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東急東横線・元住吉駅で追突事故発生~降雪の影響もあるかと思いますが…

2014-02-15 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

昨日から今朝にかけては、首都圏各地は数日前と同様にかなりの大雪に見舞われ、停電や交通機関の運休・運行乱れなど、日常生活のライフラインにも様々な支障が発生しており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、もう雪は勘弁と思っている方も少なくないかと思います。

MAKIKYUも仕事柄降雪に見舞われるとかなり困る状況で、そうでなくても日頃積雪となる事も少ない首都圏での大雪は…と思いますが、今日未明には交通機関の運行乱れや運休だけでなく、鉄道における追突事故発生と言う極めて芳しくない事案も発生しています。


MAKIKYUは今朝ネット上のニュース記事を見て、未明の事故を知ったのですが、列車追突事故は東急東横線元住吉駅の下りホームにおいて発生し、停車位置を過走した列車(元町・中華街行各駅停車8両編成)の後ろに、後続列車(こちらも元町・中華街行各駅停車8両編成)が追突しています。
(写真は今回の事故で被衝突側となった事故該当編成に、MAKIKYUが以前乗車した際に撮影したものです)

ニュース記事に添付された画像を見ると、双方の一部車両が追突の衝撃で変形しているほか、一部車両が脱線するなど、かなり大きな事故である事を実感すると共に、物損だけでなく多数の負傷者発生も報じられており、負傷された方々の早期回復を願うばかりです。

降雪に見舞われた未明の事故という事もあり、日頃混雑線区として有名な東横線とはいえども、乗客数が比較的少なかったと思われる事に加え、衝突・被衝突側双方の列車が各駅停車で、双方共にさほど速度が出ていない状況で事故が発生した模様で、現段階で死亡者発生の報を聞かない事は、不幸中の幸いと感じます。

日頃横浜市内某所に身を置き、都心方面や都心以遠へ足を運ぶ際には、東急東横線は割安な運賃や比較的高いサービスレベル故に、選んで利用する事も多い路線である上に、ATC運用線区であるなど保安装置レベルも高い路線だけに、この事故の報を聞いた衝撃はかなりのものです。

今回の事故は降雪の影響という、東横線においては極めてイレギュラーな天候下での運行故に発生した可能性も高いかと思いますが、それでも保安度の高いATC運用線区でこの様な事案が発生する事は極めて異例かと思います。

詳細な事故原因究明などはまだ暫くの時間がかかるかと思いますが、基本的な手順を遵守していたか否か、車両面や軌道などのハード面での異常が生じていたか否かなどにより、同種事故を再発させないための取り組みも変わってくるかと思います。

現在も事故発生現場である元住吉駅周辺をはじめとする一部区間での不通が続き、不便な状況を強いられていますが、運行再開の暁には同種事故の再発防止策を講じ、公共交通機関として最も重要な「安全第一」の運行が行われ、再び同種事故の報を聞かずに済む事を願いたいものです。
(公共交通機関は安全だけでなく、迅速さや正確さ、利用しやすい運賃や快適さなど、様々な付加価値も求められますが、それらは全て安全な運行が実現してこそ意味を持つものですので…)


御岳登山鉄道のケーブルカーと山上リフト

2013-11-30 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、御岳山の紅葉と、御岳山へのメインルートとなる御岳ケーブル乗り場(滝本駅)へ向かう西東京バスに関して取り上げましたが、今日はその続編として御岳山へ向かうメインルート・御岳ケーブルに関して取り上げたいと思います。


御岳登山鉄道は、JR最寄り駅の御嶽駅からケーブル乗り場へ向かう路線バスを運行する西東京バスと同様に、京王グループに属しており、この事も影響しているのか、車両内には「京王重機 2008」のプレートも見受けられたものでした。

大手私鉄系ケーブルカーでは、新造や改装等で系列会社が絡んでいる事例が他にも幾つか存在し、この様なプレートを見ると、如何にも大手私鉄系列の事業者である事を実感させられます。

 
車両は路線の中間地点のみが複線、ここで行き違いを行う交走式ケーブルカーの典型路線だけあって2両が運行しており、一方は「日出」・もう一方が「青空」という愛称を持ち、前者は黄色・後者は水色と大きく異なる装いになっています。


現行車両は2008年に導入され、全国各地を運行するケーブルカーの中でも割合新しい部類に入り、車内も割合綺麗な印象を受けたものでしたが、3枚窓の前面スタイルはやや古風で、外見はあまり新しい車両と言う雰囲気ではないと感じたものです。

このデザインは敢えて先代車両の印象を残した事も影響しているかと思いますが、見た目だけなら20世紀末に導入された車両を運行している路線の方がモダンな印象が…と感じる方も少なくないかと思いますし、評価は大きく分かれる所かと思います。


この手のケーブルカーは、始発駅付近にも土産物屋や飲食店などが多数連なり、駅周辺を散策する事自体が一つの観光になると言っても過言ではない路線も多数存在しますが、御岳ケーブルの場合は最寄り駅からもそこそこの距離がある上に、始発駅(滝本駅)周辺もバス乗り場や駐車場などがあるだけで、侘しい雰囲気が漂っているのも大きな特徴です。

空いている時であれば、多少鄙びた雰囲気もたまに訪れるのには…と思いますが、MAKIKYUが訪問した際には紅葉シーズンの祝日だけあり、路線バスを下車した後の乗車待ちだけでも相当な行列、ケーブルカーは臨時便増発でフル運行体制でも30分程度の待ち時間(自家用車利用だとこれに駐車場待ちが加わり、更に待ち時間が増えます)を要したのには少々閉口させられたものでした。
(同行者が居れば、同行者と会話でもしながら時間潰しという方法もありますが、単独行動で混雑が見込まれる時期の訪問であれば、暇つぶしの手段も考えた方が良いかと思います)

京王グループと言う事もあり、近年ではPASMOなどのICカード乗車券利用にも対応しているのですが、結構な利用が見込まれるICカード利用では片道運賃の決済のみ対応となっています。

乗車券購入の列に並ばずに済み、そのまま乗車できて便利な反面、券売機で往復分の乗車券を購入(ICカード利用不可)するよりも若干割高になるという難点もありますので、消費税改定による運賃改正が行われるのであれば、この際にカード運賃は据え置き、往復でカードを利用した場合に往復乗車券購入と同等金額になる様な運賃設定にも期待したいものです。


ちなみに券売機で購入する乗車券は、シンプルな白色無地ながらも一応磁気券(磁気データ有無は不明)になっているのですが、自動改札機などは設置されておらず、ICカードも簡易型改札(カード専用リーダー)にタッチしての利用ですので、磁気券導入の意義は果たして…と感じたものです。


ICカードリーダーは、2駅間を往復するだけで独立した路線という単純な運行形態もあってか、入場(改札)時にタッチしてSFから引き落とし、下車時は特に集札などを行わない方式となっており、JRや私鉄の小駅などで見られる入場・出場用がセットで設置されたタイプではありませんが、タッチ箇所が大人用・子供用2箇所に分かれているのが大きな特徴です。

御岳登山鉄道ではこのケーブルの他に、山上でリフト運行も行っており、高尾山でケーブルとほぼ並行して運行しているリフトなどと似たようなリフトを運行していますが、距離が短い事もあってか片道100円という運賃設定になっており、あっという間に終点到着となります。


このリフトは単独で乗車券を購入する他に、ケーブルカー乗車時にリフトとセットになった乗車券を購入する事もでき、MAKIKYUは初めての御岳山訪問&御岳登山鉄道利用でしたので、リフトなどの索道は完乗記録の対象には含めていないものの、こちらとセットの乗車券を利用し、せっかくの訪問機会と言う事でリフトにも乗車したものでした。

御岳山は元々余り便が良くない上に、奥多摩方面のフリー乗車券(新宿など~拝島間往復+拝島以西のJRフリー乗車)が設定廃止された事もあってか、近場以外の人間にとっては、やや足を運び難い印象があり、MAKIKYUは頻繁に足を運ぶ事はないと思いますが、空いている平日などであればまた違った雰囲気も感じられ、機会があればまた足を運ぶのも…と思ったものでした。

