力の出し方について6

2022-05-18 | 陸上競技

いやはや。思い立った時に書き始めるとあれこれ浮かんできます。どこまで書くのが正解なのか。ここも分かりませんが。

 
練習を組み立てる中で必要な要素。エネルギー供給形態に沿ったものであるべきかな思います。科学的にという言葉に踊らされたかはないですが、効率よく成果を出そうと思えばある程度「生理学」に沿ったものがいいかなとは思います。それに現場で見ているのもを合わせていくというのが良い。研究室ベースの内容にするのはやはり良くないかなと。
 
そんなこともあれこれ頭にあって朝長距離の指導者と40分くらい話をしました。私が考えていることを伝えて意見を聞くという感じでした。駅伝校と中距離種目の関係。何故長距離がハイスピードを出さないのか。などなどです。
 
やはり「出さない」のではなく「出せない」というのが正解なのかなという印象でした。LTを頭入れながら動く。それをずっと繰り返していく中で「効率よく動く身体」に変わっていく。短距離のように短時間で力を使い果たしてしまったら長い距離は走れません。ある意味効率が悪い身体なのかもしれません。長距離は長い距離を走らないといけないので一気に力を使うような走り方をするのではなく無駄なく効率的にという部分がある。
 
が、見ていると技術的なことに関してはあまりやらないなと思います。効率を良くするのであれば基本的なことからやっていくともっと無駄がなくなるかなと。接地の場所に関しても重心の位置にしても。まーこれは別問題なのかもしれませんが。
 
で、「中距離に特化した練習」についての意見を聞きました。この日話した方は教え子が大学時に800mの日本記録を出しています。その前から色々と興味があったのでどんな感じでやっていたのかを聞いていました。短距離の指導がしたいというのがありますが、興味関心はあちこちにあります。どこかにそのヒントがあるからです。
 
で、「駅伝」を考えずに800mを突き詰めるというのはどうなのかという部分を書きました。非常に面白いなと思うことがあったのでそのことは書いておきたいなと。練習の基本スタイル自体は「長距離と同じ」というスタンスで実施されていたようです。3年生になった時には「800mで勝負する」というのがあったので、別にすることもあったが基本は長距離。元々本人が「短距離の試合に出たい」というくらいだったようですからスプリントに自信があったのかなと思います。それでも「耐乳酸性」を上げるような練習を増やしたり、スピード練習を増やすということもなかったと。レースペース以上のスピードで走ることもほとんどない。流しくらいはしていたけどとのことでした。
 
こういう性格ですからもっと突っ込んで質問を(笑)。試合の数週間前くらいから少しずつは「耐乳酸性」の練習を入れていたようです。これが短距離とは違う部分かなと感じました。「本数」で乳酸を溜めるのではない。例えば600mであれば最初の400mをハイスピードで突っ込む。普段のレースではそこまで突っ込むことはないので乳酸が蓄積する。身体が動かなくなる状況を作ってそこから200mをどれだけ維持できるかという練習をやっていたということでした。これは間違いなく「理にかなっている」と思います。以前、800mの選手が最初の400mはキロ3分のペースで入ってラスト200mを上げるという練習をすると言っていたことがあります。ギアチェンジの練習としては意味があるのかもしれませんが、「レースに生かせるかどうか」という部分では「?」というのがありました。今回はしっくりくる。
 
実際、私自身が25年前に500mの練習をしていた時期があります。これはイーブンペースで走るのではなく最初の400mを50~51秒で入る。そこから最後全力で動き続けるというもの。乳酸を溜めておいてそこからさらに負荷をかけるというものです。トータルで64~65くらいでカバーしていたような記憶があります。そう考えるとこの練習は「意味があった」のかなと。「中距離的な練習」として(笑)。
 
考え方は様々です。アプローチの仕方も。が、どのようにして「レースに生かすか」は常に考える必要があると持っています。単純に長距離的な練習として「インターバル」を入れてもきっと中距離の記録は上がらないと思います。特に800mに関しては「苦しい中で動き続けないといけない」という部分が大きい。ここに関して「対策」をしなければいけない。もちろん、こういう世界ですから「走ったら速い」という選手がいるのは間違いありません。が、きちんとした練習をしていけばそこに対する「適応力」は向上すると思います。
 
短距離の短い距離でこういうのは難しいかもしれません。もちろん、最初から突っ込んではいることは重要だと思います。これは常に言い続けています。が、150m程度の距離であれば押し切れる。300mの距離になると大半の選手がいけない。200mの通過をベストで通過するというのは困難です。それくらい「勢い」がある選手であれば本当に強くなると思うのですが。だから別の形で負荷をかける。乳酸が蓄積した状態の中で「動き続ける」という方法を考えていかなければいけないと思います。これが今は250mや150mなどの組み合わせなのかなと自分の中では考えています。
 
あー。もう一つだけ記録しておきたいことがあるのでこれはまた別に。興味がない人にとっては苦行のような内容かもしれません(笑)。エビの様子を楽しみにされている方には申し訳ないのですが。kws先生には別途エビの動画でも送っておきます(笑)。
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