ロッシーニは、美食家でお料理好き。
セビリアの理髪師や、アルジェのイタリア女など、オペラを書いては流行らせ、大成功。
ベートベンやワーグナーにも絶賛されていました。ショパンはロッシーニの主題によるフルートファンタジーを書いているほど。ところが、ウィリアムテルを書いた後、突然音楽家を引退。
35歳のことでした。
後は、新しいお料理を創作したり、レストランを経営して暮らしました。
それも並の腕ではなかったようで、大成功。
トゥールヌド・ロッシーニ (ヒレステーキのフォアグラとトリュフ添え)のようなロッシーニ風という料理はみんなロッシーニが考案した料理で、フランス料理の中にたくさん残されています。
と、食いしん坊が私だけでないことを言い訳しておいて、今日も珍しい食材の話です。
あつかったことの無い食材、二回目の食材。
どう料理したらおいしいのか?実験開始です。
これは紅菜苔(こうさいたい)。
アブラナ科アブラナ属。中国原産。
菜の花と同じような栄養価、見た目ですが、最大の特徴は、茎が紫色なことで、抗酸化物質アントシアニンが多く含まれています。
普通の菜花と同じベータカロチンも含まれていて、鉄分ミネラルも豊富。きれいだし、いいことづくめです。
これはチョロギ。長老喜と書いて、京都のおせち料理にも入れられる縁起物です。
変な形でしょ。シソ科の植物の根っこだそうです。なんと脳を活性化する効能があるそうで、認知症予防になるそうです。食べたくなってきたでしょ。
最後がキクイモ。
生姜ではありません。でも芋でも無いようです。キク科の植物で、澱粉をほとんど含まず、これを食べるとイヌリンという物質が脂肪を取り巻き吸収を妨げ、オリゴ糖になり、腸内をきれいにし、その上血糖値をさげるんだそうです。
すごい!
紅菜苔は、オリーブオイルで炒めて塩。チョロギは、炒めて塩。キクイモはゆでてから炒めました。
レンコン、じゃがいもの揚げ物、紫芋の大学芋、大根おろしとネギ、椎茸のホイル焼きゆず掛け、豚肉と白菜とごぼうの酒蒸ししょうががけ。
紅菜苔は、炒めたら濃い緑色になりました。思ったよりシナっとして、癖がなく、お酒のあてにぴったり。ゆでてもいいらしいですが、これは炒めるのが一番みたい。
チョロギは、少し固い目、炒める時間が短かったかな?塩だけですが、うっすら甘味を感じました。固めにゆでた里芋に少し甘味を感じるような感じ。次は煮てみよう。
キクイモは、食感は山芋と大根の間のような感じ、前回鍋にした時にはあまり気づきませんでしたが、結構甘い。皮がついているのが香ばしくておいしいです。
ちなみに、大学芋にした紫芋は、次男が「外側は砂糖で甘いけど、中の芋は甘くない!」と不評でした。次男が甘党すぎるかもしれません。
夫の徳島出張のお土産、吟醸芳水。今日の料理にはぴったりでした!
日曜日は京都山城町にでかけました。家から車で1時間。
名所でも、公園でもありません。
ただ、森があって、清流があるだけです。
でも、私たちには十分!
子どもたちが小さい時から、夏は昆虫採集、クワガタを探し、冬は腐葉土や枯れ木を探しに何度も、何度も通いました。
今もその時のクワガタが生きていて、何年も何世代も。
夫はお世話を続けています。
この杉が2本重なっている景色が好きです。うんと若い頃行った展覧会のフリードリヒの絵。絵を買って長いこと自分の部屋に貼っていました。
不思議とその絵にそっくりなのです。それも、最近気づきました。
次男と夫は、腐った木を覗き込んだり、割ったりして中に幼虫が入っていないか夢中で見ています。
私はそう興味はないので、森を散策します。
そこで見つけたたった一本の梅の木。
たった今、満開になった・・・たぶん。
他には誰もきません。今だけ、私たちだけの森、私たちだけの梅の木。
網膜に、脳に、身体に染み込みました。
レイ・ブラッドベリの「霧笛」
霧の中、霧笛が鳴ると、その音に向かってはるか海の遠くから何マイルも泳いでくる。
世界中でただ一頭生き残った恐竜。
波止場に近づいた彼は、霧笛に応えるように咆哮をあげます。
霧笛の音を仲間の声だと思って。
霧笛と恐竜の咆哮は響く。
やがて、偽物だとわかり、怒り狂った恐竜は、灯台を壊してしまいます。
しばらく、失った仲間を悼むように咆哮をあげた後、また海に帰っていく。
耳を圧する霧笛と恐竜の咆哮が聴こえてくるような気がする小品です。
ブラッドベリがこの作品を出したのは1951年。
ちょっと恐竜を思わせるような甲羅をもっているカブトガニは、恐竜が出現する前 古生代5億二千年前から、この形だそうです。
絶滅危惧種。