また日頃横浜市内某所に生息し、現在は職住近接の生活を送る身ですので、最近京王グループ各交通機関を利用する機会自体が限られる中で、先月は京王れーるランド訪問と合わせ、京王グループに随分縁のある一月だったと感じていますが、京王れーるランドの続編記事に関しても、近日中に追って取り上げたいと思います。


京王線の事業用車・デワ600形とDAXに遭遇

2013-11-13 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

先月京王では多摩動物公園駅に隣接する「京王れーるランド」が展示内容などを大幅に充実させてリニューアルオープンし、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、既に足を運ばれた方も居られるかと思います。

MAKIKYUはつい数日前に足を運び、その際のアクセスとして京王線を利用(鉄道では他に多摩モノレール利用も可)したのですが、多摩動物公園行きの支線(動物園線)への乗換駅となる高幡不動駅に到着し、動物園線に乗り換え…と思った時に、隣のホームには見慣れない車両の姿があったものでした。

 
その車両は、一時期京王線の主力として活躍したものの、近年旅客用としては全廃となった6000系電車を改造、装いを改めたデワ600形1+2両と、その間に挟まれた通称「DAX」と呼ばれるステンレス製の検測車(クヤ900形)で構成される4両編成の事業用車両でした。

 
車庫の奥に停車している姿こそ見たことがあるものの、不定期運行で神出鬼没の事業用車だけあり、MAKIKYUの目の前に姿を現したのは先日が初めてと言う状況でした。

警戒色を纏った牽引車(デワ600形)と、日頃余り前面を先頭に走る機会がない事もあってか、非常にシンプルで機能重視と言った面構えが特徴的なクヤ900形は、どちらも見るからに営業車とは異なる雰囲気を漂わせており、たまたまホームに居合わせた乗客の注目の的になっていました。

この時は日頃京王線を定期利用している知人が同行しており、その知人ですら「数度しか遭遇した事がない」との事で、日頃京王線を利用する機会の少ないMAKIKYUが、たまたま利用した日にこんな車両に遭遇するのは…と感じたものでした。

MAKIKYUは過去に小田急や東急、JRの検測車両には何度か遭遇した事があり、どれも予期せぬ時に意外な所で遭遇しますので、その度に意表を突かれるものです。

「DAX」を挟むデワ600は大手私鉄初の営業車全車VVVF化を達成した京王において、希少な直流電動機を装備した自社車両という意味でも注目の存在と感じますが、何時まで6000系の動態保存と言っても過言ではない姿が見られるのかも気になる所です。(京王線とは一部区間で併走し、比較的至近を走る小田急の検測車(テクノインスペクター)は、検測車1両を営業車の特定編成に牽引させており、京王は2両編成の増結・支線用編成もそこそこ保有している事などを踏まえると、その気になれば比較的ダイヤや所用編成数に余裕がある土休日などに、増結・支線用編成を牽引車として活用する事もできそうな気がしますので…)


またこの日デワ600形とDAXには高幡不動駅で遭遇しただけでなく、京王れーるランド見学中にも、多摩動物公園駅で営業列車とは別に「回送」の怪しい表示が見受けられ、もしや…と思ったら案の定こちらにも出没、場所が場所だけにかなりの注目を集めており、この編成への遭遇は京王れーるランド見学以上の収穫かも…と感じたものでした。

この日の幸運はこれだけに留まらず、色々あった一日でしたが、京王れーるパーク見学の感想・講評なども、近日中に取り上げたいと思います。


秩父鉄道7800系電車~末端区間折返運行用の2両編成車

2013-10-22 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、終焉迫る秩父鉄道1000系に関して取り上げましたが、同系画像の列車行先が「影森」行きとなっている事に気付かれた方も多いかと思います。

秩父鉄道では元々朝晩などを中心に、影森発着の列車も運行しているものの、近年になって平日昼間の影森~三峰口間で2両編成車をピストン運行し、この時間帯の羽生・熊谷方面の列車(3両編成)とは同駅で乗換となるダイヤが幾つかできており、MAKIKYUが先日乗車した1000系の影森行きも、同駅で三峰口行きに接続する列車でした。

影森~三峰口間は山間を走り、平日昼間などはかなり利用が限られますので、節電必須の世相も踏まえながら、列車本数を確保するとなれば、車両代替の機会に減車し、同区間専属の短編成車を運行するのは、乗り換えの手間(影森駅では同じホームで乗換可)を別とすれば、妥当な所と感じます。

秩父鉄道では過去には2両編成を2編成連結した4両編成なども運行しており、これらが存在していれば、2両編成での運行も容易なのですが、近年は急行も含め、西武線直通列車(西武4000系充当)とSL牽引の客車列車を除くと、全て3両編成に統一された状況でしたので、影森~三峰口間2両運行実施に当たり、わざわざ新たに2両編成車を導入しています。


この2両編成車が7800系で、近年導入が進む7500系と同じく、元東急大井町線の8000系列を種車にしていますが、7500系の先頭車は東急時代に先頭車だった車両をそのまま活用しているのに対し、7800系では中間車だった車両を先頭車化改造している事もあり、種車は同一でも見た目は大きく異なるものとなっています。

東急では以前、日比谷線直通などで活躍しており、一部は今でも大改造を経て東急線内でも活躍している7000系電車の地方譲渡が進められた時期に、元々先頭車だった車両だけでは先頭車数が不足し、中間車を先頭車化改造した車両が多数登場した他、最近譲渡が進んでいる1000系電車でも同種事例があります。

これらは機能重視で、個人的にはお世辞にもスマートとは言い難い風貌の車両ばかりという印象があり、8000系列の改造車となっている7800系では、前面上部全体を黒塗りとした事によって、ただでさえスマートとは言い難い風貌が尚更…と感じる状況になっています。
(2両編成車を一目で見分けるには、ステッカー以上に有用な方法とも言えますが…)

 
また元々電動車だった車両を種車にしており、客室内床下にはモーター点検蓋が設けられているにも関わらず、一方(三峰口方)は電装解除した「偽電動車」となっており、改造で設置された運転台と客室との仕切りは、8090系原型車に比べて助士席側窓が極端に小さくなっているといった特徴もあります。
(写真は左側が7800系・右側が7500系の運転席仕切りです)


種車が7500系と同一なだけに、乗ってしまうと両数以外は現在主力の7500系と大差ない車両ながらも、よく見ると色々差異が見受けられるのも注目点と感じます。

この7800系は影森~三峰口間折り返し列車と、この運用に関連した運用に充当するための最低所用数に留まるのか、それとも今後他区間での2両編成頻用で数を増やすのかも気になる所です。

仮に今後7800系が数を増やすとすれば、ラッシュ時間帯の一部列車などで、過去に秩父鉄道で見られた2+2両の4両編成運転(設備的には可能かと思います)が再現されるのか、また既に富山地方鉄道に8590系一部車両が譲渡されていますが、秩父でも先頭車化改造車だけでなく8590系先頭車同士の編成などが出てくるのか否かも注目したいものです。


終焉迫る秩父鉄道1000系電車~首都圏では201系ですら退役した今日でも…

2013-10-13 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

昨日12日は秩父鉄道三峰口駅において、「さよなら1001号引退イベント」が開催され、これに伴う1000系充当の臨時列車も設定されました。

MAKIKYUはこのイベントには足を運んでいないのですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、このイベントに参加された方も居られるかと思います。

秩父鉄道1000系電車は、元国鉄101系では最後の現役車両で、東急線車両の中古導入による代替により、来年春の全面退役→101系現役稼動車の完全消滅となります。

車両代替進行と共に遭遇率も低くなっており、近年では様々なリバイバルカラー編成が登場した事もあってか、その存在は最近特に注目を集めていますが、秩父鉄道へ移籍後の活躍年数も長く、少し前は嫌でもやってくる程でしたので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方で秩父鉄道に乗車した事がある方は、同系に乗車した事がある方の方が多数派かと思います。

