こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

人生あっという間、私の時間もあと少し。
よりよく生きるにはどうしたらいい?

医療機関は臨床検査部門がなくてはたちゆかない

2023年01月18日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
また曇りの朝。
昼前には雲もとれ、暖かくなるみたいだが、明後日の大寒にあわせるかの様に大寒波がやってくるとのことで、ちょっと身構えている。

今日は病院機能評価の2日目。
昨日は、病理診断については申し込みのやり方とか結果開封のことで、病理診断そのものの手順についての質問はなかった。
他の検査についてもパニック値の取り扱いについてで、これも主に臨床サイドでの取り扱いだった。
今日は、部署訪問、サーベイヤーが検査科に乗り込んでくる。
部長以下しっかり対応しようと思うが、実際のところは技師長をはじめとする検査技師の皆さんにやっていただくこととなりそうで、私は刺身のツマといったところ。
餅は餅屋で、病理診断以外はお任せしたほうが無難。
病院の臨床検査室というのは縁の下の力持ちで、ここがしっかりしていないと医療機関はたちゆかない。
最近は、外来患者の場合は診察前に採血採尿をするのが当たり前になっていて、診察のときには血液、尿のデータが揃っていて、担当医はそれをみて、診断治療を進めていく。
採血、尿の処理、検査を行なうのが臨床検査技師で、検査室も朝早くから始動している。
入院患者の検査はほぼすべて対応しているし、緊急のものは当然24時間対応だ。

そんな臨床検査室だが、21世紀に入ってから標準化が急速に進展している。
簡単に言えば、どこの病院の検査室でもほぼ同じ様な精度の検査結果が出る、どの検査室でも臨床検査技師は同じ手順で検査を行うことができるといったようなことだ。
また、がんゲノム医療の進展により、それぞれの医療機関が勝手な基準で診断治療をすすめていてはならないところまで来ている。

病理診断もまたしかりで、私も試練にさらされているわけだが、幸い優秀でやる気のあるスタッフに助けられてなんとかやっている。
臨床検査部門では、採血、心電図・超音波などの生理検査以外の部門のスタッフは院内ではほとんど患者さんと接することがなく、その存在すら知らない人もいるが、検査データは自動販売機にコインを入れたらポンと出てくるわけではない。

機械に負うところが増えて実際に手を動かすことは減ってきているが、その分、精度管理やリスクマネジメントなどの仕事が当たり前の様に増えてきている。
臨床検査室がしっかりすることがその病院の技術を担保することになるということを意識することが大事で、最近ではそのための手順、整備を面倒だと思わずに取り組んでいくことが必要だと思うようになった。

なお、標準化と画一化とは異なるのだが、このことはまた別の機会に。
コロナ禍でも頑張ってます

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
臨床検査に関わる上場企業が (舶匝)
2023-01-18 09:41:08
多々ある事からも、臨床検査の重要さは十分伺えます。
臨床検査の事情から察するに、
臨床検査は
監査法人による会計監査や法律事務所によるデューディリジェンスに、似ているように見受けられます。
どちらも結局は「精度管理やリスクマネジメント」に行き着くので。
(「昔お世話になった中学校の先生」の親戚が、臨床検査を担っていたことも、思い出しました。その先生の雑談を聞き逃していたら知らなかった世界でした。。。)
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Unknown (コロ健)
2023-01-18 14:37:32
船匝さん、ありがとうございます。
精度管理やリスクマネジメントこそが人のやることで、現在、人が直接手を下していることはAIがやるようになっていくでしょうね。
そしてそのことは、決して悪いことではないですね。
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