蝶人物見遊山記第388回&鎌倉ちょっと不思議な物語第468回
カマキンが誇るゴヤ展が始まりました。前半はゴヤ4大版画集から「気まぐれ」で、大層見応えがあります。
初版は1799年だから、1828年に82歳で死んだゴヤ円熟期の53歳の作品。ベートーヴェンのように聴力を失いながら制作に全精力を傾けたに違いありません。
自画像から始まる80点の壮大なコレクションの中には、庶民のちんけな暮らしぶりへの鋭い観察を主眼としながらも、王侯貴族や富豪や聖職者などの支配者階級への毒のある皮肉や風刺をたっぷりと含んでいるために、後世の我々からみればとても面白く、興味深いのですが、真実を深々と抉った芸術家の本人にしたらいわば命懸けの営為だったわけで、思うにいくたびもの逡巡躊躇のあと、宮廷画家のゴヤは本作を全部カルロス4世に献呈しています。
な本展はすでに終了しており、来る10月20日まで名作「戦争の惨禍」の展示が行われています。
大谷が51本塁打を記録した「グリコのおまけ」と言わて発奮 蝶人