この1000系も現在残存するのは、今回のイベントで退役となったスカイブルーの1001編成を除くと、秩父鉄道の同系標準塗装を纏った編成と、オレンジ色のリバイバルカラーを纏った編成が各1編成のみと言う状況になっています。

まして秩父鉄道の車両運用は、急行や2両編成を除くと、基本的に特定編成を限定ダイヤで運行する事などは…という状況ですので、今では1000系を狙って秩父鉄道へ足を運んでも、遭遇頻度は非常に低いのが現状です。


しかしながらMAKIKYUは今月初めに秩父方面へ足を運ぶ機会があり、秩父鉄道を利用した際には、たまたま乗車した列車でオレンジ色の1003編成に当たり、数を増やしている元東急車以外が来れば上等と思っていた程ですので、予想外の大収穫と感じたものでした。


同系は最も古い車両で車齢50年を迎えた事が話題になっており、首都圏の大手私鉄では古参かつ旧式車両の部類、秩父鉄道線内を走る機会(現在は営業運行ではなく車両回送などに限られますが…)もある東武8000系よりも古い上に、元事業者の国鉄~(現)JR東日本で、101系を淘汰に追い込んだ201系ですら…という状況です。

おまけに鋼製車体の抵抗制御車で、未だに非冷房車組み込んでおり、JRグループの中でも古参車を長く走らせる傾向が強いJR西日本ですら、101系よりも新しい103系(これもかなり古い部類ですが…)の廃車が進行している状況を踏まえると、首都圏各地から日帰りでも容易に足を運べる所で、よく今日まで走り続けたと感心する程です。


また同系は元国鉄101系というだけではなく、原型をよく留めながらも、秩父鉄道入線後に他では類を見ない両端車のみの分散型冷房装置設置改造(中間車は非冷房車のまま)を施されたのをはじめ、ワンマン運転対応改造や片側先頭車のパンタグラフ増設、そして一部駅での一部扉締切扱い対応など、時代の流れや大都市圏通勤線区とは様相が異なる秩父鉄道の路線事情に対応した様々な改造が施されたのも、大きな特徴と言えます。

利用機会も決して多いとは言い難い路線ですので、今後来春の全面退役までの間に、再びMAKIKYUが1000系に乗車する機会自体があるのかどうか…と感じる程ですが、このオレンジ色リバイバル編成をはじめ、秩父鉄道現行塗装で残る編成も含め、営業終了まで大きなトラブルなどなく走り続け、有終の美を飾る事を願いたいものです。


いすみ鉄道 いすみ350形~古びた顔つきの新鋭気動車

2013-08-15 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、いすみ鉄道の有料急行などで用いられる古参気動車・キハ28形(+キハ52形)に関して取り上げましたが、MAKIKYUが先月いすみ鉄道の上総中野~大多喜間を運行する普通列車でこの古参気動車に乗車した後は、大多喜駅で一般車両充当の普通列車に乗り換え、大原を目指したものでした。

いすみ鉄道の一般車両は、つい最近までは国鉄木原線からの転換時に導入されたレールバスが主流を占めており、MAKIKYUが過去にいすみ鉄道を何度か利用した際には、毎度この車両に乗車する状況でした。

しかしながら第3セクター開業ブームの昭和末期、各地で導入されたレールバスは、軽量で導入費用や運行経費こそ安価なものの、構造上車両寿命も短く、老朽化が著しい事もあってか、各地の第3セクター鉄道で運用離脱が相次ぎ、残存車の方が少ない状況になっています。

他鉄道に比べて長くレールバスを運用していたいすみ鉄道でも、新型の軽快気動車導入によって代替が行われており、今日いすみ鉄道の一般列車に乗車するとなれば、軽快気動車に当たる方が多い状況になっています。

新型の軽快気動車は、他の第3セクター鉄道にも導入されているメーカー標準仕様車で、昨年導入されたいすみ300形は、外観も装いを除くと、他の第3セクター鉄道で活躍している車両に類似した印象を受けます。


しかしながら今年導入されたいすみ350形は、まさかの譲渡劇で大反響を呼んだキハ52形に似せた古びた印象を受ける前面や、開閉可能な2段窓などは、機能的には新型気動車ながらも、各地の路面電車などで散見する「レトロ調車両」と言っても過言ではない雰囲気が漂っています。

いすみ鉄道では「キハ20系気動車の復刻版」と謳っている様ですが、ワンマン運転対応の関係もあり、両端に寄せられた客ドア配置などを見ると、キハ20形やキハ52形よりも、キハ20系列の中でも酷寒地向けに導入され、今日でもそのコピー車が茨城県内の某私鉄に残存する「キハ22形」を連想させられます。

前面の行先表示も今日流行のLEDではなく、敢えて字幕表示としている辺りなども、古参気動車の復刻版車両らしい所ですが、装いはいすみ鉄道ならではの黄色を基調とした華やかな装いとなっており、さすがにJR某社が最近経費削減を兼ねて実施している単色化リバイバル塗装にはなっていません。
(2両目の車両を登場させる際に、この装いで登場させるのも面白いかもしれませんが、最近この装いに改められた車両で顕著な色褪せと、既存いすみ300形を含めた単色化(黄色1色なら悪くないかもしれませんが…)は勘弁願いたいものです)


車内に足を踏み入れると、こちらは日常の通勤通学で常用される車両という事もあり、さすがにリバイバルではなく一般的な仕様で、つり革形状が少々特徴的に感じる程度、トイレなしオールロングシートという機能性重視の設備は、運行距離や乗車時間が比較的短い路線ならではと言う印象を受けます。

それでもメーカー標準仕様の造りながら、座席モケットや化粧板などは敢えて古風な雰囲気としており、比較的シンプルな造りのメーカー標準車両でも、内装次第で見栄えが随分変わる事を示す好例とも言え、起点の大原駅で接続する路線の主力車両なども、もう少しは何とかならないものか…と感じてしまいます。

列車が動き出すと、新鋭気動車だけあって乗り心地は古参車とは大きく異なり、風貌に見合わないギャップを感じさせられます。


バス用の音声合成装置などを用いたレールバスとは異なり、ワンマン車内放送では首都圏の通勤路線にでも乗車しているかと錯覚させられる高音質の車内放送(これで駅名部分だけ日本語読みする特徴的な英語放送が追加されれば完璧ですが…)が流れたのも少々意外に感じたもので、運賃表示器もLCDモニターを用いた最新式となっている辺りも、最新鋭車両ならではと感じたものです。

古参気動車導入だけでなく、新鋭の軽快気動車でも他に類を見ない独特な車両を導入する辺りは、最近のいすみ鉄道はただものではないと感じさせられますが、今後導入される軽快気動車も、この車両と同様の風貌で導入される事になるのか否かも気になる所です。


いすみ鉄道 キハ28形~キハ52形導入に続く古参気動車第2弾

2013-08-09 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

先月末に青春18きっぷを利用し、房総方面へ足を運んだ際には、同乗車券で利用可能なJR線の他に、別途乗車券を購入し、小湊鐵道(鉄道線)といすみ鉄道も利用したものでした。

土曜日でいすみ鉄道は土休日ダイヤ運行日→有料急行列車運転日で、先日はこの急行には乗車していないのですが、急行運転区間は大多喜~大原間のみ、末端の大多喜~上総中野間は普通列車扱いとなり、この運用の折り返しで末端区間のみを走る普通列車も存在します。

MAKIKYUが先日いすみ鉄道を利用した際には、この末端区間を走る普通列車に乗車する機会があり、短い区間ながらもいすみ鉄道の花形(?)とも言える古参気動車に乗車したものでした。

いすみ鉄道の古参気動車は、JR西日本の大糸線で活躍していたキハ52形を購入した際、随分様々な所で話題となり、同車がいすみ鉄道で運行を開始した2年前には、MAKIKYUも実際に足を運んで乗車しています。

