大統領選挙で、どうやら負けが決まったらしいトランプさんは、それでも法廷闘争に持ち込み、いよいよ意気軒昂のようだ。ネット上には、彼が最後っ屁のような形でいろいろな”遺産”を残していくかもしれないというようなことが書かれているが、果たしてどうなるだろう。これで、”手続き的に”トランプさんが大統領に居座ることになったら、一体あの国はどうなってしまうのか。何より、その国民が固唾を飲んで見守っていることだろう。
そのトランプさん、型破りな人であることは間違い無い。話を聞くと、波乱万丈の人生を歩んできている。今回の大統領選挙でジ・エンドとなって大団円といくかと思っていたが、そんなことはなさそうだ。2024年を見越してか、共和党もトランプさんの法廷闘争を容認するようで、世の中そんなに簡単に話はおさまらない。
こんな話なかったかな?とおもって、昔話を思い出そうとしたが、ぴったりくる話はなくて、では自分で寓話を作ってみようと思った。
むかし、あるところに1人の若い男がいました。男の家は裕福で、お金に困ったことはありませんでした。子供の頃から体も大きく、喧嘩で負けるようなことはありませんでした。気が強く、負けず嫌いで、言い争いになってもあれこれ言って相手を言い負かしていました。大人になっても、お金があって、喧嘩が強くて、口も達者ということで、子分もたくさんできました。男は偉くなりたいと思いました。
偉くなるにはどうしたらいいか、男は考えました。もっと金持ちになる、もっと喧嘩に強くなる、もっと有名になる。いろんなことを考えましたが、もともと欲張りだったので、考えれば考えるほどあれもこれも欲しくなってしまいました。「どうしたらいいか、わかりきっている。それはこの国の王様になることだ。世界で一番裕福で戦争の強い国の王様になったら、お金も戦争も手に入るし、よその国も屈服させることができる。そうだ、王様になって世界を支配しよう。」男はそう思い立って、その国の王様になることにしました。
その国の王様は代わり番こに話し合いで選ばれていました。話し合いにはすべての国民が参加して行われます。男はそれまで溜め込んだお金を惜しげも無く宣伝につぎ込み、ついには王様に選ばれました。こうして、男は世界で一番裕福で戦争にも強い国の王様になってしまいました。王様になった男は、それまでのしきたりをいっさい変えることにしました。その国は世界で一番裕福だったので、よその国から物を買ってやったり、世界中に軍隊を送って支配していたので、尊敬されたり、怖れられたりしていましたが、そういったことをやめたのです。そして、自分の国がもっと裕福になるようにしたのです。外国のことなどどうでもいいと思っていた一部の国民は大喜びで男を応援しました。でも、その国は、外国からあまり尊敬されなくなりました。
国王になった男は思い通りの政治を行って、有頂天になっていました。ところが、世界中を巻き込む疫病が流行して、多くの国民の命が失われました。疫病がまん延するなか、何年かぶりに国王を選ぶ話し合いが行われました。話し合って王様を決めることだけは、昔から”当然のこと”であり、男もそれを止めさせることはできませんでした・・・。
これが、あらすじ。
このあとは、皆様ご存知の通りで、決着はついていないので、わからない。創作なのだから、自分の思った通りにしてしまえばいいかもしれないが、事実は小説よりも奇なり、で、本物の迫力には遠く及ばない。そして、寓話にするには、主人公の男のキャラクターを織り込まないといけないのだが、まだ生きている人について直接知りもしないのにあることないこと書くのは卑怯なことだ。
「話し合いで、男は選ばれず、王様ではなくなりました。それでも男は、ひるまず、話し合いはインチキだと言って、それまで住んでいた王宮を去ることなくいすわりました。国民は絶望しましたが、男はそんなことどこ吹く風で、幸せに暮らしましたとさ、メデタシメデタシ・・・」なんてことになるかもしれない。
いずれにしても、まさに動いている歴史を寓話にするのはどうやら無理なようだ。
さて、どうなることやら
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