学会に出ると、自分がいかに何も知らないまま、日々惰眠をむさぼって生きているかということがわかる。
自分の興味のあることと全く違う領域のことだと思っていたことが、意外と興味のあることと近い領域のことであることがわかったりもする。
当然、その話を聞くまでは全くの素人なので、その分野のことがとても進歩していることに愕然とする。
まあ、こういうことはよくある。
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もう一つは、我流でやって来たことが明らかになるということ。
自分では、それなりによくやっていたと思っていたが、上には上がいるということに気がつく。今日も、そんなことに気がついた。
今日、『病理外来』についてのワークショップ(病理医が一般人と会い、患者・家族に説明する意義は何かを考える)に参加したおり、いろいろな先生がそれぞれお話ししてくれたのだが、何よりもためになるのは技術的な話である。
ある先生の外来での患者さんへの説明の仕方の具体的な紹介は、私が普段行っているものより遥かに上を行くものだった。
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最近では、患者さんへの接遇について医学部でも行われているようだが、それでも医学知識の詰め込みがメインで、患者さんとどう接するかなどの教育は少ない(と思う)。ある意味サービス業なのにそういった部分の教育が不十分と思う。
臨床医だからといって、患者さんと接する機会が多いというだけで、こっちが患者になったときに嫌な気分にさせてくれる臨床医はゴマンといる。だから、病理医が患者さんと話すのに馴れていない、というようなことで臨床医と違うというようなことで悩んだり、引け目を感じたりする必要は無い。
病理医も患者さんに寄り添っている。
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だが、そういうことに関してやり方や、意見を交換する場がこれまで無かった。そういう意味では、今日のワークショップはたいへん、有意義だった。
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