これだけでも結構な話ですが、いすみ鉄道で更に高山本線で運用していたキハ28形もJR西日本から購入し、今年春からキハ52形と共に有料急行運用に供されています。


キハ28形などのキハ58系列は、少し前なら各地のJR非電化線区で多数が活躍し、非常にありふれた存在の車両でしたが、老朽化による退役が相次ぎ、JR各線で原型を留めた現役車両が存在しない状況になった今日では、非常に希少な存在です。


先月MAKIKYUが有料急行間合いの普通列車で、キハ28+キハ52形の2両編成列車に乗車した際には、キハ28形の方にはいすみ鉄道移籍後はまだ乗車していなかった事もあり、同車の方を選んで乗車したものでした。

MAKIKYUがジョイフルトレインなどに改造された車両を除くキハ58系列に乗車したのは、キハ58系列がJR線で最後の定期運用で活躍していた高山本線において、2009年に乗車して以来4年ぶりで、この頃の高山本線では軽快気動車・キハ120形に混じり、ラッシュ時間帯などに2両2編成(どちらもキハ58+キハ28形)が活躍する状況でした。

その時に乗車した車両はキハ28 2360ですので、同形車ながらも別番号になりますが、天井の非常によく目立つ冷房装置は、冷房車が当り前ではなかった時代に導入された車両ならではの雰囲気を漂わせていると感じます。


高山本線で活躍した晩年は、専らローカル運用に充当されていた事もあってか、各種ワンマン機器を装備し、車端デッキのドアを撤去したワンマン運転対応改造が施され、車端付近一部座席のロングシート化も行われているのが特徴的でした。
(高山本線で活躍していた晩年のキハ58系列に関しては、以前「MAKIKYUのページ」でも取り上げた記事がありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい)

いすみ鉄道へ移籍したキハ28 2346もこの点は同様で、見た目は国鉄さながらの姿ながらも、車内に足を踏み入れると…という状況ですが、キハ52形共々JR時代末期の姿をよく残しています。


いすみ鉄道移籍後は使用していない運賃表示器の駅名表示なども、JR時代末期の姿をそのまま残しているのは、北陸から足を運んだ乗客や、彼の地で古参気動車乗車した事がある乗客が、往時を偲んで…と配慮している様に感じられ、リバイバル列車ならではと言えます。

車内座席モケットは、キハ52形のいすみ鉄道移籍直後は、オレンジ系のモケットが用いられており、キハ28形が高山本線で活躍していた末期も同様でした。


どちらも旧国鉄時代を連想させる青系モケットに張り替えられていますが、優先席だけはかつての「シルバーシート」でよく見られたグレーなどへの張り替えは行われず、何故かJR西日本でお馴染みの特徴的な茶系モケットがそのまま残存しています。
(写真は先日乗車した際、併結されていたキハ52形車内の様子で、以前キハ52形車内の様子に関して取り上げた記事(こちらをクリック)と見比べて頂ければ、その違いが一目瞭然かと思います)


キハ28形導入後は、急行運用時の指定席区画も変更され、キハ28形のボックス席が指定席に充てられていますが、その一部はイベント使用などを想定し、かなり大きなテーブルが設置されていたのも特徴的でした。

また現在いすみ鉄道で運用されている2両の古参気動車は、共にワンマン運転対応車で、その気になれば1両目の後扉から乗車・前扉から降車の整理券方式ワンマン運転(2両目は有人駅以外締切)も可能かと思いますが、現段階では優等運用主体という事もあってか、車掌乗務による運行のみとなっています。

JRならこの様な運転形態の場合、ワンマン列車の有人駅と同様に、大抵各車両の各ドアから乗降可能ですが、いすみ鉄道では2両それぞれの連結面寄りドアのみでの乗降となり、他方のドアは締切(各駅で1両目後扉と2両目前扉から乗降扱い)という、他では余り見られない乗降方式を採用しているのも大きな特徴です。


片運転台車キハ28方の運転席直後にあるドア付近は、高山本線で活躍していた際に用いられていた運賃箱がそのまま設置されている事に加え、締切扱いで使用しないドアを半分塞ぐような格好で、個人的には「少なくとも国内旅行では絶対に利用したくない会社」の旧ロゴが入った巨大なゴミ箱が設置されており、これは古参気動車には不似合いなアイテムと感じたものでした。


その一方併結相手のキハ52形には、JRの社名入りくず入れも設置されており、JRの中でも何故この会社?という印象を受けますが、この辺りはいすみ鉄道上層部の趣味の一旦も伺える気がします。

まさまの古参気動車譲渡劇、そして有料急行運転で世間を騒がせたいすみ鉄道は、キハ52形の運行開始だけに留まらず、近年様々な動きが見受けられます。

大きな注目を集めたキハ52形も、運転開始以後座席モケット張替えが行われ、他にも様々なファンサービスに努めていますが、今後また有料急行などで運用される古参気動車に乗車する機会があれば、その時にはどの様な変化が見られるのかにも注目したいと感じたものでした。


東武鉄道 60000系電車(2)~車内の様子とLCDモニター表示

2013-07-16 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

東武野田線で先月営業運転を開始した最新鋭車両・60000系は、車内に足を踏み入れると、他路線から盥回しされた車両ばかりだった野田線で活躍する車両とは思えない雰囲気が漂っています。


メーカー標準仕様を取り入れた部分が多数あるものの、比較的シンプルな印象ながら安っぽさを感じる車両ではなく、側面化粧板も一応薄い柄入りとなっています。

先代50000系の初期導入車両などでは、長時間乗車となる際の評判が余り思わしくなかった座席も、メーカー標準仕様車ながらも随分改良されていると感じたものです。

車端部の化粧板だけ木目調となっており、車両間貫通路は開放感を感じる大きな1枚ガラスになっているなど、最近で首都圏で導入される低コスト型車両の中では、割合内装は凝った車両と言う印象があります。


60000系の目玉の一つとも言える車内照明のLED蛍光灯も、シンプルながらも形状制約の少ないLEDの特性を生かし、グローブ付き蛍光灯に匹敵する見付となっている点は、大いに評価できると感じます。
(韓国の都市鉄道などでも、板状LEDによる車内照明は一般的ですが、日本の首都圏では既存蛍光灯と同形状のモノなど、余り見付を考慮していないタイプが多数を占めていますので…)

また最新鋭車両だけあり、車内案内表示装置もLCDモニターを装備しており、LCDモニター採用では出遅れの感もある東武もようやく…といった所ですが、駅名表示は漢字(日本語)・英語・ひらがな(日本語)・韓国語中国語と多彩な表示が見られるのも大きな特徴です。


韓国語表示での次駅は、韓国でよく見られる「이본역」(この駅)ではなく、その次を示す場合に使われる表現の「다음은」(つぎは)となっており、如何にも日本の列車における韓国語表示と言う雰囲気を感じたものです。


まもなくを示す「잠시후」も、KORAIL列車の車内放送では良く聞く言葉で、列車内の案内表示でも散見しますがすが、都市鉄道(地下鉄・広域電鉄)では余り見かけない気がします。


中国語は漢字だけに、多少字形が異なる簡体字でも、意味は何となく想像が付くかと思いますが、「下一站」は中国では非常に良く見かけ、また聞く言葉で、他に「前方到站」という表現も結構良く用いられています。


通常は平仮名表示の「流山おおたかの森」駅名の漢字表記や、まもなくを示す「即将到達」表示、普通(各駅停車)を示す「普通慢車」の種別表示などは結構インパクトがあると感じます。

車内自動放送は従来車と同様で、日本語と英語の2ヶ国語のみ、LCDモニターの様な4ヶ国語ではないのは少々残念な気もしますが、野田線は観光路線や空港アクセス路線ではありませんので、ここまで対応すれば実質的にはほぼ問題なしと感じます。
(○田スカイアクセスなどと称している路線では、未だに外国人利用が多く見込まれる列車でも車掌放送(当然日本語のみ)となっている事も多く、この様な路線の場合は、多言語対応は必須ですが…)

