最近読んでる本とだいぶジャンルが違うけど、すごく面白い本を読んだので紹介。『ヒルは木から落ちてこない。 僕らのヤマビル研究記』(山と渓谷社、2021)という本で、書いたのは「樋口大良+子どもヤマビル研究会」になっている。つまり、子どもたちの活動でヒルを研究した記録なのである。樋口さんという人は元小学校の校長先生で、退職後に子どもたちの自然体験学習の指導員を頼まれたのである。場所は三重県の鈴鹿山脈の麓で、その辺りはヒルが多いところとして知られているという。
「ヒル」って、山の方にいて血を吸うアレである。ゴキブリや蚊なんかと並び、嫌な虫の代表格である。まあ、虫じゃないんだけど。同じように血を吸う点で比べると、蚊に刺されるとかゆくなるし時には病原菌を媒介する。一方、ヒルは病気は媒介しないというから、まだマシ。だけど、ヌメッとして気付かないうちに吸ってるのが何だか気味悪い。そう思う人が多いと思うけど、何とそのヒルを子どもたちが研究しちゃったのである。最初は読んでるこっちも気持ち悪いけど、次第に慣れてきちゃうのが不思議。
(ヤマビル)
鈴鹿山脈は神奈川県の丹沢などと並んでヒルが多いという。自然活動をしていると、どうしてもヒルにやられてしまう。ヒルは血を吸うときに、「ヒルジン」という麻酔効果があるものを出して、人間が感じないようにして吸血する。ヒル忌避剤というのもあるが、それでもなかなか防げない。では、そのヒルってどんな生態の生き物なのだろうか。研究している人を探したけど、日本には誰もいないらしいのである。それじゃあ、自分たちで研究しちゃおうというのが「子どもヤマビル研究会」。
もう10年以上続いているという子ども研究会の活動をまとめたのがこの本である。これが抜群に面白いのである。新発見が続々で、純粋に科学的好奇心が刺激される。小学生(高学年)と中学生で、これだけ出来ちゃうのである。特に重要なのは、題名にもなっている「ヒルは木から落ちてこない」の証明である。ヒルは下も注意だけど、木から落ちてくるのも要注意だと確かに今まで言われていた。自分はヒルにやられたことは無いけど、木にもヒルがいるという話は聞いたことがある。
ヒルを捕まえないと話にならないから、最初はヒルがどこにいるかを探す。だんだんヒルを大量に捕獲出来るようになった結果、どうも「木の上説」はおかしいんじゃないかと思うようになる。調べると泉鏡花『高野聖』に、ヒルが降ってくる場面があるという。そう言えば、そんな描写があった。皆が今までそう信じていたのである。それが本当なのかどうか、どういう風に立証出来るだろうか。そこら辺の「仮説」「実験」「証明」のプロセスが面白い。「論理学」を教える意味で非常に意義がある。
(樋口大良氏)
だけど大人たちはなかなか納得しない。確かにヒルは首にも付くのである。だが、それは足から登っていったことを証明してしまう。僕は完全に納得した。次は「解剖」である。エッ、ヒルを解剖するのと思うけど、内部構造も調べてみたいのである。さらに産卵を観察してみたい。誰も成功していないのである。そして「ヒルはどうやって広がるのか」という大問題がある。そういう問題に子どもたちがチャレンジする。その結果も大切だが、子どもたちでチャレンジした経過が魅力的なのである。
ヒルは環形動物で、ミミズの仲間である。皮膚がすごく硬くて、足で踏みつけてもなかなか破れない。血を吸えなくても、ずっと生きてるらしい。じゃあ、何の血を吸うのだろうか。ちゃんと研究されてないから、疑問が次々と湧くのである。そういう知的好奇心をくすぐられる本。特に学校の図書室には是非置いて欲しい。そして、欺されたと思って読んでみて下さい。絶対面白いから。研究会はまだまだ続いていて、ブログで知ることが出来る。
「ヒル」って、山の方にいて血を吸うアレである。ゴキブリや蚊なんかと並び、嫌な虫の代表格である。まあ、虫じゃないんだけど。同じように血を吸う点で比べると、蚊に刺されるとかゆくなるし時には病原菌を媒介する。一方、ヒルは病気は媒介しないというから、まだマシ。だけど、ヌメッとして気付かないうちに吸ってるのが何だか気味悪い。そう思う人が多いと思うけど、何とそのヒルを子どもたちが研究しちゃったのである。最初は読んでるこっちも気持ち悪いけど、次第に慣れてきちゃうのが不思議。
(ヤマビル)
鈴鹿山脈は神奈川県の丹沢などと並んでヒルが多いという。自然活動をしていると、どうしてもヒルにやられてしまう。ヒルは血を吸うときに、「ヒルジン」という麻酔効果があるものを出して、人間が感じないようにして吸血する。ヒル忌避剤というのもあるが、それでもなかなか防げない。では、そのヒルってどんな生態の生き物なのだろうか。研究している人を探したけど、日本には誰もいないらしいのである。それじゃあ、自分たちで研究しちゃおうというのが「子どもヤマビル研究会」。
もう10年以上続いているという子ども研究会の活動をまとめたのがこの本である。これが抜群に面白いのである。新発見が続々で、純粋に科学的好奇心が刺激される。小学生(高学年)と中学生で、これだけ出来ちゃうのである。特に重要なのは、題名にもなっている「ヒルは木から落ちてこない」の証明である。ヒルは下も注意だけど、木から落ちてくるのも要注意だと確かに今まで言われていた。自分はヒルにやられたことは無いけど、木にもヒルがいるという話は聞いたことがある。
ヒルを捕まえないと話にならないから、最初はヒルがどこにいるかを探す。だんだんヒルを大量に捕獲出来るようになった結果、どうも「木の上説」はおかしいんじゃないかと思うようになる。調べると泉鏡花『高野聖』に、ヒルが降ってくる場面があるという。そう言えば、そんな描写があった。皆が今までそう信じていたのである。それが本当なのかどうか、どういう風に立証出来るだろうか。そこら辺の「仮説」「実験」「証明」のプロセスが面白い。「論理学」を教える意味で非常に意義がある。
(樋口大良氏)
だけど大人たちはなかなか納得しない。確かにヒルは首にも付くのである。だが、それは足から登っていったことを証明してしまう。僕は完全に納得した。次は「解剖」である。エッ、ヒルを解剖するのと思うけど、内部構造も調べてみたいのである。さらに産卵を観察してみたい。誰も成功していないのである。そして「ヒルはどうやって広がるのか」という大問題がある。そういう問題に子どもたちがチャレンジする。その結果も大切だが、子どもたちでチャレンジした経過が魅力的なのである。
ヒルは環形動物で、ミミズの仲間である。皮膚がすごく硬くて、足で踏みつけてもなかなか破れない。血を吸えなくても、ずっと生きてるらしい。じゃあ、何の血を吸うのだろうか。ちゃんと研究されてないから、疑問が次々と湧くのである。そういう知的好奇心をくすぐられる本。特に学校の図書室には是非置いて欲しい。そして、欺されたと思って読んでみて下さい。絶対面白いから。研究会はまだまだ続いていて、ブログで知ることが出来る。
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