P.81 「肩が前に入っている」のは普通の姿勢
背骨はS字カーブを描いており、体の中では一番後ろ側にあります。
(肩甲骨も同様です。)
そして肩の骨は、背骨(胸椎)よりも前についている。
つまり「肩が前に入っている」のは正常な状態なのです。
正常というのは自然でリラックスした状態だということ。
だから、普通の姿勢をとっていれば、肩が前に入っています。
正確に言えば、肩の位置は「体の真ん中」にあります。
このイメージをしっかり頭に焼きつけ、
胸を張って、肩を無理に開くのはやめましょう。
P.113 筋肉が固まるから背骨が固まる?
「気をつけ姿勢」は、背骨を固まらせる大きな要因。
背すじをいつも伸ばしているため、背中を上下に走っている脊柱起立筋に
過剰な負担をかけて、常に緊張させている。
すると筋肉がカチコチに固まってしまい、動かなくなります。
筋肉と背骨はつながっているので、
筋肉が動かないと背骨も動かなくなってしまうのです。
P.134 どんなタイプであっても、「脱力」で姿勢が変わる
「脱力=だらしない姿勢」ではなく、「脱力=自然で美しい姿勢」
効果的な脱力法は、
<息を「ふー」ではなく「はー」と吐く>
P.137 一度、息を吸いながら背すじを伸ばして体に力をいれ、その反動を利用して、
息を吐きながら脱力する」
「ふー」と吐くということは、口のまわりの筋肉がまだ緊張していること。
脱力するために息を吐くのに、脱力しきれていないということ。
脱力の吐く息は、口をだらんとだらしなく中途半端に開けて、
「は~~~」と吐き出すこと。
大きく息を吸って思い切り緊張します。その反動を利用して、
「は~~~」とできるだけ長く息を吐き出し、全身を脱力させるようにします。
P.174 肩こり
肩こりと密接に関係しているのは、「筋肉の緊張」です。
(中略)筋肉は縮まると硬くなるので、そこを流れる血管を圧迫し、
血流が悪くなり、疲労物質がたまっていきます。すると、筋肉が疲れてきて、
それを「肩の張り」や「肩のこり」として認識します。
(中略)そして緊張が続くと背骨が動かなくなり、
「コンクリ背骨」になってしまいます。すると今度は体を動かしていても、
首や肩、背中は動いていないという状態になってしまいます。
すると、同じ姿勢を続けていなくても肩がこるのです。
反対に「コンニャク背骨」であれば、座って動いていないように見える姿勢でも、
実際は背骨がバネのように伸びたり縮んだりしています。
それにつれて、筋肉も伸び縮みを繰り返すので、ポンプの役目を果たし、
血流がよくなり、栄養も体全体にいきわたります。
P.177 肩こりには、両側の肩甲骨をギュッと寄せる運動などが紹介されているのを
よく目にします。が、こうした肩甲骨を動かす運動では肩こりは治りません。
効果があるのは、「背骨を動かす」運動です。
背骨と肩こりは直結していないように思えますが、実は効果絶大。