夜露がずいぶんおりたようでベランダも手すりもびしょ濡れとなっていた。山にはまだ霧がかかっていて、空気はひんやりしている。ところが関東地方の気温は日中には30度にもなるという予想で、寒暖の差が著しい。今年は美しい紅葉を見ることができるだろうか。昨日変電所の火災で大変なことになったJR線はおおむね平常どおりに運転しているというので、いつもと同じ時間の電車に乗った。JR東日本は災難続きで気の毒だが、昨日の変電所火災は大都市の脆弱性をまた一つ露呈してくれた。テロではなかったようで、ホッとしている。
夢に父が出てきた。最近、よく出てくるし、一言二言声を聞くこともある。生前と同じく、人の良い誠実な人柄のままだった。目が覚めた時に、ふと、私の人生にあれこれ口を出したということなどもうどうでもいいことだと思った。親子の確執というものがあるとすれば、親が亡くなり次は自分の死ぬ番だと思う様になるうちに消えていくものなのかもしれない。
鏡に向かって髪をとかす時に、父の面影を自分の中に見つけてびっくりするようになった。遺伝というものを強く認識する瞬間だ。息子や娘もそんなことを思う瞬間がくるのだろうか。そして、私の形質はどのぐらい先まで残るのだろう。
遺伝子は様々な手段を使って自らの形質を残そうとする。あらゆる生物は遺伝子の運び屋に過ぎないのだが、例えば人であったら遺伝子によってその人生を支配されているということになる。不思議なものだ。
無事着いた