この60000系は、野田線の路線条件も影響してか、少々出足が遅く感じられ、単線区間では駅入線前の大幅減速なども相変わらずですが、設備的にはほぼ全ての面で先代50000系列を凌いでいると言っても過言ではなく、行先表示が3色LEDになっているのが気になる程度ですので、数年前まで吊り掛け駆動車が走っていた路線も随分変わったと感じたものでした。

節電必須の世相も、新車導入の決断に到った一因かもしれませんが、乗車した感想は「余り期待していなかったものの、乗ってみたら最近の首都圏で活躍する低コスト型車両にしては上出来」と感じる反面、東武は余り評判の宜しくない50000系列ではなく、A-Train標準仕様車を導入する時点で最初から60000系を導入できなかったのか…とも感じたものでした。

野田線では今後も今年度中に複数本導入される一方、10030系の転配による8000系代替も行われますので、今後どれだけ数を増やすのか気になる所です。


東武鉄道 60000系電車(1)~野田線に新造導入された最新型車両

2013-07-15 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

数日前MAKIKYUが、所用で千葉県内へ出向いた際には、久々に東武野田線を利用する機会もありました。

東武野田線は一時期、MAKIKYUも一部区間の定期券を所持していた程で、それ以外の区間も千葉県内を中心によく利用したものでしたが、MAKIKYUがよく利用していた頃には、首都圏では数少なくなった吊り掛け駆動車も混用されている状況でした。

近年吊り掛け駆動車が淘汰されても、代替は伊勢崎線や東上線などから転用される8000系ばかり、東武鉄道になってから直接新車が導入された事は今まで…という有様で、そこそこの利用がある首都圏の近郊線区にしては、車両面では近隣線区などと比較すると大幅な見劣りが否めない状況でした。

しかしながら東日本大震災の影響による原発事故後の情勢変化などもあり、東武鉄道も遂に「野田線へ直接新車を導入」する事を発表し、先月中頃に晴れて営業運転を開始しています。

この新車は伊勢崎線などで活躍している車両の同系編成違いではなく、「60000系」という新形式の野田線専用車となっています。

東武は先代50000系列が自社線内だけでなく、地下鉄を介して神奈川県内まで足を伸ばす様になっており、MAKIKYUもこの車両に時折遭遇しますが、コストダウンを徹底し過ぎた事も災いしてか、同一路線を走る他社の同年代車両に比べると…という声を良く聞くものです。

デザイン面はともかく、座席などはメーカー標準品を用い、比較的長時間の乗車となる列車に用いられる事が多かったのも災いしていますが、同系は増備途中でマイナーチェンジが行われ、座席や内装などが随分改善されると共に、初期導入車に関しても座席交換が進行中という状況です。


そのため60000系は50000系列とは別形式ながらも、メーカー標準仕様を踏襲する部分が多い事もあってか、余り期待していなかったのですが、先日柏駅でたまたま現在運行している2編成が共に停車しており、試しに乗車したものでした。


現在活躍中の2編成は、一方が通称船橋線(柏~船橋)、もう一方が柏~大宮間の列車に充当されており、前面窓ガラス下部に貼られた「60000系 就役」を記念するステッカーは、両編成で異なるものとなっているのも特徴です。

外観はシンプル過ぎる先代50000系列に比べると、前面に傾斜が付くなど幾分凝った印象があり、非常用貫通扉の配置や装いなども影響してか、「小田急線の新車に良く似ている」という評も聞きますが、個人的な第一印象は、「決して悪くない」と感じたものでした。

アルミ無塗装車ながらも、50000系列のオレンジ系ではなく、青を基調とした装いとする事で、野田線用車両としての差別化を図っている様にも感じられますが、窓回りは何故か青や水色ではなく、黄緑色となっており、日本の鉄道車両では余り見られない配色の組み合わせは、一部では「某大手コンビニ」とも評されている様です。


基本的に普通(各駅停車)しか運行しない野田線専用車だけあって、行先表示は種別表示なしで行先のみ表示となっていますが、東武では既にフルカラーLEDの行先表示を採用した車両を自社導入している前例があるにも関わらず、3色LEDになっているのは少々見劣りが
否めない気がします。
(行先を表示するだけなら、わざわざ色分けの必要がなく、それなら不必要なコストをかけてまでフルカラー化する必然性はないという判断かもしれませんが、野田線では他形式のフルカラーLED行先表示装備車両も運行していますので…)

車内の様子などは、近日中に続編記事で取り上げたいと思います。


東急5050系4000番台「ヒカリエトレイン」

2013-05-24 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

3月に東京メトロ副都心線との相互直通運転を開始し、最近注目を集めている東急東横線、MAKIKYUは現在横浜市内某所に身を置き、
都心方面への最安ルートにもなりますので、都内などへ足を運ぶ際には、相互直通運転開始以前からよく利用しているのですが、数日前にもこの東横線を利用する機会がありました。

東横線は副都心線との相互直通運転開始に伴い、東京メトロ・西武・東武の車両が乗り入れる事で、車両のバラエティは格段に増えましたが、更に先月には「ヒカリエトレイン」も運行を開始しており、先日このヒカリエトレインにも初めて乗車する機会がありました。

ヒカリエトレインとは、東急5050系4000番台の4110編成の事で、車両自体は「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の一派と言える低コスト型標準仕様車ですので、同系自体はどちらかというと趣味的には余り注目されない存在と感じますが、渋谷にある東急の商業施設をPRする特別仕様車になっています。


車体形状こそ5000系列の他車両と大差ないのですが、黄色を基調とした装いは他の同系列とは大きく異なり、特別仕様車ならではの非常に目立つ独特な装いが目を引きます。

5000系列は各路線・用途などによって、ほぼ同種の車両でも装いだけでなく、内装も座席モケットや化粧板などを変えており、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の一派にしては、比較的上質な車両なのでは…と感じています。

「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家と言える事業者などは、かなりの数の車両を導入していながらも、同じ様な車両ばかりで単調な印象を受けるのに比べると、東急5000系列は低コスト型車両ながらもそこそこ好感が持てる気がしますが、ヒカリエトレインは他の5050系とは装いだけでなく内装も異なるものとなっており、5000系列の更なるバリエーション充実にも貢献しています。
(東横線内を走る5000系列だけでも、5000系・5050系・横浜高速Y500系と合わせて4種類、そして一部区間で並行する目黒線の5080系を合わせると大きく分けて5種類のバリエーションが存在し、更に製造時期などによる差異も含めると…という状況です)

その中でもヒカリエトレインは特別仕様車だけあり、装いだけでなく内装も特別仕様となっており、色彩が異なるだけでなく、座席やつり革、袖仕切りなど至る所で他の5000系列とは異なるパーツが用いられているのも大きな特徴です。

MAKIKYUは東横線内で通勤特急に一部区間だけ乗車し、利用が旺盛な列車だけあって、車内は余り撮影できず、乗車した車両以外の様子も視察できなかったのですが、某デザイナーが非常に強烈なデザインを施したJR九州や両備グループの一部車両程ではないのですが、空いていればちょっと車内を散策したくなる気分、、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の一派では最高傑作の部類なのでは…と感じます。

化粧板や袖仕切りなどは、最近の東京メトロ車両を連想させる雰囲気を感じたもので、つり革は材質こそ本皮や木材などの異色素材ではなく、一般的なモノを用いながらも、最近の首都圏では少数派、他の5000系列では用いていない吊り輪の丸いつり革となっています。


その吊り輪も様々な色を用いていてカラフル、中には馬車軌(軌道幅1372mm)の大手私鉄を連想させる黄緑色の吊り輪も存在します。

そして座席は利用旺盛な東横線で、専ら優等列車として用いられる10両編成車だけあって、当然ながらオールロングシートを採用しているものの、背もたれが若干大きいセミハイバック型となっているのが特徴で、座席モケットも編成内で複数種が存在しています。


この座席に座った印象は、他の5000系列で最近導入された車両と比べ、物凄く変わった感触は受けなかったものの、一部では「スーパーロングシート」などと称され、京阪電車やJR九州の一部車両などで用いられているハイバック型ロングシートに比べると、割合万人受けする座席なのでは…と感じたものです。

