数か月ぶりに図書館へ行き、YAコーナーの棚で
こんな本を見つけたので借りてみました。
ルイス・ミショーは、1938年、43歳のときにニューヨークの
ハーレムに本屋を開きます。
ナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア。
黒人に関する本ばかりを扱う書店、通称「ミショーの店」、そして
訪れる人は彼のことを「プロフェッサー(教授)」と呼んでいたそうです。
マルコムXをはじめ、ミショーのことを慕い、店に通って来ていた
常連は私でも、あ、この人なら知ってる、という面々も多く‥。
ミショーの影響力が計り知れないものであったことは、容易に
想像ができます。
作者のヴォーンダ・ミショー・ネルソンは、ルイス・ミショーの
弟の、孫にあたる人だそうで。彼の入念なリサーチとインタビュー、
新聞に載った写真などからも、その時代の雰囲気を読み取ることが
でき、とても面白い構成の本だと思いました。
(訳者である原田勝さんのログがこちらに載ってます★)
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なぜ彼が本屋を始めようと思ったのかー。
こんなふうに書かれているページがあります。
わたしは多くの黒人たちと接したが、残念ながら、自分たちの
歴史をちゃんと知っている者はごくわずかだった。
自分がどこから来たのか知らなければ、どこへ行こうとしているのか
わからない。自分にどれだけの価値があるのか知らなければ、働いた
対価をいくら受け取るべきなのかわからないはずだ。自分が何者なのか
知って初めて、現状を改善できる。
黒人は眠っている。いや、眠っているわけではない。目はさめている。
ベッドの端に腰かけて脇腹をかいているのだ。
今、自分の胸の中にある気持ちを、分析したり、書き表すことは
とてもできませんが、この引用した部分はどんな人にも当てはまる
とても大事でとても普遍的なことを言っているのだと感じます。
私は、ルイス・ミショーという名前を、この本を目にするまで、
一度も聞いたことがなかったし、彼の本屋のことも何も知りませんでした。
でも、今は知っているし、ずっとむかしに観た映画「マルコムX」も
今だったらもっとよくわかると思うのです。
そして、本ってすごいと、また思うのです。