中小企業振興基本条例 地域経済豊かに① 担い手として支援
京都大学大学院教授 岡田知弘さんの講演から
中小企業振興基本条例が各地で制定され、地域産業を守る取り組みが広がっています。
第18回中小商工業全国交流・研究集会(9月8日)の分科会「中小企業振興条例と地域産業政策の課題」で助言者を務めた岡田知弘京都大学大学院教授の話を紹介します。
大企業を中心とした海外進出によって、派遣切りや国内工場の閉鎖、縮小が相次いでいます。政府の輸入促進政策で、地場産業や農林漁業が衰退しました。地域経済が衰え、公共交通や病院や店がない地域が拡大し、地域で暮らし続けることが困難になっています。
このような中、地方自治体が地域の実情に合った独自の産業政策をもつことが求められています。
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中小企業振興基本条例について活発に議論した分科会=9月8日、岡山市
自治体の「憲法」
中小企業振興基本条例(以下、振興条例と略)は、1979年に東京都墨田区が初めて制定しました。現在、住民や中小企業団体の運動もあり、121の自治体(今年4月時点)で制定されています。道府県でみると25と半数を超え、振興条例があって当たり前の時代に入ってきました。
振興条例は、地方自治体の産業振興、地域経済振興にかかわる「憲法」と言えるものです。地域経済の担い手である中小企業の要求にそった地域づくりをすすめていく基本的考え方を示すものです。
多くの振興条例は、「中小企業の役割」を地域経済と地域社会の担い手と規定し、地域づくりの担い手としての中小企業を支援することが住民全体の福祉の向上につながることをのべています。
大企業、金融機関、大学などが中小企業を育成する責務や、地方自治体の行政責任も明確にしています。地方自治体の中小企業施策の体系化と実施状況のチェックを明記しているものもあります。
災害後の復興も
最近の振興条例の特徴として、①金融機関の役割を明記②基本的理念に地域内経済循環や農商工連携を明記③小規模零細企業も対象にしている―ことがあげられます。地震や集中豪雨など災害が続発する中、災害後に、どう地域を復興・再生していくのかについて、地方自治体と中小企業が防災協定をむすび、地域貢献をしていく。そのような振興条例も必要です。
これから振興条例を制定するところは、こういう内容を明記した条例にすることが必要です。
問題は振興条例を定めた後、具体的施策をどうすすめるかということです。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年10月17日付掲載
神戸市長選挙でも、市民にあたたかい神戸をつくる会から立候補しているぬきなゆうなさんは、神戸市の産業の下支えをしている中小企業を支援するために、「中小企業振興基本条例」の制定を公約しています。
京都大学大学院教授 岡田知弘さんの講演から
中小企業振興基本条例が各地で制定され、地域産業を守る取り組みが広がっています。
第18回中小商工業全国交流・研究集会(9月8日)の分科会「中小企業振興条例と地域産業政策の課題」で助言者を務めた岡田知弘京都大学大学院教授の話を紹介します。
大企業を中心とした海外進出によって、派遣切りや国内工場の閉鎖、縮小が相次いでいます。政府の輸入促進政策で、地場産業や農林漁業が衰退しました。地域経済が衰え、公共交通や病院や店がない地域が拡大し、地域で暮らし続けることが困難になっています。
このような中、地方自治体が地域の実情に合った独自の産業政策をもつことが求められています。
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中小企業振興基本条例について活発に議論した分科会=9月8日、岡山市
自治体の「憲法」
中小企業振興基本条例(以下、振興条例と略)は、1979年に東京都墨田区が初めて制定しました。現在、住民や中小企業団体の運動もあり、121の自治体(今年4月時点)で制定されています。道府県でみると25と半数を超え、振興条例があって当たり前の時代に入ってきました。
振興条例は、地方自治体の産業振興、地域経済振興にかかわる「憲法」と言えるものです。地域経済の担い手である中小企業の要求にそった地域づくりをすすめていく基本的考え方を示すものです。
多くの振興条例は、「中小企業の役割」を地域経済と地域社会の担い手と規定し、地域づくりの担い手としての中小企業を支援することが住民全体の福祉の向上につながることをのべています。
大企業、金融機関、大学などが中小企業を育成する責務や、地方自治体の行政責任も明確にしています。地方自治体の中小企業施策の体系化と実施状況のチェックを明記しているものもあります。
災害後の復興も
最近の振興条例の特徴として、①金融機関の役割を明記②基本的理念に地域内経済循環や農商工連携を明記③小規模零細企業も対象にしている―ことがあげられます。地震や集中豪雨など災害が続発する中、災害後に、どう地域を復興・再生していくのかについて、地方自治体と中小企業が防災協定をむすび、地域貢献をしていく。そのような振興条例も必要です。
これから振興条例を制定するところは、こういう内容を明記した条例にすることが必要です。
問題は振興条例を定めた後、具体的施策をどうすすめるかということです。
(つづく)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年10月17日付掲載
神戸市長選挙でも、市民にあたたかい神戸をつくる会から立候補しているぬきなゆうなさんは、神戸市の産業の下支えをしている中小企業を支援するために、「中小企業振興基本条例」の制定を公約しています。