こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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病理医になるには(2/3)・・・病理医とはどんな人がなるのか

2016年02月05日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと

先日、友人の33回忌の法事に参列してくださった医療関係者ではない先輩に自己紹介をしたとき、「病理?なにそれ、お前医者なの?」と聞き返された。若いうちはこれでも医者の端くれというプライドがあってへこむことも多かったが、近頃はまたかと「ええ」とだけ答えることができるようになった。テレビドラマフラジャイルの中でも武井咲演じる新人病理医が似たようなことを呟いていた。それにしてもあのドラマ、本当に台詞に無駄がない。そもそも病理医の自己紹介、自分ではどうやっているかというと、「皮膚のホクロとか、胃カメラとかから、病気をとってきて、それがどんなものか、癌かどうかなんていうのを顕微鏡で検査するんですよ」なんてやっている。一般人にわかるのは、ホクロ、胃カメラ、顕微鏡ぐらいしか無いので仕方ない。もう少し突っ込んで、子宮癌検診の細胞診とか肺癌検診の喀痰なんてなると、とたんに理解できる人が少なくなる。ましてや病理解剖などわかろうとしてくれる人はほとんどいない。看護師さんでも、「病理の先生って何やってるんですか」と聞いて来る人は少なくないので、しょうがないだろう。

さて、今日はその、何をやっているのかよくわからない”病理医”になるにはどうしたらいいかという話。以前にも何度か似たようなことを書いている(病理医になるための勉強・・・  )ので、今日はもっと簡単に。

病理医も、臨床医と同じ医師国家試験に合格した医師だということは、昨日書いたとおり。医という字がつくとおり病理医は医者の専門分野の1つである病理学を基本とした診療業務を行う医者だ。内科学が基本なら内科医、それが外科学なら外科医、産婦人科学なら産婦人科医というのと同じだ。

医者になってから各専門、皆同じように専門医を目指すことになるのだが、 病理医になるには、病理専門医を目指して研修する。その道はいくつかある。

初期研修2年(これはほとんどの国家試験合格者がうける)これに4年間、大学とか病理学会認定施設で病理専門医教育を受ける。同時に、3年以上病理学会の会員であること。死体解剖資格を有していること。人体病理学に関する論文、学会報告が3編以上あること。病理組織診断5,000例以上、術中迅速診断40例以上、細胞診経験数報告書1,000件以上。主執刀医として病理解剖を40例以上経験していること。病理組織診断・細胞診・病理解剖に関して指定された講習会を受講していることが必要となる。

書いてみると、けっこう面倒くさそうだが、面倒なのは書類を揃える時だけで、それなりの施設で普通に仕事をしていれば問題なく資格はクリアできる。

私が受験した頃と変わってるのは、そもそも初期研修というシステムが私の頃は無かったというのと、病理解剖の必要経験数が半分になっているということか。医者になってから受験できるまで7年もかかるというのは、ちょっと長いような気がするが仕方ない。ここにいたるまで、ストレートで来る人もいるけど、臨床をやってきたり、研究をやってきたりする人などいろいろいる。

病理医の専門医試験が難しいのかどうかよくわからない。私が研修した大学病院病理診断部の部長は世界で一番難しいと言って、受験前の私たちをびびらせたが、外国の専門医試験を受けたことが無いのでよくわからない。その部長は米国への留学経験があったので、ご存知だったのかもしれない。まあ、国家試験よりははるかに難しいが、真面目に勉強すれば落ちることはない。合格率は80%台。

いろいろな道があります

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