寒くなるというので、この四五日使っていなかったマフラーを首に巻き、手袋もしっかりはめて歩き出した。薄曇りだったにもかかわらず、あっという間にポカポカしてきて、いずれもすぐに外してしまった。
多少の寒暖の差こそあれ、日々春本番に向かっていることがわかる。沈丁花の良い香りがする。
今日は啓蟄。
世の中の生き物達が動き始める。
ついこの前、雨水のことを書いたが、その日の記事に写真を載せたミツマタも満開。こちらもいい香りだ。
と、まあ病院に着くまでよかったのだか、仕事用の靴に履き替えようとかがんだ瞬間に、腰がピキッとなってしまった。
軽いぎっくり腰になってしまった。
普段から、長時間顕微鏡を覗いて座っているうえ、昨日はほとんど一日、ポスターセッションを除いて、学会場で座っていたのが良くなかったのだろう。
少しでも楽な姿勢を探しながら、昨日休んだ分の大量の切り出しをして、あとは延々と診断。仕事なので、当たり前のことである。
さて、夜になっても痛みはひどくなるばかりだったのだが、明日は学会三日目最終日。朝一番から出ようと、宿もとっておいた。キャンセル料を払ってまで、鎌倉から始発で行くのも馬鹿らしい。
痛み止めを飲んで、病院を出た。
学会場は東京近郊の街。網棚もいっぱいの下りの混んだ通勤電車で、両手に荷物、腰に痛みを抱えて学会場の街に向かう。
ここのところの不調に加えて、この腰痛。久しぶりに泣き面に蜂という目に遭った。
それにしても、これでやっと『今年上四半期のヤマ』を越えることができたと思っていたのに、最後にこれはずいぶん悲しい。
宿に着いて、ぎっくり腰に効くストレッチをしたら、少しだけ楽になった。
隣のファミレスで夕食をとり、早めに休もう。