2023年7月の訃報(続き)。国外の訃報をまとめて。あまり多くなかったので、頑張れば前回と一緒に書けたんだが…。
チェコ及びフランスの作家、ミラン・クンデラ(Milan Kundera)が7月11日死去、94歳。先月亡くなったアメリカのコーマック・マッカーシーとともに、毎年のようにノーベル文学賞候補に名が挙っていた。1929年、チェコスロヴァキア(当時)のブルノで生まれ、「社会主義」時代に創作を開始した。1967年の『冗談』(岩波文庫)は共産党支配下の閉塞した社会を描いている。翌年の「プラハの春」(自由化運動)にも関わったが、ソ連侵攻後に発禁となった。
(ミラン・クンデラ)
1975年にフランスのレンヌ大学に招へいされ、渡仏。1979年には国籍をはく奪され、1981年にフランス市民権を取得し、創作もフランス語で行うようになった。1984年に『存在の耐えられない軽さ』を発表して世界的に評価され、映画化された。その他『不滅』『笑いと忘却の書』など主要な作品は集英社文庫に収録されている。文学評論も多く、ヨーロッパ文学の伝統を継承する作家だった。持ってるので、今後読みたいと思っている。
英仏で活躍した俳優、歌手のジェーン・バーキンが7月16日死去、76歳。折しも娘のシャルロット・ゲンズブールが監督した映画『ジェーンとシャルロット』が公開を控えていた(8月4日公開)時点で、大変驚いた。ジェーン・バーキンと言えば、エルメスのバッグ「バーキン」だという人が多かったけど、僕は知らない。本当は歌手や俳優としての活躍もほとんど知らない。セルジュ・ゲンズブールと歌った『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』(1969)が大ヒットし、過激な性描写が話題となってヒットした。セルジュが監督した同名の映画(1976)でも主演している。
(ジェーン・バーキン)
ロンドンで生まれ、女優を目指していた。18歳で映画『ナック』の端役に採用されたが、同作の音楽を担当したジョン・バリー(アカデミー賞音楽賞を4回受賞した大作曲家で、007のテーマ曲を編曲した)と結婚した。長女を産むが、68年に離婚。フランスにわたって、セルジュ・ゲンズブールと出会い、事実婚で次女シャルロットを産んだ。80年に関係が破綻するが、その後映画監督ジャック・ドワイヨンと結婚し、三女を産んだ。このような時代に先駆けた自由な生き方で支持されてきた。東日本大震災直後の4月6日に早くも来日し、チャリティ・コンサートを行ったことでも知られる。
(若い頃)
アメリカの歌手トニー・ベネットが7月21日死去、96歳。第二次大戦後を代表するポピュラー歌手の一人で、グラミー賞を20回受賞した。主なヒット曲に「ブルー・ヴェルヴェット」「ストレンジャー・イン・パラダイス」「霧のサンフランシスコ」などがある。70年代後、ロック音楽台頭に押され人気が低迷したが、クラシックやジャズ、ロックなど多くの歌手とコラボして人気が復活した。近年もレディー・ガガとの親交で知られた。最近はアルツハイマー病を患っていたが、2021年にも史上最高齢の95歳で新作アルバムを発表し、ギネス世界記録に認定された。
(トニー・ベネット)
・アンドレ・ワッツ、12日死去、77歳。クラシックピアニスト。ドイツ出身で、バーンスタイン指揮のニューヨーク・フィルと16歳で共演して知られた。
・ボー・ゴールドマン、25日死去、90歳。アメリカの脚本家。『カッコーの巣の上で』『メルビンとハワード』でアカデミー賞を2度受賞した。他にも『ローズ』『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』などを手がけた。
・ランディ・マイズナー、26日死去、77歳。「イーグルス」結成メンバー。「ホテル・カリフォルニア」などに関わったが、77年に離脱しソロで活動した。
・シンニード・オコナー、26日死去、56歳。アイルランド出身の歌手で、宗教や性に関して政治的なメッセージを述べることで知られた。1990年には「Nothing Compares 2 U」がビルボード誌で世界1位のヒット曲となった。2018年にはイスラム教への改宗を公表していた。
