ひろの映画見たまま

映画にワクワク

映画「明かりを灯す人」、キルギスの映画です。

2012-08-07 15:41:07 | 映画
おススメ度 ☆☆

明かりを灯す人というから、灯台守の話かと思ったが、単なる電気屋さん。でも村では何でもやってくれる便利な電気屋さんだ。

天山山脈のふもと、聖なるイシク・クル湖のほとりの小さな村が舞台。

長編映画で、国際的に評価されている監督だ。ひとのよさそうなおじさんだ。というのは、主人公の電気屋さんを演じている。

電気屋さんは、自分で風力発電を製作して実験しているが、風のある場所で作れば、成功すると信じている。

だが、この村に資本が入って開発されようとしている。村長は反対していたが、彼もなくなって、開発に賛成な若い村長が選ばれる。

わいろや女の接待など、昔風の開発話が主題だ。

電気屋さんは素朴。最後に一事件があって、開発はどうなるのだろう。

女たちの力強さに期待したい。

天山地方ののどかな風景が素朴だ。そして人たちの生活も。

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フランス映画「アウンサンスーチー 引き裂かれた愛」、夫婦のきずなが描かれています。

2012-08-06 19:09:57 | フランス映画
おススメ度 ☆☆☆

冒頭、実話であるというコメントが、

確かに、アウンサンスーチーは、時の政権により監禁され、ノーベル賞を受賞。夫との別離生活を送った。

ただ、ビルマにおける時の政権の在り方が、欧米側の一方的考え方で処理されており、あくまでスーチーをヒロイン化する道具にされていることにきづかいが必要だ。

その点を除いて、単純に夫婦の絆問題としてとらえれば、よくできた映画だ。フランスのリュックベンソンが演出。あの彼がえっと思うが、力量を発揮する。

スーチー夫婦には、一本筋が通っている。民主化政権の実現だ。そのためには、犠牲を払わねばならない。

二人は強い。まず、学生たちが囚われひどい扱いを受けることに対するハンガーストライキ。あと2,3日で死ぬというのに。

突然現れ銃で脅してくる軍隊、銃を向けられても恐れず突き進む姿。崇高にさえ見えてくる。

いっぽう、夫は、妻のためにノーベル賞を得るよう努力したり、くじけて、イギリスへ帰りたいというスーチーを押しとどめ、忍耐を求める姿。

時の政権に、隔絶された二人、更には、スーチーの息子達。

お互い、本音では、さびしいと語る。

夫は、癌を病み、幾何の余命。それを知りながら会えない立場の苦労。涙を誘わずにはいられない。

電話すら、途中で妨害が!

ビルマの置かれた悲劇がしのばれる。

スーチーを演じるミシェルヨー。スーチーの民衆に対するビルマ語での堂々たる演説。体重を絞り切っての熱演。自ら映画化を求めた意味が分かる。

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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 喜劇編 豊田四郎監督の「夫婦善哉」

2012-08-05 16:33:24 | 日本映画
1955年作品。

織田作之助原作のこてこて大阪です。

化粧問屋のボンボンが、女房子供がいながら、新地の売れっ子芸者と駆け落ち。まあよくある話だ。

舞台は、昭和初期の大阪。

だが、原作によるところも多いが、どこまでもずるがしこく、でも一つ抜けているどうしようもない見栄っ張りの弱者を、実に軽妙に演じあげた森繁久彌。まだこのころは、円熟味はないが、若さがあり、問屋の面々を相手にいきがる姿など滑稽の極みだ。

それが、また弱い男と知りながら、惚れてしまった弱み。怒りながらも許してしまう惚れた女の性。芸者としての綺麗さに長けた淡島千景の受けの演技。

それを知りながら甘えてしまう男の狡さ。

男と女の機微が、執拗に描かれる。豊田演出のさえだ。

どろどろの男女話でありながら、どこかしゃれているのは、誰のせいだろうか。日本映画ならではの恋話。千日前横丁の街並みがよく似合う。
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NHK山田洋次が選んだ日本映画100選 喜劇編 斉藤寅次郎監督の「東京5人男」

