先日、BSプレミアムで放送されていた『タイマグラばあちゃん』の
録画を観ました。
タイマグラというとっても異国な響きの土地名だけ知っていて‥それで
番組予約をしておいたので、どんな内容で、どんないきさつで撮られたのか等は
いっさい知らずに見始めました。
(ここでは、詳しい内容には触れませんので、どうぞタイトルのリンク先を
ご覧になってください。)
その記録映画の最初の方に、「ばあちゃん」の夫である、91歳の「じいちゃん」が
登場し、こんなようなことを話すのです。
50代~60代の頃がいちばんよかった。
若い時は体はよく動くけれど、心がそれについていかない。
50代過ぎた頃が、体と心のバランスがとれてくる‥
91歳の「じいちゃん」のことばは、50代60代を(もちろん70,80代も)通り過ぎて
きた人だけが持っている頼もしさがあり、そうか、そうなんだと、私の顔と心は、
ほころんできたのでした。
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それと前後して、今年6月に行われる同窓会の準備委員の集まりがありました。
思ったよりもずっと多い30人弱くらいの同級生が来ていて、もうすでにミニ同窓会だね、
と友達と言いあったりして。
最初の5分くらいは、この人誰だっけと、互いに、顔を見たり見ないようにしながら(笑)
確認しあいましたが、ああ、と頷いて、笑顔が返ってきて、しゃべりはじめると、
30年という時間って、いったいなんだったのだろう、と思うほど、誰もが「高校3年生」の
ままでした。人って、基本的なところは18歳ぐらいの時からほとんど変わることが
ないのではないか、とも思いました。
(すこし早口なところとか、質問の切り出し方とか、人の話をよく聞いていないところ
とか‥笑)
あの時の、3年の教室の隅にドアがあって、それを開けたら「ここ」に繋がっていたような
そんな錯覚すら覚えたし、32年後の自分たちを見ることができるドア‥かなり限定版ですが‥
どこでもドアってあるんだよ、と18歳の自分に教えてあげたいとも思いました。
帰り道、駅のホームで思いっきり手を振り合って別れた私の内側は、18歳のままというか、
32年の時を一瞬で越えたというか、ううん、眠っていた18歳の気持ちが顔をもたげた、が
一番近いでしょうか。
帰ることができると思いました、18歳の気持ちにまでは。
タイマグラの「じいちゃん」が、50代がいちばんバランスがよいというのは
きっと本当のことなんだろう、と素直に信じることができて。
体は、気持ちの入れものなんだという気にもなって。
ますます、入れもののメンテナンスをしっかりしておかないと、昔の気持ちを
保てないぞと思ったり。
50歳で迎える同窓会、わるくないかもと、思い始めています‥。