関東地方は”災害級の”大雪になるかもしれないという天気予報のせいか、電車は普段の2、3割空いていた。
通勤時よく見かける制服を見ないのは休校にでもしたのか。
そんな大雪では学生はもとより先生たちの通勤も心配になる。
迅速診断や剖検があるわけではなく、こんな天候で無理をして出る必要もなさそうだが、昨晩帰りがけに出来上がってきた標本の診断だけはやってしまおうと、風花の舞う中出勤した。
都内の病院に着いたらあたりはもうすっかり白かった。
一時期、執筆時間捻出のためブログをやめるかどうしようかとまで思い詰めていた自著の改訂第二版。
始めたといっても、まずは知識のアップデートが必要で、初版発行後に出た重要な論文を、これはさすがに隅から隅まで熟読している。
本質的なことはどれもわかっていたことで、病態についての概念が変わったわけではないが、この領域の病理診断学のトレンドを知って、”時代遅れ”な本を出さないようにしたいと考えている。
とはいえ、論文や教科書を読んだからといって何が進むというわけでもなくこのままで大丈夫かという不安というか焦りを感じていた矢先、天の助けかと思えるようなことがおこった。
というのも昨日、専門が同じずっと昔から懇意にしてもらっている病理医が、講演の依頼をしてきてくれた。
コロナ禍が始まってからか、私の旬が過ぎたからかわからないが、講演はめっきり減って、去年一昨年それぞれリモートの1回ずつしかなかった。
だが、今度は対面でやるというから、ウィズコロナを実感する。
講演は結構疲れる。
もう1時間も話すエネルギーを捻出するのもしんどくなってきたので、そろそろ終わりにしたいと思っていたところだったが、今回ばかりは渡りに船、まさにグッドタイミング。
依頼の話をしながら、これは改訂版の準備になると考え直し、ありがたくお受けすることにした。
病理学の世界も、他の臨床科と同様細分化されている。
おもに臓器によって分けられるが、病態によって得意分野が微妙に異なる。
私が依頼を受けた内容は、以前から取り組んできたところで、話すネタはたくさんある。
初版本でも相当数のページを割いていたところだが、今の病院に移ってきてからはちょっとご無沙汰している。
他の部分と同様アップデートが必要なので、まずはここを勉強しようと思う。
もうひと踏ん張り
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