きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

けいざい四季報③ 国内経済 成長失速 非正規は拡大

2014-03-30 15:29:06 | 経済・産業・中小企業対策など
けいざい四季報③ 国内経済 成長失速 非正規は拡大

ポイント
①済成長率が失速。個人消費の低迷が原因。背景に低賃金の非正規労働者の拡大
②貿易赤字が過去最大に。金融緩和で円安加速するも空洞化のため輸出増えず
③消費税率8%への引き上げの一方で、さらなる法人税の減税の具体化に着手


内閣府が10日に発表した国内総生産(GDP)の2013年10~12年期の実質伸び率が年率で0・7%増と1%を再び下回りました。この間の四半期乙との実質成長率(年率換算)は、1~3月期が4・5%、4~6月期が4・1%、7~9月期が0・9%と、期を追うごとに縮小しました。「アベノミクス」1年でいよいよ幻想がはがれてきました

相次ぐ想定外
消費税増税を前にした駆け込み需要ですら景気を押し上げられませんでした。大手紙も翌日付紙面で「アベノミクス相次ぐ想定外鈍い設備投資・個人消費」(「朝日」)「減速鮮明」(「産経」)「予想を超える下ぶれ」(「毎日」)などと報道せざるをえませんでした。
GDP失速は、個人消費が低迷していることが原因です。所定内給与はこの1月、羽カ月連続で減少。消費を冷え込ませ低水準にまで落ち込んでいます。
13年平均の非正規雇用人に達しました。国際通,貨基金(IMF)の研究報告は、「相対的に非正規労働者の賃金は低いことから、労働人口に占める比率が高まったことで基本賃金全体の伸びを押し下げています」と指摘。賃金低下の原因に非正規労働の広がりがあると分析しています。



船積みを待つ自動車=神奈川県横須賀市

貿易赤字拡大
日銀の黒田東彦(はるひご)氏が安倍晋三政権の肝いりで総裁に就任して20日で1年になります。黒田総裁のもとで実施された異次元の金融緩和は、円安を加速しました。ドル高=円安は、多国籍企業には、為替差益をもたらしたものの輸出を押し上げる効果はありませんでした。
13年の貿易収支は11・5兆円の赤字となり、過去最大の赤字幅を記録しました。大和総研の斎藤勉氏は、「空洞化が赤字幅拡大のもっとも大きな要因」と指摘します。大企業が多国籍企業化することによって海外生産が進むと同時に、部品の現地調達や逆輸入が増えていると同氏は指摘します。
日銀による異次元の金融緩和や財政支出の拡大、成長戦略と称して大企業を優遇する「アベノミクス」は、輸出増や企業の設備投資の拡大を通じて景気が上向き、賃金も上昇するという筋書きを描いています。しかし、その想定は、日本経済の現実を見ないものです。

法人税減狙う
安倍首相は、4月からの消費税率8%への増税にまい進しています。その一方で、法人税減税をいっそう進めようとしています。
政府税制調査会は12日、法人課税検討グループの初会合を開き、法人税実効税率を引き下げる検討に着手しました。
財務省によると、法人実効税率を1%分下げると4700億円の税収減になります。経団連などが求める10%の引き下げを実現するためには、5兆円近い財源が必要となります。消費税率10%以上が狙われる背景になっています。

国内経済の主な出来事(1~3月)
1/7  経団連会長が消費税率10%引き上げ強調
1/22  安倍首相、ダボス会議でいっそうの法人税減税を表明
1/27  13年の貿易収支が11兆4745億円の赤字に
2/18 13年平均の非正規雇用が1906万人に
2/18  日銀、金融機関の企業融資支援制度を拡充
2/25  環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合が閉幕。「大筋合意」見送り
2/25  「エネルギー基本計画」の政府案を決定
3/10  実質国内総生産の伸び率が年率換算で0.7%増に
3/12  半年後の暮らしの明るさを示す消費者態度指数が3カ月連続で下落
3/12  政府税調のグループが法人実効税率の引き下げの具体化に着手
3/20  黒田日銀総裁が就任1年

(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2014年3月27日付掲載