2012-08-04 15:10:10 | 日本映画
1945年作品。

終戦直後の作品だ。2,3か月で映画を作ったのだから驚く。

舞台は、当時の東京、セットではなく焼け跡そのままの東京が出てくるので驚く。

監督の斉藤寅次郎は、喜劇の神様と言われていた男だ。そして、5人男、当時一世を風靡した漫才師エンタツ・アチャコ。ちょっと今のお笑いと芸風が違う。どっという笑でなく、クスという笑だ。それに古川ロッパ、どこかおくげ風のゆったりした芸風。「はは、のんきだね」の石田一松、落語家の柳谷権太楼。その他脇も結構お笑いだ。

お役所仕事が徹底的に風刺されている。最後は、台風で家が流されるが、一方で、隠してあった配給物資が一挙に放出される。

311の東日本大震災での、被災後の状態も想像されて、今も変わらぬお役所仕事に風刺が見られる。

この映画は、元気印の映画だ、お笑いの5人組が、貧しさを笑い飛ばすことで、戦後を元気づけようとしている。一方で、すでに彼らの持ち味だったミュージカルというか音楽劇が面白い。

まあ、なにより、終戦直後の東京が活写されていて面白い。
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梁英姫(ヤンヨンヒ)、映画「かぞくのくに」の監督。

2012-08-03 19:59:40 | 日本映画
今週のAERAで、取り上げられ、村尾国士が、書いている。

ヤン・ヨンヒはすでに、「ディアピョンヤン」、「愛しきソナ」のドキュメントが公開されているが、今回映画「かぞくのくに」が公開されている。

京都では来週公開なので、未見。

で、聞き書きに書かれている事実は、実は映画よりもっと鮮烈で、47歳になるヨンヒの苦難の半生がつづられている。

北朝鮮という、危うい国に翻弄される女性として、それをばねにドキュメントや映画を発表し、時代を代表している。

それにしても、父母は済州島の出身だという。だが、父が金日成に傾倒し、朝鮮総連で活躍し、それから、自らの意思で渡朝した兄たち。

そこから悲劇が、北朝鮮の立ち位置が、危うくなって、それ以後兄たちは帰るに帰れず、逆に妹にスパイを持ちかけたという。

自由社会の育ったヨンヒは、もう北朝鮮には戻れない。

しかし、兄を精神異常に追いやられ、次の兄は離婚。

その辺のことは、さすがドキュメントにはできず、フィクションとして映像化した。

その鮮烈さが女を強くした。

在日という一方のハンデを抱えながら、乗り越えてほしいと願う。
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アメリカ映画「きっとここが僕の帰る場所」、さえない老年のロック歌手の旅物語!

2012-08-03 16:26:44 | アメリカ映画
おススメ度 ☆☆☆☆

アメリカ映画だが、監督はイタリアのパオロ・ソレンティーノ。

そのメークなんなんだといわせる、老人メイク。でも派手。アイラインと口紅、だが顔はしわしわ。ショッピングセンターをカートを引きずって歩く姿は投げやり。ショーンペンが演じている。

元ロックスター、でも今は歌はない、株でもうけたりしてるけど、消防士の妻に叱咤激励されている。イギリスダブリンでの生活。

そんな、彼は、父との祖語で、ずっとあっていなかった。突然父危篤の報が、でも飛行機嫌い、船で、故郷のニューヨークへ。だがすでに父はなくなっていた。

ただ、父は死ぬ前、ナチス収容所で虐待されたナチスの残党を追いかけていた。

で、父の願いを叶えようと自ら探索の旅に出る。

といった筋だが、父の贖罪というより、自らの立ち位置探しの旅に見える。だって、それまでのだらだら無気力が、がぜん執拗な追求と変わり果ては、銃まで購入して恨みを晴らそうとする。

広大なアメリカの荒野の旅は、ダブリンののんびりした生活とは様変わりだ。

ロードムービーにつきものの、音楽は、ロックスターの設定だけあって、曲が素晴らしい。

出会ったナチス将校は、高齢。銃の代わりにある処刑を。

そして、なしとげた男はなぜか、メイクを取った普通のショーンペンに。あのメイクはなんだったのか?



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