そして床材も市松模様風になっているなど、素人目に見ても他車両とは異なる存在である事が一目瞭然で、手すりまで特別仕様になっているなど、至る所に違いが…という状況でしたが、最近流行のLEDを用いた車内照明は一般的な棒状蛍光灯タイプだったのは、特別仕様車にしては少々意外と感じたものでした。

ちなみにこのヒカリエトレインは東急車輛製ではなく、J-TREC(総合車両製作所)製で、車内のステッカーにも同社名が記されていますが、同社では新標準車両「sustina」も登場させており、5000系列は更にバリエーションが増える事になります。

ヒカリエトレインの内装パーツやデザインも、特徴的な座席や吊り輪を除けば、評判が良ければ他の増備車に取り入れても…と感じたものですが、東急では東横線の車両代替こそ一段落したものの、田園都市線の車両代替は滞っておりこれから…という状況ですので、今後の展開にも注目したいと感じたものです。


祝!東急東横線~東京メトロ副都心線・相互直通運転開始

2013-03-17 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

昨日東急東横線渋谷~代官山間の線路切替が、予定通り無事に実施され、同線と東京メトロ副都心線の相互直通運転が開始された事は、様々な所で報じられていますので、ご存知の方も多いかと思います。

MAKIKYUは一昨日深夜まで仕事が入っていた事もあり、午前中は静養していましたが、午後に横浜駅周辺へ買物に出向いた後、夕方東横線を視察したものでした。


駅構内に足を踏み入れると、上り方面の案内標識は「東横線渋谷・副都心線池袋・西武線所沢・東武東上線川越市方面」に変わっており、東横線の電車が副都心線を介し、埼玉県西部まで足を伸ばす様になった事を実感させられます。

西武方は「西武池袋線」ではなく「西武線」と表示しているのに対し、東武方は「東武線」ではなく「東武東上線」と線名込みになっており、統一性がなく少々違和感を感じるもので、「西武線」「東武線」か「西武池袋線」「東武東上線」のどちらかで一貫性のある案内にした方が…と感じたもので、東武側が「川越」ではなく「川越市」という中途半端な駅を案内しているのも気になるものです。


ホームに足を踏み入れ、列車の発車案内表示を見ると、一昨日までの東横線は、横浜駅では種別はともかく、行先は大半の列車が渋谷行という状況でしたが、昨日の副都心線直通開始と共に、様々な行先が見受けられる様になり、10両という両数表示(東横線では昨日から営業運転開始)も、東横線の変貌振りを実感させられるものです。

ホームで列車を待っている状況の中には、「石神井公園って何処?」と言った声も聞かれ、都内北西部や埼玉県西部方面に土地勘のないと、「し」で始まる「公園」の付いた駅名と言う事で、「森林公園」と混同する可能性も…と感じた程です。

特に西武池袋線のダイヤは、東横線直通開始以前から種別・行先・運行間隔などが一定しておらず、余所者には複雑で分かり難く、「石神井公園」「保谷」「清瀬」の位置関係などは、東横線ユーザーには正確に説明できない事も多いかと思いますので、特に都内区間で過剰傾向にあると感じる普通列車の整理と共に、少なくとも昼間時間帯はある程度列車の行先を揃え、分かりやすいダイヤを実現して欲しかったと感じます。


そして列車に乗り込むと、東横線運行車両の過半数(東急・みなとみらい線所属車両は全車)が、ドア上にLCDモニターを装備しており、これだと行先や次駅だけでなく、様々な案内を地図などを交えて表示する事も容易です。


LCDモニター装備車両ではこの機能をフルに生かし、列車の運行系統表示を行うなど、事情を知らない人間には複雑で分かり難い列車運行体系を、少しでも分かり易く案内しているのは評価できる所で、渋谷駅を境に種別が変わる列車などは、「特急・副都心線内急行」といった案内も見受けられたものでした。

現行東横線運行車両では、各車両共に自動放送装置も完備され、この点はやはり複数社の車両が入り乱れ、複雑な運行体系となっている京浜間某標準軌大手私鉄や、首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走り、余りに高額過ぎる運賃で悪評名高い「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)などでは、未だに自動放送装置はおろか、LED文字案内表示装置すら装備していない車両がゴロゴロしている事等を踏まえると、案内面では比較的充実している感があります。
(京浜間某標準軌大手私鉄や「開発を止めた某鉄道」などは、路線特性上特に首都圏の交通事情に疎い利用者の事を考慮する必要があり、それどころか日本語や漢字を理解しない利用者も他線より…という状況ですので、案内の不備は目に余るものです)

東横線~副都心線のライバル路線とも言え、よく止まる事でも定評のJR某ラインは、ドア上にLCDモニター装備はなく、LEDによる文字案内も表示可能文字数が少ない状況などを踏まえると、この点では東横線~副都心線に軍配が上がります。

とはいえJR某ライン側は運行体系を大きく分けて2系統に単純化しており、様々な系統が入り乱れている訳ではありませんので、利用区間次第では乗り換えの手間が生じるものの、運行系統を単純化する事で分かりやすくするのも、一つの方法かもしれません。
(特に副都心線は開業当初、小竹向原駅の平面交差が要因で大規模なダイヤ乱れを引き起こした前例もありますので、なるべく西武池袋線~副都心線/東急東横線・東武東上線~有楽町線(或いはその逆)で揃えるのも、一つの方法かもしれません)

ただ運行体系が複雑化し、様々な事業者の車両が入り乱れて走る事で、車両面でのバラエティが増大した事は、趣味的には非常に面白い事で、この点では競合路線とも言えるJR某ラインは、惨敗確定と言っても過言ではないと思います。


東急所属車両(みなとみらい線車両も含む)は、8両編成の車両で「8CARS」というステッカーが貼られた他は、今まで表示する事がなかった埼玉県内などの駅名を表示している程度という気がします。


東横線運行列車全体に占める比率こそ低いものの、西武や東武の車両も時折東横線に姿を現す様になり、レッドアロー(有料特急)用ではない西武の4扉通勤型電車が「特急」の種別表示を出して走る姿は、まだ見慣れない事もあってか、少々違和感を感じたものでした。


東武の車両は、どちらかと言うと「遜色車両」と言わざるを得ない車両が多く、特に副都心線車両の一部が、首都圏通勤型車両では屈指のグレードを誇っていますので、尚更遜色ぶりが強調されてしまう気がします。

列車運行体系を見ても、西武側は東急線内特急で運行している列車は、西武池袋線内でも極力上位種別で運行するダイヤを構成しているのに対し、東武側は地下鉄直通列車は相変わらず東武東上線内各駅停車での運行であるなど、結構な格差を感じるもので、東武側は今後他社に刺激され、もう少し健闘して頂ければ…と感じます。

また昨日は開業記念のご祝儀乗車も多かったのか、日頃から比較的混雑している感のある東横線が、いつも以上に混雑している様に感じられたものでした。

副都心線開業当初の様な大混乱とまでは行かないものの、混雑も影響してか各列車共に数分程度の遅れや、一部駅停車前の運転停車などもあり、昨日は最初から「こんなものだろう…」と思っていましたが、開業祝賀の熱気が冷めてもこの状況が続くようなら…とも感じたものでした。

今回の東急東横線~副都心線相互直通運転では、相互直通運転開始を期に、副都心線を跨ぎ都心の反対側へ向かう幾つかの企画乗車券が、今まで余りつながりのなかった東横線沿線~埼玉県西部方面の相互間で設定されるなど、単に新たな運行体系で列車を走らせるだけでなく、新たなネットワークが構成される事を生かした取り組みなども見受けられる事も、大いに評価できる気がします。

まずは副都心線関連各線の安定輸送実現、平日朝ラッシュダイヤ初日となる明日早々に大規模なダイヤ乱れ…という副都心線開業当初の二の舞にだけはならない事を願うばかりで、今後も利用する機会が多く見込まれる路線だけに、状況推移を見守ってゆきたいと思います。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、相互直通運転開始早々に乗車された方も居られるかと思いますが、その際の感想など
ありましたら、是非コメントもどうぞ。


