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ひとりで生きる

2014年03月28日 23時15分04秒 | 日乗

毎月・最後の木曜日。
朝日新聞朝刊の『論壇時評』が面白いですネ。

著者は、作家の高橋源一郎さんです。

高橋さんの眼差しには、いつも頭が下がります。

昨日(3月27日)のテーマは、「ひとりで生きる」《新しい幸福の形はあるか》でした。

◆先ずは、高橋さんの父親の話。
 2度癌になった父。最後は、おひとりで生活していました。
 通夜の席で、父親が亡くなる2日前まで書いたノートを渡された高橋さん。
 ノートには、父が生涯で付き合ったと思われる十数人の女性の名前が列挙されていました。
 (「ひとり」になった故に記すことができた秘めやかな思い出かもしれない)と高橋さんは想像 します。

◆「週間東洋経済」の4週にわたる特集の紹介。
 「認知症ケア」は無能者を施設で管理するという考えから、
 「認知症の人の行動には人間らしい理由が必ず潜んでいる。
 人格や人間性が失われる病気ではない」という考えへ移りつつあること。
 「同じ人間の仲間であると」と感じさせることで、
 「認知症」の進行を遅らせることも可能であることを紹介しています。

◆都築響一『独居老人スタイル』から。
 「ひとりで生きる」老人たちの生活を紹介しています。
 ビル清掃をしながら、誰にも見せず、自分だけの絵を描き続ける老人。
 閉館した映画館で、気の向いたときにメンテナンスをして、上映会をする老人。

 都築さんのことば。
 「そういうおじいさんやおばあさんは、だれもたいして裕福ではなかったけれど、小さな部屋で、
 若いころからずーっと好きだったものに埋もれて(それが本だろうがレコードだろうが、
 猫だろうがエロビデオだろうが)、仕事のストレスもなく、煩わしい人間関係もなく、
 もちろん将来への不安もなくーーようするに毎日をものすごく楽しそうに暮らしてる、
 年齢だけちょっと多めの元気な若者なのだった」

 本稿での高橋さんのまとめのことば。
 やがてやってくる社会で、わたしたちはみんな「ひとり」になっていくのかもしれない。
 そこで、わたしたちは、どんな新しい「幸福」の形を見つけることになるのか、
 いまのわたしには、わからないのである。

ボクが、高橋さん「論壇時評」を読みながら思い出したのは、

『仏説無量寿経』の中にある、

「独生独死 独去独来」のことば。

また、世尊の、「天上天下唯我独尊」のことばです。


「仏教は人間学 仏道は人間道」

いま、仏教の智慧にまねぶ時代の到来だと感じています。


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