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寝台特急・はやぶさ/富士号(A寝台車「シングルデラックス」編)

2008-01-05 | 鉄道[九州・JR]

 

先月から何度かに渡って取り上げている、寝台特急・はやぶさ/富士号に関する記事ですが、今日はA寝台車「シングルデラックス」に関して取り上げたいと思います。

この車両は、6両編成のはやぶさ/富士号それぞれの編成(両者を併結した編成は12両)に1両ずつ連結されているA寝台車で、両列車の残り5両はB寝台ですので、一応両列車の中では最高級に属する看板的存在の車両と言えます。

この車両は「シングルデラックス」という名の通り1人用個室で構成され、1両の定員は僅か14名とB寝台開放室の半分以下となっていますので、占有空間はかなり広いとも言えますが、B寝台料金(6300円)に比べて2倍以上となるA寝台料金(13350円)が適用される事もあって、MAKIKYUがはやぶさ/富士号に乗車した際に見た限りでは、列車内の看板的存在とはいえ、利用率は余り芳しくない様に見受けられました。

この事は日本における寝台列車の利用率の低調さ(一部列車を除く)もあるかと思いますが、はやぶさ/富士号それぞれの編成に1両だけとはいえ、「MAKIKYUのページ」でも先日の記事で取り上げた定員18名の1人用個室「ソロ」が連結(MAKIKYUが富士号に乗車した際はこの車両を利用しました)されており、ソロとの料金格差が大きい割には、両者の差異・棲み分けが不十分である事も、利用率低調の大きな要因と考えられます。

ちなみにソロとの差異といえば、シングルデラックスはA寝台だけあって通路や個室の扉などにやや高級感が感じられる事と、ソロ比べてベッド(座席)の大きさがやや大きく、個室内に洗面台を組み込んだテーブルが設置されている事、それと全て平屋で天井空間が広い程度(ソロは下段と上段を巧妙に組み合わせています)ですので、登場当時と比べて多少のリニューアルが施されているとはいえ、レールファンの一人であるMAKIKYUでも、ソロの倍以上にもなる寝台料金に見合う程の設備とは感じられないのが実情です。

設備的には電車寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」号のシングル(MAKIKYUは乗車した事がありませんが、B寝台1人用個室で、通常のB寝台より1050円高い寝台料金が適用されます)などとほぼ同等レベルの設備かと思いますので、空気を運びながら走り続けるよりは、B寝台に格下げするか、さもなければ一般向けへの価格設定や車両の扱いは現状を維持しつつも、この車両を利用した割安なパック旅行商品(とはいってもシングルデラックスは1人用個室ですので、商品企画も難しそうですが…)を設定するなどの背策を講じた方が良さそうな感があります。

ただはやぶさ/富士号の列車自体の廃止が確定的となっている現状では、大きな打開策は期待できそうになく、またはやぶさ/富士号の看板的存在とはいえ、個室の鍵も同一車両内でテンキーと通常の鍵式(恐らく故障などで、後に一部個室のみを取り替え)が入り乱れているなど、この列車の苦境を表している様にも感じられるのは悲しい限りです。

写真はA寝台個室「シングルデラックス」の客室内通路(手前の方にある個室と、奥の方にある個室のドア部分に注目)と、寝台個室内部の様子(鍵の開いている空室を車内通路から撮影)です。


寝台特急・はやぶさ/富士号(B寝台個室「ソロ」編)

2008-01-03 | 鉄道[九州・JR]

昨年何度か取り上げました寝台特急・はやぶさ/富士号に関する記事ですが、今日はその続編として、MAKIKYUが一月程前に乗車したB寝台個室「ソロ」に関して取り上げたいと思います。

「ソロ」とは1人用のB寝台個室の呼称(最近は異なるものもありますが…)で、はやぶさ/富士号をはじめとして、幾つかの寝台列車に連結されています。

大半は一般の寝台車両からの改造車で、個室の配列や車両定員数などは列車によって幾つかのバリエーションが存在していますが、はやぶさ/富士号の「ソロ」は個室の1階・2階が枕木方向に入り組んでおり、外観も片側の窓割が非常に特徴的です。

定員は1両で僅か18人となっており、これは幾つかのバリエーションが存在するソロの中でも定員が少なく、占有空間が広い部類に入りますし、鍵のかかる個室だけあって空調や照明をはじめ、目覚ましや車内放送の有無(これは如何にも列車ならではといった感が…)まで設定できる様になっています。

  

この設備を、定員32名程度の2段寝台が向かい合わせ配置で並ぶB寝台開放室と同じ寝台料金で利用できますので、まあ決して安いとは言えない乗車券+特急券+寝台料金の合計額や、B寝台料金がビジネスホテル1泊分程度に相当する事などを考えると、むしろこの個室で妥当な料金という所なのかもしれませんが、一人旅であればかなり乗り得感があります。
(閉所恐怖症の方や、乗り合わせた乗客との触れ合いを楽しみたい方は別ですが…)

ただソロ自体がはやぶさ/富士号それぞれに1両ずつ(以前記した通り、客車は両列車で共通運用されますので、一方のみを禁煙にするのは難しいです)しか連結されていませんので、個室でさほどの害はないとはいえ、喫煙車のみとなっている事と、通路部分が開放室と異なり、折り畳み式の座席が設置されていない事は、この車両の数少ない難点と言えます。

また車両自体の痛みが目立つ事や、列車設定時刻や車内設備などソフト面での問題点などもありますが、夕方出発してから翌朝目的地に着くまで、車内で気の向くがままにゆっくりと過ごせる寝台列車の旅は格別で、現在首都圏~九州方面を結ぶ唯一の定期寝台列車でもあるはやぶさ/富士号が来年で廃止というのは非常に惜しく、せめて臨時列車でも良いので一本位はこの様な列車が残存して欲しいと感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?

