おすすめ度 ☆☆☆☆ (劇場鑑賞)
第二次世界大戦、ヨーロッパ。
ドイツ軍の進撃に押されて、フランス領内のダンケルクに逃げ込んだ連合軍。
イギリス国民の世論に押されて、時のチャーチル首相は、撤退を決めるのでした。
そしてあらゆる船舶を動員して救助に当たったのです。
だが、前線の兵士は知る由もなく、砂浜に長蛇の列を作り、ドイツ軍の砲撃を浴びては、死んでいくのでした。
冒頭兵士が、敵の攻撃を受けながら街を海辺へ移動するシーンから。
そしてこの陸上の兵士の逃げ惑う恐怖と、
政府に徴用され、お国のためと老体に鞭打つ小舟の船長。
そして、空から、ドイツ軍戦闘機と戦う勇敢なイギリス兵士。
それぞれ、一週間、一日、一時間と時間軸は異なるが映画は並行して描かれ、作品に膨らみを与えている。
そしてCGを使わない監督の意地で、船が攻撃され沈没する恐怖がひしひしと伝わって、音響効果と相まって胸が高なる。
1500人のエキストラを使って30万人の避難者を描く、膨大な兵士たちは、作戦の困難さをいやがうえにも高める。
敗戦でありながら、ラストは勝利感さえ覚える高揚だ。
特に、印象に残るのは、水とのたたかいだ。手に汗握る展開だ。
壮大な戦争叙事詩。まさに。いろいろ考えさせられる。