おすすめ度 ☆☆
ワンシチュエーション映画好き ☆☆☆
イギリス・マルタ島合作
舞台はマルタ島の漁港。
一人で釣りに出た男が、霧に包まれ、漂流していた無人のプレジャーボートに乗り込む。
ところがこのボートが曲者で、なにか意志を持っている。
突然トイレに閉じ込められ、大型汽船にあおられるは、はては浸水騒ぎ。
これでもかと、難題が降りかかる。
まあ、それだけの話なので、良しとするかどうか?
おすすめ度 ☆☆
ワンシチュエーション映画好き ☆☆☆
イギリス・マルタ島合作
舞台はマルタ島の漁港。
一人で釣りに出た男が、霧に包まれ、漂流していた無人のプレジャーボートに乗り込む。
ところがこのボートが曲者で、なにか意志を持っている。
突然トイレに閉じ込められ、大型汽船にあおられるは、はては浸水騒ぎ。
これでもかと、難題が降りかかる。
まあ、それだけの話なので、良しとするかどうか?
おすすめ度 ☆☆☆
イタリア映画好き(特に宗教・SF) ☆☆☆☆
第71回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門脚本賞。
かなり宗教色、寓話色が強く、一般向きではない。
だが、アントニオーニやロッセリーニの描いたリアリズモの復活を思わせる。
実際に、20世紀後半に、隔絶された町で、搾取され続けた村が存在し、それを知った監督が着想を得て、この映画を作ったという。
その話に、ラザロというキリスト教の聖人をからませ、搾取された社会と、今日の金もうけ主義を絡ませ、寓話的に描いた作品だ。
ラスト、銀行で、強盗と間違われて殺されるラザロ。そして狼。
途中、ラザロは、山から落下、一度死ぬ。
その広大な、山間風景と、現代の都会の風景が対比的映像として心に残る。
幸福なラザロに癒される。
イタリアの女性監督アリーチェ・ロルバケル作品
おすすめ度 ☆☆☆
若い女に興味ある方 ☆☆☆★
カンヌ国際映画祭で新人監督賞にあたるカメラドールを受賞した人間ドラマ。
パリで暮らす31歳の女性ポーラは、10年付き合った恋人に捨てられてしまう。お金も家も仕事もない彼女は途方に暮れ、恋人の飼い猫ムチャチャを盗み出す。猫を連れてきたことで居候先の友人宅からも安宿からも追い出され、実家に戻ろうとしても母親から拒絶されてしまうポーラ。やがて住み込みのベビーシッターのバイトを見つけた彼女は、ショッピングモールの下着店でも働きはじめ、ようやく自分の居場所を見つけたかに思えたが……。
嘘つき、泣き虫、見栄っぱり。すべてを失くしたやけっぱちのヒロイン。
金なし、宿無しのどん底生活。
だが、まず金。宿。
何とか、職を見つけ、宿も手に入れる。
だが、それも
ポーラを演じるレティシア・ドッシュが、裸もいとわぬ、全力疾走で、どん底から這い上がるまでを、演じ切る。
なんとチャーミング。
フランスでは、31歳でも若い女なのだ。
おすすめ度 ☆☆★
宗教・環境に興味ある方 ☆☆☆★
アメリカ・イギリス・オーストラリア合作
ヴェネチア映画祭で評価されるなど、各映画祭で話題を呼んだ。
ただ、宗教色の強い映画で、関心がないと、難解な映画だ。
戦争で息子を失い、罪悪感を背負って生きる牧師が、教会の抱える問題を知ったことから信仰心が揺らいでいく姿を描いた。ニューヨーク州北部の小さな教会「ファースト・リフォームド」の牧師トラーは、ミサにやってきた女性メアリーから、環境活動家である夫のマイケルの悩みを聞いてほしいと頼まれ、彼女の家を訪れる。そこでマイケルが地球の未来を憂うあまり、メアリーのお腹の中にいる子を産むことに反対しているという話を聞かされる。また、トラーは自身が所属する教会が環境汚染の原因を作っている企業から巨額の支援を受けていることを知り……。
特にラストは、ショッキングな展開だが、意味不明の終わり方。
教会が、環境汚染ワーストの会社に寄付を受けていることへの不信感。
そういう意味では、現代への警鐘としてとらえれば、よい映画なのかも。
ポール・シュレイダー監督作品。イーサンフォーク主演。
おすすめ度 ☆☆☆
ネット社会に警鐘 ☆☆☆★
題名の「飢えたライオン」は、アンリ・ルソーの『飢えたライオンは身を投げ出してカモシカに襲いかかる』に由来する。
固定カメラによる定点撮影、短いシーンの積み重ねなど、かなり工夫した撮影法。
一人の高校生が、SNSで拡散した噂で、はじめは、嘘とはぐらかしていたのが、やがていじめの対象となり、はては、レイプされるにいたる。
反社会的教師の行為と、女子高生自身の身軽な行動により悲劇に至る。
実に見ていて辛くなる映画だ。
