カウンターの精度(6/14オランダ対デンマーク)

日本対カメルーン戦の直前に行われた試合という理由で、オランダ対デンマークの試合を見た方は結構いらっしゃると思います。ロッベンが負傷で不在でも、代役にファンデルファールトがいるオランダの選手層の厚さにまず驚かされました。

オランダというチームは、高さもスピードもテクニックもバランスよく兼ね備えている、弱点の少ない強豪です。そういう相手にデンマークが選んだ戦術は、ドローでも良しとする守備的なものでした。しかし、デンマークは欧州予選でポルトガル、スウェーデンと同じ死の組に入れられながら首位で通過したチームです。

何かデンマークなりのオランダ対策はあるだろうと思っていましたが、それは速いカウンターとサイドチェンジのキックでした。ロングキックでサイドを変えるとさすがのオランダも対応が遅れ、そこからゴール前にいいクロスが上がっていました。

オランダの弱点として福西崇史氏が指摘したのは、CB二人の連携でした。このカウンターから上げたクロスなら上背のない日本のFWでも勝てそうな隙間がぽっかりと空いていました。ただ、カメルーン戦のスタメンにロングキックを蹴れるタイプは遠藤一人で、そういうサッカーを目指すなら中村俊輔か中村憲剛のスタメン起用が欲しいです。

オランダの注目選手は途中出場の左ウイング、エリアです。日本と対戦した親善試合でもロッベンを抑えた内田が後半から出場したエリアに全然対応が効いていませんでした。デンマーク戦の動きが良かったのでスタメンの可能性もあります。身体能力だけならロッベンより上なのではと思います。

オランダといえば3トップのウイングサッカーというイメージがありますが、デンマーク戦では最初は普通の2トップで試合に入りました。あまりウイングサッカーを意識し過ぎて両SBを守備専念にすると、実は2トップでその必要はなかったということもあり得ます。

オランダはW杯優勝経験こそないですが、74年、78年と2度決勝に進出した、伝統ある強豪です。日本にとっては、対戦することもいい経験になる相手ですが、やはりやる前はあくまで勝つことを目指して欲しいです。