この光景も遂に~明日から東急東横線-東京メトロ副都心線直通運転開始に…

2013-03-15 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

明日16日から、渋谷駅を介して東急東横線~東京メトロ副都心線の相互直通運転が開始され、これによってみなとみらい線~東急東横線~東京メトロ副都心線~東武東上線or西武池袋線(西部有楽町線経由)の大規模な相互直通運転が開始される事は、首都圏では以前から大々的に報じられていますので、ご存知の方も多いかと思います。

MAKIKYUも現在横浜市内某所に身を置く事もあり、都心方面へ足を運ぶ際などは、他線よりも割安な運賃もあり、東急東横線を時折利用していますので、お馴染みの路線の一つです。

この東横線は今日までは渋谷駅始発、その発着ホームは頭端式の地上ホームですが、明日以降は現行副都心線発着ホームからの発着となり、東横線渋谷駅周辺も地下の新線に切り替えとなります。

そのため東横線の電車が、地上の渋谷駅を発着したり、渋谷駅を出て程なく山手線を跨ぐ姿は、今日(正確には明日未明)限りで見納めとなり、慣れ親しんだ光景も過去帳入りとなります。

また渋谷駅周辺の様相や、列車運転体系が変化するだけでなく、東横線を利用する際、個人的には「アタリ」と感じており、永らくの間東横線で走り続けてきた東急9000系電車も、副都心線直通には対応させずに減車→大井町線転用(余剰中間車は廃車)、日比谷線直通に用いられていた18m級3扉車の1000系も、今後東横線での活躍は…という状況で、東急在籍車だけを見ると随分車種整理が進みます。


そのため今まで当り前の様に感じていた写真の様な光景も、これからは過去の記録に…という事になりますが、その一方で明日以降の東横線は、横浜から新宿や池袋まで乗り換えなし(その気になれば川越や所沢へも…)、一部特急・急行などの優等列車編成増強(8→10両)などが行われますので、利便性は大きく向上します。

車両面でも、東急在籍車両(色違いでほぼ同等のみなとみらい線車両を含む)に限れば、車種整理が進んでバラエティは乏しくなるものの、東京メトロ・東武・西武3社の車両も乗り入れる様になります。

車両による当り外れも大きくなりますが、東京メトロ・東武の2社は複数種類の車両を用いていますので、各社合わせた車両バラエティと言う面では、非常に充実したものとなり、運賃面での優位性と共に、最大のライバルと言われ、よく止まる事でも定評あるJR某ラインを仰臥する事は確実な状況です。
(JR某ライン側は上級クラス席や化粧室の存在、足の長い路線だけあって遠方から乗り換えなしでダイレクトアクセスというのは大きなウリで、この点では副都心線陣営は不利なのですが…)

ただ東横線電車の大半が副都心線直通となるために、下り列車が今まで各列車始発だった渋谷駅で並び、1~2本やり過ごせば座れたのが今度は…という事や、渋谷駅が地下化される事で、地上へ出る際の所要時間が増大する事などは、現行東横線渋谷駅ユーザーからみれば、難点と捉えられるかもしれません。

また副都心線は開業当初、複雑なダイヤや運用車両制約、小竹向原駅での平面交差支障などにより、有楽町線・東武東上線・西武池袋線を巻き込んだ大規模なダイヤ乱れを引き起こし、東武東上線や西武池袋線の利用者などから「副都心線なんか要らない」と大批評を浴びた事もあります。

今までは実質的に一体と言っても過言ではないみなとみらい線を除くと、東横線は限定的に日比谷線と相互直通運転を行っていただけですので、今後様々な路線と繋がる事で、他線での運行障害の影響などを受けやすくなる事も懸念されます。

人身事故や踏切事故の様な不可効力的なら致し方ないのですが、少なくとも鉄道側の事情によるダイヤ乱れの多発で、「相互直通前の方が良かった」、競合路線となる「JR某ライン以下」などと言われる事だけはない事を願うと共に、相互直通運転開始後の様子にも注目していきたいものです。


千葉都市モノレール Urban Flyer 0-type~凝ったデザインの新型車両

2012-08-24 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

数日前MAKIKYUは千葉市内に足を運ぶ機会があり、その際には久々に懸垂式モノレールでは世界最長を謳っている千葉都市モノレール(跨座式も含めると、路線長は大阪や重慶の方が遥かに長いのですが…)にも乗車する機会がありました。

千葉都市モノレールでは、随分前から「Urban Flyer 0-type」と称する新車登場の予告を行っており、この車両はモノレール開業時から活躍する初期車両の老朽取替目的と、サービス向上を兼ねて導入していますが、ようやく先月から営業運転を開始しています。

現在運行時刻をHPでも公開しており、丁度良い時間にUrban Flyer充当列車がありましたので、時間を合わせてこの新型車両に乗車したものでした。


このUrban Flyerは、既に幾つかの他鉄道事業者のデザインを手がけ、国内有数の規模を誇るデザイン会社が加担しており、従来車両とは大きく異なる装いや、「Urban Flyer」のロゴを配した外観は、一目で従来車両とは別物である事を実感させられ、MAKIKYUが千葉駅ホームでUrban Flyerが入線するのを目撃した際には、「新車」と喜ぶ乗客の姿も見受けられたものでした。

車内に足を踏み入れると、千葉都市モノレールは市内を走る比較的短距離の路線で、車両規格の制約や定員確保などもあってか、通勤車両では一般的なロングシートを採用しているものの、座席はハイバックタイプを用いているのが大きな特徴です。


この座席は背もたれが湾曲しており、座ると体がやや前に押し出される様な感覚を感じましたので、長時間乗車に適した座席と言う雰囲気ではなく、同じデザイン会社が車両改装に加担し、「日本一豪華なロングシート」を目指した関西の某大手私鉄料金不要特急車に比べると…という印象があります。

とはいえやはり最近登場した新型車両で、こだわりのデザイナーが手がけたJR某社の新型近郊型車両に用いられ、合板を用いた好みが大きく分かれるハイバックシートに比べれば、万人受けする座席という印象があり、千葉都市モノレールの乗車時間を考えれば、充分合格点と感じます。


つり革や車端部のデザインなども、この車両のデザインを手がけているデザイン会社の車両らしい特徴が見受けられ、客ドアの警戒色配置位置やデザインなどは、最近の関西某大手私鉄で活躍する新型車両を連想させるものがあります。


そしてこの車両の大きな特色の一つとして、床面の一部をガラス張りにして、この部分から真下を見下ろせる様になっている事が挙げられ、他の鉄道車両では真似出来ない懸垂式モノレールならではの芸当と言えますが、床面がガラス張りになっているのは乗務員室部分中央の一部で、通常乗客がガラスの上に立つことはできず、仕切り扉のガラス越しに真下の景観を眺める事になります。

千葉都市モノレールは今まで車両が1車種しかなく、機能重視で比較的単調な印象が強い路線でしたが、このUrban Flyerはそんな今までのイメージを大きく打ち壊す車両で、同社ではUrban Flyerに関連した幾つものグッヅ類販売なども行うなど、随分な力の入れようを感じたものです。

この車両の様に独創的な車両を導入した事業者は、後にデザイン戦略を進めて建築物やサイン類に至るまで…という事例が幾つも存在していますが、千葉都市モノレールでも今後車両以外のデザイン戦略を進めていくのか否かも気になる所です。

最近の首都圏では、没個性的で貧相極まりない粗製乱造車とも言える新型車両が増殖し、ウンザリ感を感じる事も少なくない中で、Urban Flyerはただの交通手段ではなく、「乗ってみたい」と思わせる車両の一つと感じたものです。

企画乗車券類の設定などもあるとはいえ、運賃面では決して安いとは言い難く、一部区間では路線バスとの競合もある千葉都市モノレールの付加価値向上にも一役買う車両かと思いますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非Urban Flyerに乗車してみては如何でしょうか?


