9月になると訪れる人々が少なくなり、桐生川上流域は靜かな佇まいを取り戻す。
渓流とミツマタ。花の咲く時季が待ち遠しいスポットである。
川沿いを歩きながら、イワギボウシ(岩擬宝珠)を探してみた。
このものは山地谷沿いの湿った岩や樹の上に生えているユリ科ギボウシ属の多年草であり、関東・中部地方に分布している(山渓ハンディ図鑑2 山に咲く花)。
ここでは、花の数に圧倒された。
淡紫色を帯びた花は、光の方向がジャストフィットすると実に美しい。この花のファンとしては、持久作戦でそのような時間帯まで待ちたかったが、今日は探索に徹した。なお、花の長さは4センチ程度である。
ところで、紫色がやや濃い蕾も美しい。マクロレンズで接写したかったが、このものは梯子を使っても届かないほど高い位置に生えていた。自作の造語で表現すると、このものは自分にとって「高嶺の蕾」である。
蕾が開き「高嶺の花」になる頃に、時間帯を選んで再び撮りにくるぞ!
5日、桐生川、望遠 200 mm(解放絞り)にて。