ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「愛について ある土曜日の面会室」、三組の愛の物語です。

2013-02-18 16:35:47 | フランス映画
おススメ度 ☆☆☆
複雑な映画好き ☆☆☆☆

これとっても、心に残るいい映画なんですけど、28歳の女性の初監督作品です。

愛の物語といえど、刑務所の面会室で、隣り合わせになるだけの3組です。

冒頭、刑務所前で、待つ人たち、その中で、「刑務所にいる夫が移送されて会うすべがない」と泣き叫ぶ女。でも誰も耳を貸そうとしない。黙々と面会室に入っていく。

叫び声と、喧騒感、最初は、見ているだけでイライラしてくる。

そして場面が変わると、脈絡のない話が、入れ代わり出てくる。

話が暗い、まず、死体の搬送(フランスからアルジェへ)。病院へ血液を運んでいくが、時刻通りでないと叱られる。サッカー好きの少女、偶然知り合ったロシアの青年と仲良くなる。だが、彼は突然警察に捕まる。未成年は面会にも行けない。

でも、映画に、根気よく付き合っていると、それぞれの関係が実に丁寧に描かれていることが分かってくる。

そしてそれぞれの愛の形が、まったくきれいごとでなく、ぶつかり合いであることがあぶりだされる。

刑務所での犯罪者との入れ代わりという、かなりシビアなテーマも、それを受ける側の悩みを丁寧に描いて、これ一本だけでも映画になりそうな濃密なものだ。

また、愛の形も、ただ知り合っただけのものから、息子、またはその愛人(男)、男に愛想を尽かしていても、最後はよりを戻す男女。

複雑な愛の形が、別の話でありながら濃密に絡み合って展開し、スリリングでさえある。何とも余韻のある映画だ。



コメント
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