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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

一週間

2009-04-16 15:09:28 | 日々のこと
中学校の入学式から、まる1週間が過ぎました。

今頃になって、じわじわと、新しい季節(=次のステージ)を
感じはじめています。


通っていた小学校の、すこし先に中学校があるし、
友達もみなよく知っているし、私自身は、読み聞かせボランティアと
して、まだ小学校にかかわりを残しているので、3月があっという間に
過ぎたあとも、なんとなく今までと同じ「進級」みたいな気持でいました。

この春が、旅立ちのときだった方のご様子を聞いたり、読んだり
していても、いまひとつピンとこず‥
春に進級、進学がつきものの日本よりも、6月の爽やかな時期に、
(地域によって違うと思いますが、私が知っているNYの6月は
それはそれはいい季節です)
卒業し、夏を超えて、9月に新しい生活が始まる国の方がいいかも
なんて思ったりもしてました。

でも、でもですね。
ここへきて、やはり、新しいことを始める季節が〈春〉でよかったと
しみじみ思っています。

何もないように見えたところから、芽が出たり、
ただの枝から、吹き出るように、新しい緑が出てきたりするのを
見ているのは、ほんとうに清々しいです。

別れを迎え、冷えていた心も、文字通り日々成長していく
緑の姿に、慰められることだろうし。
慣れない学校や、生活のリズムに浮足立っている、私のような
ところは、毎朝水をあげ、植物の様子を見るだけでも
その行為が、すこしづつ気持ちを落ち着かせてくれたりもしますもの。


この花は、3月12日のブログにこう書いていた「小さなポット」です。

うっかり、水をあげるのを忘れて、へたっていた小さいポットに
慌てて、昼に、水をあげたら、夕方には葉がぴんと立っていて。
植物の、そういうわかりやすさは大好きだ、と思い、
そういうわかりやすい素直さを、大事にしようと思いました。

ちょうど入学式の頃に花が咲き始めました。
油断すると、すぐにへたってしまうので、一番気にかけています・笑


中学生になったからといって、うっかりしたり、油断したりしていたら
子供もへたってしまうのでしょうね‥いろんな意味で‥
だからといって、いつ水をあげようかと見張ってばかりいても
いけないし、水のあげ過ぎにも要注意です。


昨日読み終わった『そして、ねずみ女房は星を見た』の中の
お話を運んだ馬』について書かれたページに、こういう記述が
ありました。(引用のまた引用なので、ちょっとわかりにくいかもしれませんが)

母の大きな灰色の目が、こう言っているように見えた。
「おかしな子だけど、やはりおまえのことは愛しているんだよ」

清水眞砂子さんの大学の授業で、この作品を読み終えた学生の
ひとりがこういったそうです。

「こどものとき、こんな言葉に出会っていたら、もっとずっと
伸びやかに生きられたのに」
すると、居合わせたほかの学生たちが次々と「わたしも‥」と
いいはじめました。  
「だからおかしいことはしないようにって、いつも思ってきた」と。

中略

受容し、抱きとめてくれる人の存在を信じられず、おかしな子にも、
あきれた子にもなれないでいる子どもたちの辛さを想います。



この本には、いつでも取り出せるところに置きたいことが、色々
ありましたが、上の箇所は、私には特に大切に思われました。
こどもひとり対親ふたり、の関係は、時々、こどもに妙な負担を強いている
ような気持ちにさせられるからです。

いつまでたっても、親と子、という関係は続けていくのですが、
どちらがどちらに水をあげるのでもなく、できれば、一緒に風に揺れる
野の花みたいでありたいなあと、思います。
そんなことを想わせてくれるのも、新しく迎えたステージが〈春〉だからですね、きっと。








コメント (14)
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