テニスの帰りに中央図書館に立ち寄った。
図書館に立ち寄ると、《新刊コーナー》に立ち寄って1冊借りてくるのが私の癖である。
今年の夏は、免疫学者の多田富雄を何冊か読んだ。
その中の1冊が、
『邂逅』多田富雄×鶴見和子 往復書簡 藤原書店
で、その著作が下敷きにあり、新刊公コーナーから借りてきたのが本日の1冊である。
『鶴見和子を語る』 鶴見俊輔 金子兜太 佐佐木幸綱 黒田杏子編
藤原書房
この頃の若者は、鶴見俊輔の名前を知らないと思うが、私達年代の者は随分読んだのではあるまいか!
私自身も、名前は知っていたし著作も書店で見ているが、何となく敷居が高そうで敬遠してきた。
鶴見和子は、鶴見俊輔の4歳うえの姉の由。
鶴見姉弟の母は、男の子の俊輔に過剰の期待したのだろう。俊輔をなぐり、けり、柱や木立にしばりづけたらしい。
そのような時に、長女の和子が中に入って助けたそうだ。
本書は、社会学者・鶴見和子の一生を、弟・俊輔を中心に金子兜太と佐佐木幸綱が座談したものまとめたものである。
鶴見姉弟の祖父は南満州鉄道の初代総裁後藤新平、父は元厚生大臣の鶴見祐輔。
鶴見和子は、社会学者で長く上智大学の教授を務めていたが、1995年に脳溢血で倒れた。若い頃、佐佐木信綱の面受の弟子であったが学者として活躍の間は歌と離れる。80歳近くになり病で倒れた後、和歌が和子に夫戻ってきたそうだ。
鶴見家の親子関係、姉弟関係、姉弟の人間模様、弟・俊輔の不良ぶり、和子の和歌・・・興味はつきない。
ぜひ、ご一読あれ。