1859年以前、横浜は辺鄙な地であった

横浜港は1858年に締結されたアメリカとの修好通商条約（安政五ヶ国条約）に基づいて、1859年、武蔵国久良岐郡横浜村（横浜市中区の関内付近）に開港されました。 当初は生糸貿易の中心港として、後に京浜工業地帯の工業港、東京の外港として大きく発展しました。

 

もともと東海道沿いの神奈川が開港地として考えられたが、外国人との問題が多発する心配があり、当時、辺鄙で隔離しやすい横浜が選ばれました。

 

鎌倉と江戸を結ぶ海岸線沿いには、神奈川までは特に大きな町はなかったが、鎌倉街道とか、鎌倉古道があり、村が点在していました。谷戸構造の緑豊かな地方でした。

 

現在の日限山は、東海道と鎌倉街道の間にある山地でその頂点に日限地蔵尊がありました。昔は日限地蔵尊には永谷側から登っており、戸塚から直接登る道はありませんでした。

 

1970年前後、この辺りはまさに住宅地として開発ラッシュの中にあり、山は削られ、谷は埋め立てられて大規模宅地造成が行われました。

 

横浜市は非常に大きな住宅地化の波に飲み込まれ、長期的都市計画を行なうゆとりがなかったようです。それでも港北ニュータウンとか野庭団地は、横浜市が都市計画に頑張った数少ない場所でした。

 

現在は人口減少の傾向が出ており、行き過ぎた住宅地化の修正場面に入っていると思います。

 

横浜市は次の町づくりに熱心になってきています。緑アップ運動はその一つですが、残念ながらまだ成果は出ていません。市は経済低迷で次の町づくり資金がありません。大資本が動くモーティベーションがありません。

 

市民が町づくりに関心をもち、市と協力して一歩一歩新しい町の歴史をつくるべき段階に入っています。日限山は第一世代が消えていきます。第一世代はそれなりに頑張ってきました。しかし受け身でした。新町に順応することで精一杯でした。主体性をもって町づくりに入るのはこれからです。第二世代は、第一世代との交代期でとまどいがあると思いますが、間違いなく、町づくりの中心になるべき時がきました。

 

西洗自治会役員として、また町のボランティアとして、第二世代が、町づくりで活躍するようになることを祈っています。