東京メトロ 1000系電車~銀座線に登場した新型車両

2012-05-05 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

東京メトロでは先月、銀座線で新型車両1000系が運行を開始し、同社HPでは同系に関する特設ページも開設され、車両自体も側面戸袋部分に運行開始をPRするステッカーが掲出されるなど、東京メトロ発足後に導入された新型車両の中でも、力の入れ様は際立っている様に感じます。


特設ページでは充当予定列車の時刻も公開され、まだ1編成だけながらも、その気になれば比較的容易に乗車できる状況ですが、運行時刻を見ると、数日前丁度都合の良い時間に1000系充当列車の運転がありましたので、初めて同系に乗車したものでした。

1000系は営団→東京メトロでは一般的なアルミ合金製車体を採用した車両ながらも、銀色無塗装+ラインカラーのカラーテープというメトロ各線で一般的な装いではなく、昔の塗装車を連想させるレモンイエローの装いとなっているのが大きな特徴で、現在銀色の電車ばかりが行き交う東京メトロにあっては、非常に目立つ存在です。


装いだけでなく、前面ライトなども昔の電車のイメージを取り入れたものとなっており、外見だけを見ると路面電車などでよく見るレトロ電車に近い存在にも感じます。


しかしながら車内に足を踏み入れると、レトロな印象は全くなく、メトロ発足後の新型車における特徴と、銀座線ならではの独自性を融合させた車両と感じたもので、営団時代末期の典型とも言える既存車両01系とは、全く異なる雰囲気が漂います。


また第3軌条方式の地下鉄では、トンネル高さが低い事も影響してか、冷房装置の設置空間を確保する為に車内天井部分に段差が見受けられる車両が多く存在しますが、1000系は首都圏の最新鋭車両だけあって当然冷房車ながらも、天井は平滑になっており、車端部分に妙な出っ張り(写真左側:この部分は窓の大きさも異なりますので、外から見ても目立ちます)が存在するのも大きな特徴です。

車内の照明でLEDを採用している事も、東京メトロ側が大々的に謳っており、現在他社でも試験導入事例が相次いでいる事や、節電が必須の時勢を踏まえると、今後普及が進むかと思いますが、メトロと名乗る地下鉄事業者でも、ソウルメトロなどは既に車内照明でLED採用が当たり前、新型車だけでなく既存車両の車内照明LED化もかなり進行していますので、東京メトロもようやくといった感があります。

車内照明でLEDを採用する場合、通常の蛍光灯とは異なり、形状の制約が薄れますので、その気になれば蛍光灯グローブ付き車両に近い見付けに仕立てる事も容易です。


しかし1000系の場合、MAKIKYUが見た限りでは首都圏を走る大半の通勤型電車と同様に、照明に関しては余り見付けに配慮した雰囲気は感じられず、この点でもソウルメトロなどに比べて見劣りが否めません。
(内装自体のグレードは、簡素な印象が強いソウルメトロに比べ、結構凝ったデザインの車両が多い東京メトロの方が格上の印象があるのですが…)

1000系では2種類のLED照明を試用し、他線でも試験導入車両が走っている様ですので、今後どの様な展開になるのか気になる所ですが、一般的な蛍光灯でグローブを付けない車両でも、関西などでは見付けに配慮した車両が幾つも存在し、多少の工夫だけで大したコストも要しないかと思いますので、この点は今後の改善に期待したいものです。

この1000系は今後、現在活躍中の01系の置き換えで導入され、数年後の銀座線は同系ばかりという状況になるかと思いますが、01系は製造年次に幅があるとはいえ、比較的新しい車両の中にはVVVFインバーター制御(IGBT)を採用し、最近の下手な新型車両(某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車や、この車両の部品を多用した車両など)よりもはるかに良いと感じますし、それ以外の車両もその気になれば更新して使い続けても…と感じる程です。

その様な状況の中で、敢えて01系を淘汰して1000系を導入するのは、銀座線のホームドア設置&ワンマン運転化などを容易にする狙いもあるかと思いますが、01系を全て廃車解体するのであれば、随分勿体無い気もします。

01系のメトロ他路線転用はまず不可能、国内地方私鉄への譲渡なども、特殊な車両規格もあって実現可能性は極めて低いかと思います。

旧営団時代末期や、東京メトロ発足後でも幾つかの前例がある海外譲渡が行われるか、或いは東西線車両で前例のあるアルミリサイクルで、新造車製造の際に活用する取り組みが行われるのかも気になる所で、新型車1000系と共に、これから銀座線を追われる01系の動向にも注目したいものです。


最近登場した東京メトロ16000系~早くも前面形状が変化

2011-08-23 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

数日前MAKIKYUは東京メトロ千代田線と、同線と相互直通運転を行っている小田急線を利用する機会がありましたが、その際には最近登場し、今月発売の某鉄道趣味雑誌(通称RJなどと呼ばれている雑誌です)の表紙にも登場している東京メトロ16000系の最新増備車に初めて遭遇したものでした。

16000系自体はMAKIKYUも千代田線内をはじめ、直通運転を行っているJR常磐線、小田急線両線内でも乗車した事があり、内外のデザインなどは今日の首都圏各線区を走る通勤型電車の中では、トップクラスの部類にする車両と感じています。

最近遭遇しても嬉しくない「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」や、その派生形とも言える新車が増殖している中で、この車両に当たると少々嬉しく感じてしまうものです。

乗り入れ線区の新型車両は余り感心できないだけに、16000系に刺激されてもう少し見栄えのする電車を…と思ってしまうものですが、電動車比率が低い事もあってか、雨天時の地上線で空転が目立っていた様に感じたのは、数少ない難点かもしれません。
(さすがに「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家には期待しても無駄かと思いますが、千代田線と直通運転を開始してから今日に至るまで、どの世代の車両も同世代の地下鉄車両より見劣りしてしまうのは勘弁願いたいものです)

この16000系はアルミ合金製車体、ボルスタ付き台車の採用などは、10000系などの東京メトロ発足後に登場した他の新型車と同様の特徴が見られ、最初に登場した編成では10000系と同じく前面は中央に非常用貫通扉を配した左右対称のデザインとなっています。

しかし最近登場した編成では、貫通扉は非常用で車両間通り抜けには使用しない事もあってか、旧営団の多数の車両などをはじめ、様々な路線の地下鉄直通用車両などで見られる左右非対称の前面形状に変化し、運転席側が拡大されて貫通路が右側に寄った配置に変化しています。

このタイプの車両が走り始めたことは、既にネット上などで情報を入手していましたが、実際に遭遇するとこちらも貫通扉配置こそ変化しているものの、その他は大きな変化が見られず、シンプルながらも機能美を感じる客室内デザインなどは変化していませんので、さほど違和感を感じないものでした。

登場からさほどの時間が経たずに早くも仕様変更されるのは、最近の新形式では時折見られる事で、千代田線の乗り入れ線区でもある小田急線の地上線用主力車両・3000形などが代表例と言えますが、今回の仕様が今後増備予定の16000系にも踏襲されるのか、それとも今後更に仕様変更が出てくるのかも気になる所です。

ただ同一形式を名乗りながらも、首都圏では途中でデザインはおろか、車体材質や下回りまでもが別物に変化し、増備が進む毎にコストダウンばかりを追い求め、接客面などで劣化している印象が否めない形式(現在も増備中)が標準軌某大手私鉄に存在しています。

この困り者電車は座席の座り心地に癖があり、大きく好みが分かれる代物は個人的には非常に頂けないと感じていますが、この車両は都内地下鉄の別路線にも頻繁に出没し、直通運転線区の一つで、余りに高額な運賃で悪評名高い首都圏の辺境・北総監獄(千葉ニュータウン)を走る「開発を止めた某鉄道」(元○○開発鉄道)で高額運賃を支払って利用する際に当たると目も当てられない程ですので、この車両の様な劣化路線にだけは向かわない事を願いたいばかりです。