こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

死ぬ時はちゃんとお別れしてからがいい

2020年11月17日 | 生き方について考える
 先月(2020年10月)自殺した人が2153人もいたそうだ(先月の自殺者 去年より40%増加 女性が大幅増 コロナの影響も 2020年11月10日  NHK)。去年の同じ時期に比べて4割増とは深刻だ。昨日も、朝から人身事故で電車のダイヤが大幅に乱れた。通勤時間帯の電車は2分間隔ほどの極限状態で運行しているから、一旦事故があったらもう大変なことになる。僕は比較的すいている方向に乗っているのだけど、昨日は久しぶりにぎゅうぎゅう三密詰めとなってしまった。

 生きている人間が自殺した人の気持ちをいくら考えても、失われてしまった命は帰ってはこないのだから、ある意味何の役にもたたない。絶望の向こうに行ってしまった人と、まだそこに至っていない自分を比べたところで一体何になるだろう。著名人の自殺がときどき報道されるが、年齢はあまり関係ないようだ。どこかの時点で絶望し、絶望の淵から死の世界へと飛び込む。その境界はとても曖昧で、ほんの少し勇気を出せば飛び越えることができる。



 去年のいまごろ、フラットコーテッドレトリバーのナイトの病状が急速に悪化し、ほとんど歩けなくなった(もう、頑張らなくていいよ 2019年11月19日)。この後、ナイトはゆっくりと僕らにお別れを告げ、静かに死んでいった。父もお別れする時間をくれた。自分が死ぬ時に、自分が死ぬことを周りに知らせてあげるのは、今、生きている人間としてやらなくてはいけないことではないか、と思う。

 今から死のうと思う人に、僕の思いが伝わることはないだろう。おそらく、もう、何日も考えた上でのことだろうから、たまたま、この文を目にしたところで、決意が変わることはないだろう。ただ、僕の思いを読んでくれたら、生きたくても生きられない人、自分のことを思ってくれる人、そんな人がいるということを思い出してほしい。

辛いのはあなただけではない

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