もう1週間、まだ1週間‥
先週の木曜日、4月17日に、代官山ヒルサイドで、末盛千枝子さんの
おはなしを聴くことができました。
末盛さんは、すえもりブックスの代表で、 『ゴールディーのお人形』や
『すばらしい季節』の翻訳者でもあります。
そんな方のお話を、月に一度、ランチ付き(希望者)で、楽しめるという
素晴らしい企画がはじまりました。
その第1回目が4月17日で、お話のタイトルは「タシャ・チューダーとの出会い」です。
ひとりで参加したことと、久しぶりの代官山で戸惑わないようにと、
かなり余裕を持って、その日家を出たので、私が会場に着いたときは、
まだ、ことり文庫さんのこうめさんと、すえもりブックスの担当の方は、一生懸命
本を並べているところでした。
とてもいい席に案内されて、一息ついて、あたりを見回したりしていたら、
花模様のジャケットがとてもお似合いの、たいへん上品な佇まいの女性が
本並べに忙しい二人の近くに立っていました。
もしやあの方が末盛さん‥?
でも、これからお話なさる方は、そういう所にはいないよね?などと
自問自答しているうちに、会場の席は埋り、進行役の方が話始めました。
そして、「ご紹介します」のあとに、現われたのは、やはり(思ったとおり)
花模様ジャケットのその方でした。
その日の講演タイトルが、今をときめくタシャ・チューダーなので、
タシャさんのファンの方も、いらっしゃっているのかなと思いました。
実際に、タシャさんと会い、タシャさんの家に泊まったことがある方から
大好きなタシャさんのお話‥もしかしたら秘話‥を聴くことができると
期待していたかもしれません。
私の中にも、すこしばかり、そういう気持ちもありました。
なんといってもあの暮らしです。タシャさんのあのお庭です。
実際に「その場に居た」ことがあるなんて、です。
最初私は、末盛さんはタシャさんのご招待を受けて、
(翻訳者としてとか、日本の出版社の代表としてとか)
ご訪問されたのだと思っていました。(なんとなく固いイメージ)
でも、どうやらそういう感じではなく‥
1991年に、末盛さんがニューヨークを訪れたとき、親しくしている
編集者の方(タシャさんの編集者でもある)に、連れていってもらった
ということでした。(わりと軽い感じ)
あたりは真っ暗で、道なき道を走っていくうちに、末盛さんは
たいそう不安になり、ニューヨークからはるばるヴァーモントまで
来てしまったけれど、よかったのかしら?と思ったそうです。
着いたその日は、編集者の方(アンさんだったかな、お名前は)の
誕生日ということで、タシャさん作のケーキが用意されてたそうです。
(会場のテーブルに、そのときのケーキや、お部屋の写真なんかが
プリントアウトされてました)
講演後の質問で「そのときのケーキはどんなお味でしたか?」と
尋ねた方がいらっしゃいましたが、末盛さんは
「緊張していて何も覚えていない」と答えられていました。
末盛さんがタシャさんの本に出会ったのは、1966年。
『First Delights』(のちの『すばらしい季節』)だったそうです。
話が前後してしまいますが。
末盛さんは、3,4歳の頃から11,12歳まで、盛岡に疎開していたそうです。
そこでの暮らしや、いとこたちと遊んだこと、話したこと、
それらはすべて大切な思い出であり、こども時代のすべてがそこにあった
とおっしゃっていました。
このセミナーの総合タイトルは「人生に大切なことはすべて絵本から
教わった」ですが、私は、盛岡時代のお話を聴きながら、
人生に大切なことはすべてその子の子供時代にある、と思っていました。
モノからの豊かさではなく、ココロの豊かさを、こども時代に培うことが
いかにだいじであるかに思いを馳せ、ちくちくと胸が痛んでいました。
(その痛みは、自分の子供時代がどうだったかという気持ちと、
自分の娘に、豊かな子供時代を与えることができているのだろうかという
不安の痛みです)
『First Delights』に出会い、翻訳して日本語の本にしたいと、末盛さんが
お思いになったのも、しあわせな子供時代があったからにちがいないと
言い切ってしまってもいいかなあと思います。
タシャさんの話、盛岡の子供時代の話、彫刻家であるお父さまや
ご家族の話‥そんな中で、私が書き留めた印象的な言葉が二つあります。
「なにかのおかげで、一線を越えずにすんでいると思うのです」
これは、子育てについてのアドヴァイスを求められたときに、駐車場で
見かけた若いお母さんが、泣き止まない赤ちゃんにてこずっている時に
お母さんの方が泣きたいくらいよね、と話しかけたというエピソードの時に
ちらとおっしゃった言葉だったと思います。
こどもに対するいろんな事件が起こっていることは、決して「他人事」ではなく、
いつ自分だって、「線の向こう側」の裁かれる人になってしまうか
わからないということでしょうか‥。
もうひとつ。
「しあわせの種をみつける」
盛岡時代から仲良くしているいとこが居て(その方はシスターだそうです)、
その人がある時、「私たちが楽しい毎日を過せたのも(盛岡で)、
戦争のおかげね」と言ったのだそうです。
(いつも物事を、よい方から見るとそういうふうに言えるのですね。)
しあわせの種を見つけるのがうまい人、とそのいとこさんのことを
いいました。
第2回目の講演会は、5月15日(木)です。
もう定員に達してしまったでしょうか‥
私は、もちろん参加いたします。今度はランチ付きのにです♪
お問い合わせは、ヒルサイドインフォメーション ℡03-5489-3705です。
最新の画像[もっと見る]
- 2024年10月に観た映画 4週間前
- 2024年10月に観た映画 4週間前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年9月に観た映画 2ヶ月前
- 2024年8月に観た映画 3ヶ月前
- 2024年8月に観た映画 3ヶ月前
お話の雰囲気、味わわせていただきました。
「すばらしい季節」のうしろに、タシャのおうちへ
行った時のことがやっぱり載っていたのですが、
きっとそのおはなしをふくらませてお話くださったんでしょうね。
子ども時代に出会う、もの、ひと、考え方は、その後に、
よくも悪くも大きな影響を持つでしょうけど、
いろいろなものに出会えれば、それだけ人間的な魅力が増しそうですね。
これは、だめかーちゃんからも、何か学んでおくれという気持ちと、
これからのすばらしい出会いを期待しての気持ち(笑)
”しあわせの種”が身近なところで見つけられる人に
なりたいですね!