写真はソロ客車の外観(既公開画像)と個室が並ぶ車内通路、ソロ個室(2階:乗車した1階の写真は撮り忘れてしまいました)と個室内設定(JR九州の標記入りとなっている点は注目)です。


寝台特急・はやぶさ/富士号(客車外観編)

2007-12-26 | 鉄道[九州・JR]

   

先日「MAKIKYUのページ」では寝台特急・はやぶさ/富士号の客車を牽引する機関車に関して取り上げましたが、今日はその続編として客車の外観に関して取り上げたいと思います。

現在両列車で使用されている客車は、分割・併合を行う事もあってか車両の床下にディーゼル発電機を設置した分散電源方式の14系客車と呼ばれる車両を用いており、この方式は客車とは別個に電源車を連結しなくても済むメリットがある反面、発電機搭載車両は常にディーゼル発電機が発する騒音の影響を受けますので、居住性はお世辞にも良いとは言えません。

現在の編成は機関車を除くと両列車共に6両(両列車を併結すると12両)となっており、両列車の車両基地が熊本に存在している事もあってか、車両の編成は両列車共に同様となっているのが特徴で、熊本発はやぶさ号→東京発富士号→大分発富士号→東京発はやぶさ号の順で運用されています。

6両の編成はA寝台個室とB寝台個室(ソロ)が1両ずつ連結(これらの個室は共に1人用です)される他は、最も一般的な開放室B寝台(2段式)となっており、その中で喫煙車は個室の2両を除くと熊本・大分寄りの1両だけですので、開放室B寝台利用で喫煙車を希望すると必然的にディーゼル発電機が発する騒音に付き合わされる事となり、愛煙家の方で開放室B寝台に乗車を希望する場合はそれなりの覚悟が必要です。
(MAKIKYUは余程の事がない限り、この車両への乗車は絶対敬遠しますが…)

また使用されている14系客車は、開放室B寝台だけでも14系客車で比較的初期に製造された14形と呼ばれる車両と、比較的後期に製造(それでも国鉄時代の1970年代後半ですが…)された15形と呼ばれる車両が混在しており、その上24系と呼ばれる集中電源方式を用いた客車からの編入車両も存在していますので、これらはデザインや窓の大きさ、飾り帯(銀色と白色が存在)などが車両によって異なっており、その上窓割が特徴的なソロと呼ばれるB寝台個室車(この車両は24系からの編入車両です)なども組み込まれています。

そのため編成美という観点では非常に雑多で不揃いな印象(これが逆にこの列車の面白い点でもありますが…)を受けるのですが、それに加えて主たる運行時間帯が夜間帯で人目に触れる機会が少ないからなのか、それとも利用不振故に整備コストを削減しているのか、塗装が剥げ落ちて無残な状況となっている車両なども散見される有様で、後者であるとすれば現代の日本における寝台列車の芳しくない惨状を表している様に思えてなりません。

車両の老朽化もあって再来年で列車設定自体廃止と言われているだけに、この状況も止むを得ないのかもしれませんが、なかなか魅力的な列車だけに、塗装が剥げ落ちた有様はもう少し何とかならないものなのかと感じさせられてしまいました。

あとこの列車の車内の様子などは、近日中に別記事で公開(これも数度に渡る予定です)したいと思います。

写真ははやぶさ号・富士号それぞれの客車(愛称幕は2列車併結時も、それぞれの幕を表示しています)と、客車の側面外観(特徴的な窓割の車両はB寝台個室ソロの客車)で、はやぶさ号・富士号それぞれの客車における形態の違いに注目です。


寝台特急・はやぶさ/富士号(機関車編)

2007-12-20 | 鉄道[九州・JR]

   

先月末~今月初めにかけて、非常に慌しく短い日程で出かけた九州への旅行では、往路に再来年で列車廃止と言われている首都圏~九州間を結ぶ寝台特急・はやぶさ/富士号を利用(列車の乗車券は、廃止の情報が出回る少し前に購入していました)したのですが、今日はこの列車を牽引する機関車に関して取り上げたいと思います。

