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絵本の話を中心に、好きなもの、想うことなど。

はなのすきなうし

2005-10-25 16:31:38 | ひらきよみ(読み聞かせ)

 10月21日(金)は5年生のクラスでの読み聞かせでした。
少し大きい子のクラスへ行ったら、読もうと決めていたのがこの本、
はなのすきなうし 岩波の子どもの本 です。

 私がこの本を知ったのは、つい最近。今年の2月に、私の住んでいるK市主催の
「読み聞かせ」に関する講座に出席した時です。3回ある講座の第3週目に、
講師の方の前で、読み聞かせの実践というものがあり、そこで参加者のある方が
この本を選んで読んでくれました。
 はじめて出会う本が、自分で読んだのではなく、誰かの声で読まれたものだった、
というのは、とても新鮮な経験でした。「目」からではなく、「耳」から届いたお話‥。

 場所はスペイン、どこかの牧場。
子牛たちは毎日跳んだりはねたり、駆け回ったりして遊んでいます。そんな中、
主人公のふぇるじなんどだけは、ひとり別行動。静かに草の上に座っています。
 ふぇるじなんどのおかあさんは心配になり、彼に聞きに来ます。
「どうしてほかのこどもたちと一緒にあそばないの?」
(牛のお母さんも、人間のお母さんと心配になることは同じです)

 ふぇるじなんどは丁寧に答えます。「ぼくは こうして、ひとり、はなのにおいを
 かいで いるほうが、すきなんです」
 
ふぇじなんどのお母さんは、彼がさびしがってないことを知って、好きなように
させておきます。(たまにはみんなと遊んだらとか、つい言いたくなってしまう
ところだと思うのですが、このお母さんはえらいです)

 月日は流れ、ふぇるじなんども他の子牛たちも大きくなっていきます。
みんなの願いは、まどりーどの大闘牛で戦うこと。だから、男たちが強い牛を探しに
やってきたときは、大騒ぎ。猛烈にあばれてみせたりします。でも、ふぇるじなんどは、
そんなことには興味なし。いつものようにお気に入りの場所に座りに行きます。
 しかしお話は、くまんばちの登場で急展開。「あっ」ということが起こり、
彼がまどりーどへ行くことになってしまうのです。

 そして迎えた大闘牛の日。ここまできたら戦うしかないんじゃないの?
という状況の中でも、彼は彼のままでした。大観衆の目前でも、自分自身を忘れません
でした。(もしも私がふぇるじなんどだったら、崖っぷちに立たされたと観念し、
好むと好まざるとにかかわらず、戦ってしまったと思います。せっかく見にきてくれた
人もいることだし、と
へんなサービス精神?で)

 いろんなメッセージを、感じることができる本だと思います。

 しかし、5年生の教室でこの本を読むことで、ひとりひとりの個性が大事とか、
個人を尊重しようとか、そんな大きなテーマを掲げていたわけではありません。
子どもたちが(私もそうでしたが)、自分からは、積極的に手にすることは
少ないかなあと思ったので、ちょっと耳に入れておきたかったぐらいの気持ちです。

 もしも、子どもの頃に、この本を読んでいたら、私は何を感じていたかなあ?


 
 



 


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6 コメント

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Unknown (まみいご)
2005-10-25 22:22:38
読み聞かせの本の選び方って 私にとっては

いつも悩みの種です。あっ私の場合

自分の子に・・ですけれど・・ 3年生になるとコレって幼すぎ?・・とか

・・でも読むと 4歳児も9歳児も6歳児も同じ1冊の本で結構楽しんで聞いてくれます。

今回は5年生に・・とのことでとっても参考になりました 

またお邪魔しますね
返信する
むずかし、たのしい本選び (ruca)
2005-10-26 15:47:16
まみいごさん、こんにちは。



私も、いつも迷っています、今度はどの本を読もうかなあって。いろいろ考えて、難しい作業でもあるけれど、この段階が一番おもしろいかもしれません。誰かが選んでくれた本を、ただひたすら練習して読むよりも‥。なので、なるべく時間をかけて、自分で納得のいく本を読みたいなあと思っているのですが。



>4歳児も9歳児も6歳児も同じ1冊の本で結構楽しんで聞いてくれます



そうなんですよね。学年が上だからといって、難しい本を選ぶこともないんです。素直な心を持っている子には、絵本のおもしろさがストレートに届くからだと思うのです。

この次は、1年生のクラスの行くのですが、さて何の本を読もうかなあと、本選びがまた楽しみです。

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本選び (percy)
2005-10-27 14:48:34
素敵なお話ですね。

うちのにいにがもう少し大きくなったら、一緒に読みたいです。



本の表紙も素敵だなぁ。と、思ったのですが、

隣に素敵なお花付きで、写真を撮られるなんて、

rucaさんって、本当に素敵なかただなぁ。と思いました。

>「目」からではなく、「耳」から届いたお話‥。

と、いう表現も。

いつも、新鮮です。

ありがとうございます。













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いつもありがとう (ruca)
2005-10-28 15:40:00
percyさん、こんにちは。



ひっかかっていた本についての記事も書けて、

やっとさっぱりした気持ちになれました。

それにpercyさんから、「お花付写真」のこと

褒めてもらったし。



percyさん、優しい人ですね。
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素敵な本ですね (こもも)
2006-03-03 19:52:33
トラバありがとうございました!

5年生への読み聞かせをされたんですね。

5年生ともなると、色々なことを感じ、それを言葉にできる年頃ですね。どんなことを感じたのでしょうか。

今は、ふ~んとしか思えなかった子も、後から、思い出してくれるかもしれませんね。その位、素晴らしい本ですものね!

そんなことを、なんとなく想像して、温かい気持ちになりました。

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こももさんへ (ruca)
2006-03-04 15:20:52
こんにちは。



すいませーん、まちがってましたね。4年生のクラス

ではなく、5年生で読んでました。

こういう一見、地味な感じの本は、誰かが読んで

あげないと、子ども自らは手にとらないことも

多いかなあと思っています。



何年か後(何十年かも)、誰か思い出してくれたら

嬉しいですよね。
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