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P.74 希望しない延命が行われる5つの理由
80%以上の日本国民が延命措置を望んでいないのに、
実際には終末期のほとんどの人に延命措置が行われている理由を
著者が考察しています。
1.我が国にある延命至上主義
戦争で多くの命が失われたことへの反動からか、
国民の間には命の質よりも長さを尊ぶ延命至上主義がある。
(中略)また、医学教育も延命至上主義です。
2.自分はどのように死んでいきたいかを家族に伝えていない。
3.診療報酬や年金などの社会制度の問題。
家族側の事情としては、親の年金を当てにして生きている
人がいるのも事実です。
4.医師が遺族から延命措置を怠ったと訴訟を起こされる危険性がある。
5.倫理観の欠如
医療者も家族も、自分は受けたくない延命措置を物言わぬ高齢者に
行っています。高齢者の人権を守るべきです。
欧米豪では、高齢者の延命は
倫理的に問題があるとして行われていません。
P.96 日本では、人生が終わりに近づき、食べられなくなった高齢者にも
人工的水分・栄養補給(人口栄養)が行われています。
これは、世界的には珍しいことです。
何故そうなのか? 改善への道は?という内容は、この本を実際に読んで、
読者の皆さんが全員で考えて欲しいと思います。
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