ひろの映画見たまま

映画にワクワク

「淵に立つ」、あの男が現れるまで、私たちは家族だった。

2016-10-22 17:49:09 | 日本映画

おすすめ度 ☆☆☆★

人間ドラマ好き ☆☆☆☆★

第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞。

なんとも言えない、後味を残す映画。

これは、家族のシリアスドラマだ。

町工場を経営する夫婦と娘の円満家庭に、一人の男が加わる。

白に統一された男のいでたちは、さわやか。

オルガンの苦手な娘にオルガンを教え、いい男ぶる。

だが、男には裏があった。

その事件は男が赤い衣装をまとったときにおこる。

8年後、娘は身体不自由な身に、母親は極度の潔癖症に。それは、あの事件の後遺症。

そこに現れたのが、8年前の男の息子。

そしてクライマックスへ。

淵に立つのはだれか。それはこの映画を見ているあなた。と言いたげ。

家族問題を中心にシリアスな映画を撮り続ける深田晃司。この映画は、そのエポックメイキングか。

見るものを離さない演出力はしたたか。

そこここに張り巡らせた演出テクニック。数え上げればきりがない。

例えば、敬虔なクリスチャンの母と娘。朝食の前にはお祈りをする、だが、父はもくもくと食事を始める。このシーンに象徴される、日本の宗教観。うまい。

 

 

コメント
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