核兵器の残虐性を問う② 非同盟国などが主導~禁止条約の交渉開始今こそ
【メキシコ国際会議】
メキシコ政府がまとめた議長総括は、核兵器を禁止する「法的拘束力のある文書」の実現へ外交交渉の開始を呼び掛けた点で、昨年3月の第1回会議(ノルウェー・オスロ)の議長総括よりも大きく踏み込んだ内容になりました。
具体化を訴え
この背景には、核兵器の残虐性は世界共通の認識になったとして、今こそ核兵器を包括的に禁止する条約をつくる交渉を始めるべきだとする意見が噴出したことがあります。その議論を主導したのが、非同盟諸国や新アジェンダ連合諸国でした。
フィリピン代表は、2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議の成果文書が「核兵器のない世界」へ特別の枠組みをつくる取り組みを行うと述べていることを強調。「今は核兵器禁止条約を集中的に議論する時だ」と繰り返し指摘しました。
エジプト代表も「核兵器使用が与える被害にはいかなる国も国際機関も対処できないという点で各国は合意している。核兵器禁止条約の交渉を始める段階を迎えていることは明らかだ」と述べました。
非同盟諸国を代表して発言したイランのほか、インドネシアやマレーシアも昨年の国連総会で採択された核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議の実践を求めました。
新アジェンダ連合のブラジル代表は「言葉が行動に移されない限り、また廃絶に向けた明確で期限を区切った行程表がつくられない限り、核兵器の脅威は存在する」と指摘。非人道性を確認するだけでなく具体的な措置を議論するよう訴えました。
核兵器の非人道性について議論するパネリストら=2月14日、メキシコ西部ヌエボバジャルタ(島田峰隆撮影)
平和地帯宣言
中南米カリブ海の全33カ国が加わる「中南米カリブ海諸国共同体」(CELAC)は1月の首脳会議で「平和地帯宣言」を採択し、首脳会議宣言では核兵器を禁止する拘束力ある措置の交渉の前進を求めました。中南米諸国は足並みをそろえてこの動きに触れ、「こうした流れを世界で強めることが重要」(グアテマラ)と強調しました。
会議期間中、オーストリア政府が第3回会議を年内に開くと発表しました。同国政府代表は「この会議の発展そのものが、多くの国が行動を起こす必要性を理解していることを示している」と発言。来年のNPT再検討会議をにらんで、会議を成功させる決意を語りました。(ヌエポバジャルタ<メキシコ西部>=島田峰隆 写真も)
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年2月25日付掲載
核兵器の使用禁止を法的拘束力あるものにするために、先頭になっているのは非同盟諸国や新アジェンダ連合の国々。今こそ、すべてが国々が、核兵器禁止で大同団結する時ではないでしょうか。
【メキシコ国際会議】
メキシコ政府がまとめた議長総括は、核兵器を禁止する「法的拘束力のある文書」の実現へ外交交渉の開始を呼び掛けた点で、昨年3月の第1回会議(ノルウェー・オスロ)の議長総括よりも大きく踏み込んだ内容になりました。
具体化を訴え
この背景には、核兵器の残虐性は世界共通の認識になったとして、今こそ核兵器を包括的に禁止する条約をつくる交渉を始めるべきだとする意見が噴出したことがあります。その議論を主導したのが、非同盟諸国や新アジェンダ連合諸国でした。
フィリピン代表は、2010年の核不拡散条約(NPT)再検討会議の成果文書が「核兵器のない世界」へ特別の枠組みをつくる取り組みを行うと述べていることを強調。「今は核兵器禁止条約を集中的に議論する時だ」と繰り返し指摘しました。
エジプト代表も「核兵器使用が与える被害にはいかなる国も国際機関も対処できないという点で各国は合意している。核兵器禁止条約の交渉を始める段階を迎えていることは明らかだ」と述べました。
非同盟諸国を代表して発言したイランのほか、インドネシアやマレーシアも昨年の国連総会で採択された核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議の実践を求めました。
新アジェンダ連合のブラジル代表は「言葉が行動に移されない限り、また廃絶に向けた明確で期限を区切った行程表がつくられない限り、核兵器の脅威は存在する」と指摘。非人道性を確認するだけでなく具体的な措置を議論するよう訴えました。
核兵器の非人道性について議論するパネリストら=2月14日、メキシコ西部ヌエボバジャルタ(島田峰隆撮影)
平和地帯宣言
中南米カリブ海の全33カ国が加わる「中南米カリブ海諸国共同体」(CELAC)は1月の首脳会議で「平和地帯宣言」を採択し、首脳会議宣言では核兵器を禁止する拘束力ある措置の交渉の前進を求めました。中南米諸国は足並みをそろえてこの動きに触れ、「こうした流れを世界で強めることが重要」(グアテマラ)と強調しました。
会議期間中、オーストリア政府が第3回会議を年内に開くと発表しました。同国政府代表は「この会議の発展そのものが、多くの国が行動を起こす必要性を理解していることを示している」と発言。来年のNPT再検討会議をにらんで、会議を成功させる決意を語りました。(ヌエポバジャルタ<メキシコ西部>=島田峰隆 写真も)
(おわり)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年2月25日付掲載
核兵器の使用禁止を法的拘束力あるものにするために、先頭になっているのは非同盟諸国や新アジェンダ連合の国々。今こそ、すべてが国々が、核兵器禁止で大同団結する時ではないでしょうか。