中小企業振興基本条例 地域経済豊かに② 住民生活向上こそ
京都大学大学院教授 岡田知弘さんの講演から
これまでの日本の地域振興策は、道路や空港、港湾などの大型公共事業を行い、企業誘致して地域開発させれば「地域が活性化する」という考え方でした。大型公共事業は地域経済への波及効果が少ないうえ、地方財政を悪化させました。多額の公共投資で用地整備をしたのに企業誘致に失敗して財源を減らし、地域経済の持続的発展にはつながりませんでした。
地域を豊かにするには、地域内経済循環で、住民一人ひとりの生活を維持し向上させることが必要です。
中小企業や商店、農家、協同組合や地方自治体などが地域に再投資を繰り返すことで、雇用と所得が生まれ、住民一人ひとりの生活が維持され、向上していきます。その結果、地方自治体の税収も増えます。
中小企業は地域経済の担い手です=東京都大田区
販売収益を循環
お金を地域内でぐるぐる回すだけではありません。販売先は自治体の外でも海外でもかまいません。販売の収益が地元企業に還流され、地域内で循環すれば、経済効果が大きくなります。また、進出企業には、できるだけ地域から商品やサービスを購入してもらい、雇用を確保してもらいます。
地域内の再生産の維持・拡大は、生活や景観・町並みの再生産につながり、とくに農林水産業の営みは、自然環境の再生産と国土保全につながります。防災機能を高め、地球温暖化にも貢献できます。人間と自然との大切な関係を地域内経済循環でつくっていきます。
カギは中小企業
地域経済の持続的発展のカギを握るのが中小企業です。事業所の99%、雇用の8割を占め、地方経済の中心的担い手であるからです。
街の中のコミュニティー、人間と人間の関係が薄れてきたことも問題になっています。地域の人のつながりをつくるのが、町内会などの社会組職と祭りや伝統芸能などの文化です。その担い手として活躍してきた中小企業が元気になってはじめて、住民一人ひとりが元気になります。
中小企業を支援するのが、条例を定めることができ大きな財政権限をもつ地方自治体です。自治体が公共投資をする場合に、ゼネコンや商社に発注するか地元の中小企業や協同組合に発注するかで、全く違ってきます。地元企業に発注すれば、地元の経済が潤い、最終的には税収として戻ってきます。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年10月18日付掲載
「中小企業振興基本条例」の良いところは、お金を地域内でぐるぐる回すだけではない事。販売の収益が地元企業に還流され、地域内で循環すれば、経済効果が大きくなります。また、進出企業には、できるだけ地域から商品やサービスを購入してもらい、雇用を確保してもらうように要請できます。
自治体がいかに主体的に動くかですね。
京都大学大学院教授 岡田知弘さんの講演から
これまでの日本の地域振興策は、道路や空港、港湾などの大型公共事業を行い、企業誘致して地域開発させれば「地域が活性化する」という考え方でした。大型公共事業は地域経済への波及効果が少ないうえ、地方財政を悪化させました。多額の公共投資で用地整備をしたのに企業誘致に失敗して財源を減らし、地域経済の持続的発展にはつながりませんでした。
地域を豊かにするには、地域内経済循環で、住民一人ひとりの生活を維持し向上させることが必要です。
中小企業や商店、農家、協同組合や地方自治体などが地域に再投資を繰り返すことで、雇用と所得が生まれ、住民一人ひとりの生活が維持され、向上していきます。その結果、地方自治体の税収も増えます。
中小企業は地域経済の担い手です=東京都大田区
販売収益を循環
お金を地域内でぐるぐる回すだけではありません。販売先は自治体の外でも海外でもかまいません。販売の収益が地元企業に還流され、地域内で循環すれば、経済効果が大きくなります。また、進出企業には、できるだけ地域から商品やサービスを購入してもらい、雇用を確保してもらいます。
地域内の再生産の維持・拡大は、生活や景観・町並みの再生産につながり、とくに農林水産業の営みは、自然環境の再生産と国土保全につながります。防災機能を高め、地球温暖化にも貢献できます。人間と自然との大切な関係を地域内経済循環でつくっていきます。
カギは中小企業
地域経済の持続的発展のカギを握るのが中小企業です。事業所の99%、雇用の8割を占め、地方経済の中心的担い手であるからです。
街の中のコミュニティー、人間と人間の関係が薄れてきたことも問題になっています。地域の人のつながりをつくるのが、町内会などの社会組職と祭りや伝統芸能などの文化です。その担い手として活躍してきた中小企業が元気になってはじめて、住民一人ひとりが元気になります。
中小企業を支援するのが、条例を定めることができ大きな財政権限をもつ地方自治体です。自治体が公共投資をする場合に、ゼネコンや商社に発注するか地元の中小企業や協同組合に発注するかで、全く違ってきます。地元企業に発注すれば、地元の経済が潤い、最終的には税収として戻ってきます。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年10月18日付掲載
「中小企業振興基本条例」の良いところは、お金を地域内でぐるぐる回すだけではない事。販売の収益が地元企業に還流され、地域内で循環すれば、経済効果が大きくなります。また、進出企業には、できるだけ地域から商品やサービスを購入してもらい、雇用を確保してもらうように要請できます。
自治体がいかに主体的に動くかですね。