しあわせの種を見つけられる人になりたいです。
ターシャさんも、まさに、そういう方ですよね。
(テレビや本だけの情報ですが)
素敵な講演会だったのですねー。
すえもりブックスの代表者の方にも、とてもお会いしてみたかったので、行けなくて本当に残念でした。
美智子さまの本を購入したときに、その装丁の美しさに感動し、何とセンスの良い出版社さんなんだろう・・・と、ずっと、思っていたのです。
最後の方の回だけでも行けたらいいなあと思いますが、
未だに、夜中も2時間おきにオッパイに起きる娘の断乳が、
成功するとは、とても思えず・・・。
やっぱり無理かなあ・・・でも、ランチなしなら、どうかなあ・・・
なんて、望みをつないでいます。
でも、rucaさんのおかげで、少しだけ行った気持ちになれて、幸せ。ありがとうございました♪
今度は、ランチの方もお願いしますっ!
なんか最近、自分より年上の女性に会ったり、
その方のお話を聴いたりしていると、すぐにその方の
魅力に圧倒され、ファンになってしまう傾向があり‥
そして、数年後の自分、さらにそのまた数年後の自分を
重ね合わせたりしてしまいます。
末盛さんから感じたことは、(私がこんなこと言うの、
大変失礼だとは思いますが)自分たちの延長線上にある(いる)
普通の人なんだということでした。
そしてその安心感が、私をさらにひきつけたのだと思います。
すえもりブックスのあのロゴマークをデザインをしてくれた方は、
お子様が学校へ行っていたときの、ママ友達なんですって。
その方が一番前のお席で、お話を聴いてらして‥末盛さん、
その方を紹介されたとき、すごく嬉しそうでした。
こどもが大きくなっても、私たちいつまでもともだちよね、という感じで。
末盛さんのお話‥テーマにそった話よりも、末盛さん
ご自身の小さかった頃の思い出なんかが、とてもとても
心に残った会でした。
会場にいらしていたお若い女性が、「私はこれから子育てを
していくのですが、何かアドバイスはありますか?」と
質問コーナーの時に、尋ねられ‥末盛さんは、私にそれだけは聞かないで~と
笑っていたのが、とてもかわいい感じで、さらにファンに
なってしまいました。あー私たちとおんなじだと思って。
こももさんとも、会場でお会いできたらどんなに楽しいだろうと
思いますが、まだまだ難しい時期ですよね~
5月も、よーくお話聴いてきますね♪
ますます高まってきてしまいました~(笑)
ずっといらっしゃる方もいることを思うと、1回目のお話は
2回目にはなさらない?かも知れませんよね・・・
rucaさんが行ってくださって、よかった~♪
>一線を越えずにすんでいる
これって、よくわかります。何かのお陰で・・・というのは
きっと理解できない他人の行動を目にしたときとかに
フツフツと起こるものに似ているような気がしますが
育ち方と言うか・・・育てられ方みたいなものから形成された
価値観みたいなものかなーって思ったりします。どうでしょ?
自分の根っこにあるもの。
親に「お陰さまで」と言いたくなるような種類のものなのだとしたら
あ~、私も親だった・・・と思わずにいられませんが。
>しあわせの種
はい、私も見つけられる人でありたいです。
自分の選んでいる人生ですからね。(ナゲキバト?)
責任持って楽しいものに、シアワセなものにしたいです。
末盛さんのお書きになった、亡くなられたご主人のことを
描かれた本を読んでから、すこしでもいいからお話を聞きたいと
思いはじめた方なので、すごくすごく楽しみです。
次回への期待が、私も高まっていますよ~。
今度は、知っている方がこうめさんひとりではないって
いうの、すごく楽しみです。
>一線を越えずにすんでいる
私は、もっと単純にというか、こんなふうに思いました。
こどもが小さな赤ちゃんだった時、どんなにどんなにあやしても
泣き止まない時ってあったでしょ?
原因もわからないし、自分以外誰もそばにいないし、
自分だってすごく疲れてて泣きたいのにーっていう時。
でも、たいていの場合、我慢して我慢して、抱っこし続けますよね。
けど、たまに、こどもを床にたたきつけたり、ベランダから落としてしまった人のニュースを見ると‥
どきんとするんです。もしかしたら、あのとき、自分だって
ああしていたかもしれないなって。
だから「一線を越えなかった」ことへの感謝っていうの、
実感として捉えたのです。
踏みとどまらせてくれたものは、何なのでしょうね。
それが親から譲り受けた「根っこにあるもの」なのかな。