パリ五輪(第33回夏季オリンピック競技大会)が7月26日~8月11日に行われた。終わってしまえばあっという間で、僕は見たり見なかったり。日本選手は金メダル20個を獲得し、米中に続く第3位となった。しかし、圧倒的にメダルに縁がなかった選手が多いわけだし、メダル数にこだわる気もない。最後にレスリングで大量に金メダルを取り「海外五輪史上最高」と言われるが、僕にはむしろ金メダル確実と言われながら一回戦で敗れた須崎優衣(女子レスリング)に、連覇の難しさを感じて感慨があった。
足立区出身の女子レスリング68キロ級尾崎野之香は、一回戦をわずか32秒で「10対0」のテクニカルフォール勝ちして圧倒的に強さを印象付けた。しかし、2回戦では得意技を封じられ、キルギスのメーリム・ジュマナザロワに8対6で敗退した。この選手は決勝まで進出して銀メダルだった。その結果、尾崎選手は翌日の敗者復活戦に回ることが出来、勝ち進んで銅メダルを獲得した。須崎選手も結局銅メダルを獲得出来て(それまでの経過はいろいろとあったが)、まあ良かった。
日本選手の話はいくらも出来るが、若い女子選手の名前が読めないなあと毎回感じる。読めないというか、漢字と合ってない読み方をさせるわけである。昔からそういう生徒は結構いたけれど。女子サッカー選手には、結構「○子」という名前の人が多いのが新鮮な感じ。男子自転車BMXフリースタイルの中村輪夢(りむ)とかセーリングの飯束潮吹(いいづか・しぶき)とか、命名から将来を予測させる名を付ける場合もある。ま、他人が口を挟む問題でもないだろうが。
ところで、今回のパリ五輪であまり問われなかったことを書いておきたい。一つはサーフィンをタヒチ島で行ったことである。選手村が借り上げた豪華船だったこともあって、そういうのもありじゃない的な報道が多かったと思う。前回銀メダルの五十嵐カノア選手がメダルに届かず、サーフィンの報道は少なかった。しかし、タヒチ島はフランス領ポリネシアという植民地である。独立運動もあって、「国連非独立地域」に指定されている地域である。
(サーフィンの選手村)
さらに「フランス領ポリネシア」というと、フランスが核実験を行ったムルロア環礁が含まれている。隣接地域と言っても良い。ちょうど8月にやってる五輪なのに、日本のメディアが全くそこに触れないのが不思議だ。フランスは植民地の独立が遅れていて、ニューカレドニアで問題化しているのは周知のこと。世界で今もこれほど植民地を保有している国はない。国内でも植民地主義の清算が遅れている。僕にはタヒチで五輪をやるのは無神経に見える。内陸のパリじゃ出来ないが、東京五輪では千葉県だったようにノルマンディーなど本国で可能な場所はいくらでもあるだろう。(ムルロア環礁はツアモク諸島南部にある。)
(タヒチの地図)
もう一つ、陸上男子400メートルリレー(100×4リレー)の予選結果を見て、これは何だと思った。全体的に柔道団体や男子バスケットボールの日本・フランス戦など、これはどうもと思う審判の判断が見られた。しかし、陸上のリレー予選ほど極端な「フランス有利」はないと思う。まず、予選は2組に分かれ、各組上位3チームは順位で決勝に進出する。残り2チームはタイム順で上位2チームが進出する。では、予選の順番を見てみたい。(下線=決勝進出)
予選A組 ①米国②南アフリカ③英国④日本⑤イタリア⑥オーストラリア⑦ナイジェリア(38秒20)⑧オランダ(38秒48)
予選B組 ①中国(38秒24)②フランス(38秒34)③カナダ④ジャマイカ⑤ドイツ⑥ブラジル⑦リベリア 失格=ガーナ
ジャマイカにバトンミスがあり、決勝進出出来なかったのは予想外だろう。それにしても、予選B組トップの中国ですら、A組なら8位である。まあ周囲を見て、タイムをセーブしたのかもしれないが。純粋にタイム順で選ぶなら、フランスは9位だから入らなかった。日本はタイムで救われたが、オーストラリア、ナイジェリアはタイムで中国を上回ったのに予選敗退となったのである。
(男子400メートルリレー決勝)
決勝の結果は、①カナダ(37秒50)②南アフリカ③英国④イタリア⑤日本(37秒78)⑥フランス⑦中国 失格=米国
何とアメリカが失格してしまい、B組3位だったカナダが優勝という意外すぎる結果になった。それにしても、2~5位は予選A組からだった。アメリカが失格しなければ、当然上位だっただろう。開催国がシードされるのはあり得ることかも知れないが、これはちょっと極端過ぎるのではないか。
400メートルリレーほど極端ではないけれど、1600メートル(400×4)リレーも似たような感じ。
予選A組 ①ボツワナ②英国③米国④日本(2分59秒48)⑤ザンビア(3分00秒08)⑥ドイツ⑦ポーランド⑧トリニダード・トバゴ
予選B組 ①フランス(2分59秒53)②ベルギー③イタリア④インド⑤ブラジル⑥スペイン⑦南アフリカ 失格=ナイジェリア
フランスは予選A組4位の日本より遅いタイムなのに、B組1位になったのである。何でこうなるの的な疑問を感じないか。なお、南アフリカは予選最下位なのに、審判判断で決勝進出となった。詳細は知らないが、何か理由があったのだろう。
結局、決勝はどうなったか?
