
P58 厚生労働省の2007年の推計では、日本人の約2210万人が糖尿病、
あるいはその予備軍であるとされており、
現代の日本人の10人に1人は糖尿病と推測されている。
しかし実際には、自分が糖尿病だと認識していない人がほとんどで、
自覚のないまま糖尿病を進行させてしまっている。現在、医療機関で
糖尿病の治療を受けている人は300万人にすじぐ、1000万人以上は
自分の糖尿病に気づかずにいることになる。
糖尿病は発見が遅れやすい天が恐ろしく、会社などで行う集団の検診では、
糖尿病の初期段階のものはほとんで発見できない。
集団検診の場合、検診の朝には空腹の状態であることを求められる。
これは短時間で効率よく検査を行うという都合のためで、
集団の検診では胃の検査なども行うから、
どうしても胃が空っぽでなければ具合が悪くなる。
ところが、空腹時に血液を採って血糖値を調べても
空腹時血糖しかわからず、食後血糖値はわからない。
空腹時血糖が高いことで発見できるのは、
もうすでにかなり進んでしまった糖尿病だけであり、
食の糖尿病、あるいはその前段階で発見するには、
食後血糖値を調べる必要があるが、
検診ではそれを行っていないことになる。
糖尿病のことを考えると、それがなるべく進んでいない段階で
発見するのが望ましいのは言うまでもないが、
会社などで健康診断を受けていても
糖尿病の早期発見にはあまり役立っていないのが実情だ。