新型コロナウイルスのせいだと思うが、通勤電車がとても静かだ。
この時期、咳をする人、鼻をすする人が一車両に一人や二人乗っていてもおかしくない。たまに大きなくしゃみをして顰蹙を買っている人もいたりするが、最近そういう人が激減している。この前、目の前の座席にすわっていたおじさんが咳を3回しただけで、その隣の女性が露骨に嫌そうな顔でそのおじさんを見ていた。おじさんは口を手で押さえてはいたが、それでも咳エチケットが守れていないと判断されたのだろう。
とにかく、電車の中が静かだ。それも異様ともいえるほどに。
マスクをしている人はやっぱり多い。乗客の6割ぐらいかと思っていたが、先日、7人がけのベンチシート一列全員マスクということがあった。かくいう私もマスクは冬場の乾燥から喉を守ってくれるのでお世話になっている(マスクのつけ方 -2014年3月13日)。マスクをしていないと、空調のせいもあり喉がイガイガして咳が出る。そうなったら、このご時世、さっきのおじさんではないが周囲から射るような眼差しが飛んでくることは火を見るよりも明らか。おかげさまで、咳は出ない。マスクは毎日取り替えた方がいいのかもしれないが、それほど汚れないので、数日は続けて使っている。
マスク不足が深刻だが、そもそも医療用のマスク(N95)が手に入るわけでもないので、つてけても仕方ない。それにそもそもN95なんてつけて電車に乗っていたりしたしたら、あっという間に苦しくなって倒れてしまう。病理解剖となったら使うかもしれないが。
手洗いの励行が徹底したせいか、インフルエンザが減っているそうだ。厚労省の”インフルエンザの発生状況”を見ると、2020年5週(1月27日〜2月2日)の資料では総数はおよそ7万人で、昨年同期の21万人あまりの3分の1となっている。ひょうたんから駒といっては新型コロナウイルスにかかってしまった方には失礼にあたるが、例年このレベルの防疫体制をとることで、相当な額の医療費が削減できることが示唆されたのではないか。厚労省にはぜひ検証して欲しい。私は感染症の専門家ではないので、詳細な分析はできないし、ただ単に暖冬のおかげなのかもしれない。でも、まあ、うがい手洗いのおかげだと宣伝しても悪くはないと、静かな電車の中で考えている。
行きも帰りも