①米国②ボツワナ③英国④ベルギー⑤南アフリカ⑥日本⑦イタリア⑧ザンビア⑨フランス
何だかこの組分けには、フランスへの「忖度」を感じずにいられない。どうも不可解だし、フランスってこういうことをするんだとつい思ってしまうんだが。
足立区出身の女子レスリング68キロ級尾崎野之香は、一回戦をわずか32秒で「10対0」のテクニカルフォール勝ちして圧倒的に強さを印象付けた。しかし、2回戦では得意技を封じられ、キルギスのメーリム・ジュマナザロワに8対6で敗退した。この選手は決勝まで進出して銀メダルだった。その結果、尾崎選手は翌日の敗者復活戦に回ることが出来、勝ち進んで銅メダルを獲得した。須崎選手も結局銅メダルを獲得出来て(それまでの経過はいろいろとあったが)、まあ良かった。
日本選手の話はいくらも出来るが、若い女子選手の名前が読めないなあと毎回感じる。読めないというか、漢字と合ってない読み方をさせるわけである。昔からそういう生徒は結構いたけれど。女子サッカー選手には、結構「○子」という名前の人が多いのが新鮮な感じ。男子自転車BMXフリースタイルの中村輪夢(りむ)とかセーリングの飯束潮吹(いいづか・しぶき)とか、命名から将来を予測させる名を付ける場合もある。ま、他人が口を挟む問題でもないだろうが。
ところで、今回のパリ五輪であまり問われなかったことを書いておきたい。一つはサーフィンをタヒチ島で行ったことである。選手村が借り上げた豪華船だったこともあって、そういうのもありじゃない的な報道が多かったと思う。前回銀メダルの五十嵐カノア選手がメダルに届かず、サーフィンの報道は少なかった。しかし、タヒチ島はフランス領ポリネシアという植民地である。独立運動もあって、「国連非独立地域」に指定されている地域である。
(サーフィンの選手村)
さらに「フランス領ポリネシア」というと、フランスが核実験を行ったムルロア環礁が含まれている。隣接地域と言っても良い。ちょうど8月にやってる五輪なのに、日本のメディアが全くそこに触れないのが不思議だ。フランスは植民地の独立が遅れていて、ニューカレドニアで問題化しているのは周知のこと。世界で今もこれほど植民地を保有している国はない。国内でも植民地主義の清算が遅れている。僕にはタヒチで五輪をやるのは無神経に見える。内陸のパリじゃ出来ないが、東京五輪では千葉県だったようにノルマンディーなど本国で可能な場所はいくらでもあるだろう。(ムルロア環礁はツアモク諸島南部にある。)
(タヒチの地図)
もう一つ、陸上男子400メートルリレー(100×4リレー)の予選結果を見て、これは何だと思った。全体的に柔道団体や男子バスケットボールの日本・フランス戦など、これはどうもと思う審判の判断が見られた。しかし、陸上のリレー予選ほど極端な「フランス有利」はないと思う。まず、予選は2組に分かれ、各組上位3チームは順位で決勝に進出する。残り2チームはタイム順で上位2チームが進出する。では、予選の順番を見てみたい。(下線=決勝進出)
予選A組 ①米国②南アフリカ③英国④日本⑤イタリア⑥オーストラリア⑦ナイジェリア(38秒20)⑧オランダ(38秒48)
予選B組 ①中国(38秒24)②フランス(38秒34)③カナダ④ジャマイカ⑤ドイツ⑥ブラジル⑦リベリア 失格=ガーナ
ジャマイカにバトンミスがあり、決勝進出出来なかったのは予想外だろう。それにしても、予選B組トップの中国ですら、A組なら8位である。まあ周囲を見て、タイムをセーブしたのかもしれないが。純粋にタイム順で選ぶなら、フランスは9位だから入らなかった。日本はタイムで救われたが、オーストラリア、ナイジェリアはタイムで中国を上回ったのに予選敗退となったのである。
(男子400メートルリレー決勝)
決勝の結果は、①カナダ(37秒50)②南アフリカ③英国④イタリア⑤日本(37秒78)⑥フランス⑦中国 失格=米国
何とアメリカが失格してしまい、B組3位だったカナダが優勝という意外すぎる結果になった。それにしても、2~5位は予選A組からだった。アメリカが失格しなければ、当然上位だっただろう。開催国がシードされるのはあり得ることかも知れないが、これはちょっと極端過ぎるのではないか。
400メートルリレーほど極端ではないけれど、1600メートル(400×4)リレーも似たような感じ。
予選A組 ①ボツワナ②英国③米国④日本(2分59秒48)⑤ザンビア(3分00秒08)⑥ドイツ⑦ポーランド⑧トリニダード・トバゴ
予選B組 ①フランス(2分59秒53)②ベルギー③イタリア④インド⑤ブラジル⑥スペイン⑦南アフリカ 失格=ナイジェリア
フランスは予選A組4位の日本より遅いタイムなのに、B組1位になったのである。何でこうなるの的な疑問を感じないか。なお、南アフリカは予選最下位なのに、審判判断で決勝進出となった。詳細は知らないが、何か理由があったのだろう。
結局、決勝はどうなったか?
①米国②ボツワナ③英国④ベルギー⑤南アフリカ⑥日本⑦イタリア⑧ザンビア⑨フランス
何だかこの組分けには、フランスへの「忖度」を感じずにいられない。どうも不可解だし、フランスってこういうことをするんだとつい思ってしまうんだが。