連日映画の紹介だけど。いつもすぐ見ないのに、30日公開の映画を前後の時間の都合で今日見てしまった。それはポレポレ東中野でやっている「かすかな光へ」という記録映画。森康行監督。
森監督は「渡り川」(94年)、「こんばんは」(04年)と2回キネマ旬報文化映画ベストテンを取っている人で、この2作ともとてもいい作品で、学校でも上映したことがある。特に「こんばんは」は夜間中学を扱っていて、たまたま対象になった学校の近くの夜間定時制高校に勤務していて、映画に出てきた生徒をその後教えたという経験もある。だから森監督の新作だから、見ておきたいとは思ったものの映画の内容が教育学者の太田尭さんのドキュメントと聞いて、うーん、どうしようかなとちょっと思ったのも事実。だって学者センセイの映像撮って面白いのかなあ、ということ。
見たら、その危惧は全くの杞憂で、この映画はすごく面白い。すごく役に立つ。見て元気になる。考えさせられる。この映画は見た方がいい。
太田尭さん、93歳。いわゆる「進歩的文化人」という言葉があったときに、教育学者、都留文科大学学長として名前は何度も見聞きしているけれど、くわしくは存じ上げません。99年に夫人に先立たれ、追悼文集が映画で紹介されているけれど、80過ぎて配偶者に先立たれた後も社会的な活動を90歳を超えて行っているという、その一点だけでもすごい。戦争に生き残り、郷里の広島県三原(当時は本郷村)で教育刷新運動をはじめ、埼玉に移っても青年文化活動を行う。その後、家永教科書裁判の支援も続ける。このように、太田さんの歩みを追いながら、自然に戦後日本教育史をおさらいしていく。
そして現在も自然保護や福祉に関わりながら、現代日本への発言を続けている。キーワードが三つ。「ちがうこと」「自ら変わること」「かかわること」。「およそすべての生きもののそなえた生命の特質を手がかりとして、人間の尊厳、基本的人権を軸とするセーフティネットの創造につなげることで、モノとカネが支配する社会に、なんとかくさびを入れる、そういう夢を持ちつづけてきました。」(「ご来場のみなさまへ」太田尭)
教職課程を取っている若い人には是非見て欲しいと思う。
「かすかな光へ」という題名は、谷川俊太郎の詩から取っている。
上映は、平日はシエスタを取って4時半と7時。土日は2次20分あり。午前は「あぜ道ジャンピンッ!」という、聴覚障害の女の子がストリートダンスに目覚めるという新潟で撮った映画をやっていて、こっちも見たいけど、朝早い。
森監督は「渡り川」(94年)、「こんばんは」(04年)と2回キネマ旬報文化映画ベストテンを取っている人で、この2作ともとてもいい作品で、学校でも上映したことがある。特に「こんばんは」は夜間中学を扱っていて、たまたま対象になった学校の近くの夜間定時制高校に勤務していて、映画に出てきた生徒をその後教えたという経験もある。だから森監督の新作だから、見ておきたいとは思ったものの映画の内容が教育学者の太田尭さんのドキュメントと聞いて、うーん、どうしようかなとちょっと思ったのも事実。だって学者センセイの映像撮って面白いのかなあ、ということ。
見たら、その危惧は全くの杞憂で、この映画はすごく面白い。すごく役に立つ。見て元気になる。考えさせられる。この映画は見た方がいい。
太田尭さん、93歳。いわゆる「進歩的文化人」という言葉があったときに、教育学者、都留文科大学学長として名前は何度も見聞きしているけれど、くわしくは存じ上げません。99年に夫人に先立たれ、追悼文集が映画で紹介されているけれど、80過ぎて配偶者に先立たれた後も社会的な活動を90歳を超えて行っているという、その一点だけでもすごい。戦争に生き残り、郷里の広島県三原(当時は本郷村)で教育刷新運動をはじめ、埼玉に移っても青年文化活動を行う。その後、家永教科書裁判の支援も続ける。このように、太田さんの歩みを追いながら、自然に戦後日本教育史をおさらいしていく。
そして現在も自然保護や福祉に関わりながら、現代日本への発言を続けている。キーワードが三つ。「ちがうこと」「自ら変わること」「かかわること」。「およそすべての生きもののそなえた生命の特質を手がかりとして、人間の尊厳、基本的人権を軸とするセーフティネットの創造につなげることで、モノとカネが支配する社会に、なんとかくさびを入れる、そういう夢を持ちつづけてきました。」(「ご来場のみなさまへ」太田尭)
教職課程を取っている若い人には是非見て欲しいと思う。
「かすかな光へ」という題名は、谷川俊太郎の詩から取っている。
上映は、平日はシエスタを取って4時半と7時。土日は2次20分あり。午前は「あぜ道ジャンピンッ!」という、聴覚障害の女の子がストリートダンスに目覚めるという新潟で撮った映画をやっていて、こっちも見たいけど、朝早い。