里村専精師の「浄土真宗にようこそ」No101をお届けします。
「必至滅度」は証巻の問題です。
「住正定聚」が、信巻の問題です。
同じ十一願が、二つに用いられています。
信巻の「住正定聚」は、凡夫の上に展開する仏道です。 これを真宗では「往生決定」と言います。
「往生」は「一人一人のしのぎ」です。
誰かが代わることはありません。
あくまでも一人の人間の上に展開する仏道です。
ですから、それは決して「成仏」ではないのです。
曽我量深先生は、「往生は心にあり、成仏は身にあり」と教えられました。 いい言葉ですよね。
聞法に因って、二つの地平が拓かれます。
一つは凡夫の上に広がる仏道です。
そしてもう一つ、難思の法界に広がる往相の世界です。
この身を任せてゆける、人類の仏道。
洋の東西を問わず、実は人はこういう課題を尋ね続けているのです。
人類を共に包んで展開する仏道を、早く世界的理解に映し出したいものです。