チェコ及びフランスの作家、ミラン・クンデラ(Milan Kundera)が7月11日死去、94歳。先月亡くなったアメリカのコーマック・マッカーシーとともに、毎年のようにノーベル文学賞候補に名が挙っていた。1929年、チェコスロヴァキア(当時)のブルノで生まれ、「社会主義」時代に創作を開始した。1967年の『冗談』(岩波文庫)は共産党支配下の閉塞した社会を描いている。翌年の「プラハの春」(自由化運動)にも関わったが、ソ連侵攻後に発禁となった。
(ミラン・クンデラ)
1975年にフランスのレンヌ大学に招へいされ、渡仏。1979年には国籍をはく奪され、1981年にフランス市民権を取得し、創作もフランス語で行うようになった。1984年に『存在の耐えられない軽さ』を発表して世界的に評価され、映画化された。その他『不滅』『笑いと忘却の書』など主要な作品は集英社文庫に収録されている。文学評論も多く、ヨーロッパ文学の伝統を継承する作家だった。持ってるので、今後読みたいと思っている。
英仏で活躍した俳優、歌手のジェーン・バーキンが7月16日死去、76歳。折しも娘のシャルロット・ゲンズブールが監督した映画『ジェーンとシャルロット』が公開を控えていた(8月4日公開)時点で、大変驚いた。ジェーン・バーキンと言えば、エルメスのバッグ「バーキン」だという人が多かったけど、僕は知らない。本当は歌手や俳優としての活躍もほとんど知らない。セルジュ・ゲンズブールと歌った『ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ』(1969)が大ヒットし、過激な性描写が話題となってヒットした。セルジュが監督した同名の映画(1976)でも主演している。
(ジェーン・バーキン)
ロンドンで生まれ、女優を目指していた。18歳で映画『ナック』の端役に採用されたが、同作の音楽を担当したジョン・バリー(アカデミー賞音楽賞を4回受賞した大作曲家で、007のテーマ曲を編曲した)と結婚した。長女を産むが、68年に離婚。フランスにわたって、セルジュ・ゲンズブールと出会い、事実婚で次女シャルロットを産んだ。80年に関係が破綻するが、その後映画監督ジャック・ドワイヨンと結婚し、三女を産んだ。このような時代に先駆けた自由な生き方で支持されてきた。東日本大震災直後の4月6日に早くも来日し、チャリティ・コンサートを行ったことでも知られる。
(若い頃)
アメリカの歌手トニー・ベネットが7月21日死去、96歳。第二次大戦後を代表するポピュラー歌手の一人で、グラミー賞を20回受賞した。主なヒット曲に「ブルー・ヴェルヴェット」「ストレンジャー・イン・パラダイス」「霧のサンフランシスコ」などがある。70年代後、ロック音楽台頭に押され人気が低迷したが、クラシックやジャズ、ロックなど多くの歌手とコラボして人気が復活した。近年もレディー・ガガとの親交で知られた。最近はアルツハイマー病を患っていたが、2021年にも史上最高齢の95歳で新作アルバムを発表し、ギネス世界記録に認定された。
(トニー・ベネット)
・アンドレ・ワッツ、12日死去、77歳。クラシックピアニスト。ドイツ出身で、バーンスタイン指揮のニューヨーク・フィルと16歳で共演して知られた。
・ボー・ゴールドマン、25日死去、90歳。アメリカの脚本家。『カッコーの巣の上で』『メルビンとハワード』でアカデミー賞を2度受賞した。他にも『ローズ』『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』などを手がけた。
・ランディ・マイズナー、26日死去、77歳。「イーグルス」結成メンバー。「ホテル・カリフォルニア」などに関わったが、77年に離脱しソロで活動した。
・シンニード・オコナー、26日死去、56歳。アイルランド出身の歌手で、宗教や性に関して政治的なメッセージを述べることで知られた。1990年には「Nothing Compares 2 U」がビルボード誌で世界1位のヒット曲となった。2018年にはイスラム教への改宗を公表していた。