高校生の死後の高校校長の、的外れな講話に、今のマスコミの象徴が現れている。
決して優秀な映画とは言えないが、一石を投じる強さを持っている。
おすすめ度 ☆☆☆★
教育関係者 ☆☆☆☆★
フランス・パリの名門高校で国語を教える男性教師・フランソワが、ひょんなことから貧困層が通う中学校に赴任する物語。
冒頭名門高校での授業は、かなり難しい。それを教えていた教師が、パリ郊外の教育困難中学に1年間派遣されることになる。
なにしろ、授業より遊びの生徒たち。
その生徒たちに、学びの楽しさ、重要性を教えていく。
簡単に、成功するわけではない。
その悪戦苦闘ぶりが映画の中心。
その苦労が最後に報われる。
それは、問題児の退学問題。
問題児は退学で片付くわけもない。
それまでの、教師と生徒のやり取りから、生徒に学習意欲は見いだせた。
それだけに、彼をとどめる努力をする教師に喝采を送る。
問題児に、「去られると寂しい」と告られる。
センセイ冥利の映画だ。
先生役のドゥニ・ポダリデスがいい。
日本題名は、映画にそぐわない。
おすすめ度 ☆☆☆ (劇場鑑賞)
ゴッホ好き ☆☆☆★
イギリス・フランス・アメリカ合作
主演のゴッホを演じたウィレム・デフォーが、ヴェネチアで男優賞を獲得するなど評価を得ています。
現代美術のアーティストであるジュリアン・シュナーベルが演出を担当。
ゴッホの半生を描いている。半生といっても。37歳で亡くなっているので、アルルへ移ったのが35歳であるから、晩年の3年くらいの描写。
ただ、絵を描きだしたのが、20代後半なので、まあ、絵かき時代の半生か?
さらに、片耳を切ったり、幻覚を見たりと、いささか精神的におかしいし、絵をかいてもほとんど売れない(書き出したのが遅かった)ので、極貧にあり、画商の弟に世話になっていた。と、決して恵まれない半生。
ただ、自ら景色を眺めていると、俄然絵が描きたくなるという、天性の絵かきだった。
で、この映画の特色は、ゴッホの半生を描きつつ、その晩年のゴッホの目にしたものを描こうという監督の思いで作らているので、殆ど手持ちカメラ、二つの焦点という特殊技法で、まさにゴッホ視点を描いている。
まるで、ゴッホの絵の中にいるような錯覚を覚えさす、そんな映画だ。
おすすめ度 ☆☆☆★
大正時代の日本に実在した無政府主義者・朴烈と日本人女性・金子文子の愛と闘いを描いた韓国映画。
無政府主義者の朴烈の恋人金子文子の恋愛を描いた映画だ。
ただ、歴史的背景を描くため、関東大震災後の政府の対応ぶりや、むりすじの逮捕劇も丁寧に描かれる。
彼らが、天皇を認めていないので、その辺もきっちり描かれており、日本人としては、
いささか面はゆい。
ただ、日本人である文子が、そこまで朴烈の犠牲になるところが、描写しきれていない。
金子文子を演じるチェヒソをはじめ、演者の日本語は、かなり上手(日本人も何人か演じている)。
文子の意志の強さは、抜群に演じられており、かっこいい。
韓国映画であるため、どうしても、その目線になるのはやむを得ない。
この事件は、日本人でもあまり知るところでないので、目新しい。
韓国ではかなりの評価のようで、日本でも、ちゃんと評価してほしい。
意外と真面目でありながら、暗くならないところに、韓国映画の底の深さを見る。
おすすめ度 ☆☆☆★ (劇場鑑賞)
山本周五郎賞を受賞した帚木蓬生のベストセラー小説「閉鎖病棟」を平山秀幸監督・脚本で映画化。
長野県のとある精神科病院が舞台。
原作者帚木峰生氏は、精神科医であり、よく熟知した人物像の展開。
主役の秀丸(鶴瓶)、冒頭死刑執行シーンから、でそんな人が世の中に出ていいのかな。
第二の主役ちゅうさん(綾野剛)、耳鳴りがして暴れる病気もち。
第三の主役由紀(小松奈菜)、義父に強姦され、精神異常。
まあ、ほかにも、それぞれの事情を抱えた人たち。
暗くなりそうな映画だが、なんとか演技と演出で明るくふるまっている。
基本、一つの殺人事件が、クライマックス。
それぞれが前向きで終わるので、助かる。
おすすめ度 ☆☆☆
PG12
リーアムニーソン主演、冬のロワイヤル版かと勘違いさせて、ノルウェイ映画のリメイク。
前半こそ、麻薬で殺された息子のリベンジを雪上車でやってのける、面白さがあったが。
後半は、麻薬組織、原住民、警察、リーアムと四つ巴のアクション。
登場人物が多くて、その関係がわかりにくく、映画を面白くなくしている。
アクションもあっさり終わってしまい、わくわく感がない。
リーアム一人頑張ってもなあ。
まあ、雪深いロケーションは楽しみだが。