長距離列車というと、機関車が客車を牽引する動力集中方式と呼ばれる列車形態が世界的には主流を占めており、世界の鉄道を見渡せば機関車牽引の客車列車は珍しいものではなく、それも寝台列車ともなればその殆どがこの方式に該当するのですが、世界でも有数の鉄道大国でありながらも、現在機関車が牽引する客車に旅客を乗せる列車自体が数える程、まして寝台列車や貨物列車にまで動力分散方式を採用した電車等を走らせてしまう国というのは日本を除くと世界的にも…という状況ですが、現在の日本では機関車牽引の旅客列車自体が珍しい存在で、それも近年は凋落振りが著しいとは言え、一昔前であれば憧れの列車とも言うべき存在であったブルートレインともなれば注目度はかなりのモノがあります。

その中でもMAKIKYUが先日乗車したはやぶさ/富士号は運行区間に非電化区間こそ存在しないものの、運行区間に直流・交流双方の電化区間があり、本州と九州を結ぶ関門トンネルの九州方(門司駅構内)に直流/交流の切り替え地点が存在しており、物理的には交直両用の電気機関車や、電化方式に左右されないディーゼル機関車を用いれば、全区間を機関車の付け替えなしで運行する事も不可能ではないですが、本州内(直流区間)は直流区間専用の電気機関車EF66形、関門トンネル区間(交直切替区間)は交直両用の電気機関車EF81形、九州内(交流区間)は交流区間専用の電気機関車ED76形が牽引しており、関門トンネルの両側(下関駅・門司駅)では今や日本の旅客列車では数少なくなった機関車の付け替えを見る事が出来ます。

一つの列車を3種類の機関車が牽引する列車というのは、広大な国土を多数の長距離列車が走り回り、それも殆どが機関車牽引の客車列車という中国など幾つかの外国では特に珍しい事ではないです(機関車付け替えの際も乗客が群がるなどという事はまずなく平静としており、彼の地の人間が日本の様子を見たら驚くと思います)が、日本の定期列車ではこの列車を除くと北海道方面への寝台列車程度ですので、牽引している機関車のバリエーションを見ているだけでも面白いものがあり、機関車の付け替えは日本では珍しいシーンという事もあって、乗客をはじめとする多数の人間がその様子を興味深く見ている状況でした。
(MAKIKYUもその一人だった訳ですが…)

ましてED76形(0番台)は九州内のみで活躍する機関車ですので、はやぶさ/富士号に乗車している乗客としては、牽引している機関車を見ているだけでも走行エリアの移り変わりを感じられますし、またヘッドマークも関門トンネルを挟んだ短区間を牽引するEF81形では残念ながら取り付けられないものの、本州内でははやぶさ/富士号を合わせたマークが使われ、九州内ではそれぞれの列車に分割されて運行される事から、こちらはそれぞれの列車のマークが使われている事も注目すべき点です。

また寝台特急・はやぶさ/富士号に関しては、追って近日中に使用されている客車や車内の様子などに関しても、別記事で触れたいと思います。

写真は門司駅でEF81形が切り離された後に連結されるED76形(はやぶさ号のヘッドマーク付き)と、本州内・関門間・九州内でそれぞれ客車を牽引するEF66形(はやぶさ/富士号ヘッドマーク付き)・EF81形(ヘッドマークなし)・ED76形(富士号ヘッドマーク付き)です。

なおこの列車の走行エリアは首都圏~九州までの広域に跨っていますが、「MAKIKYUのページ」で今回取り上げる記事(近日中に追って公開予定の記事も含む)に関しては、全て「鉄道[九州]」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。


JR九州・特急気動車「はやとの風」~最近似た様な塗装の電車が話題になっていますが…

2007-07-27 | 鉄道[九州・JR]

最近E655系と称する新型の「お召し電車」なるものが登場し、随分話題になっていますが、ネット上などで公開されているその車両の姿(MAKIKYUはまだ現物を見た事がありませんが…)を見ると、塗装は黒光りした車体に金色が入り、MAKIKYUとしては派手なロゴの有無こそあるものの、何処となくJR九州の特急「はやとの風」で使用されている気動車を連想してしまいます。
(両者を比較するのは-という意見をお持ちの方も居られるかもしれませんが…)

ということで、今日はこの「はやとの風」について少々触れたいと思います。

この車両は現在JR各社に所属している一般型気動車・キハ40系列(JR旅客6社全てで活躍している形式は珍しいです)を改造し、特急用に仕立てた異色の車両で、その上特急にも関わらずワンマン運転を行っているのも異色ですが、塗装が大きく改められて車体中央に展望スペースが設けられており、車内も特急用の座席に木材をふんだんに活用した内装に改められたとはいえ、外観は前面をはじめ種車の面影を大きく残しており、客窓も開閉可能な状況ですので、見た感じはとても特急用車両とは思えない車両です。

MAKIKYUも機会があって2年程前に南九州を訪れた際、「はやとの風」に1度だけ乗車した事がありますが、鹿児島中央~吉松間を結ぶこの列車は2両というローカル線区の普通列車さながらの編成(車両は予備1両を含めて現在3両あります)でワンマン運転(言い回しなどは異なりますが、ワンマン普通列車と同等の合成音声による放送も流れます)を行っていますが、実際は乗務員の他に客室乗務員(新幹線つばめ号などにも乗務される様です)が乗り込んで検札や車内販売、観光案内などを行っており、ワンマンとは名ばかりといった感があります。
(ただ車両前面には「ワンマン」表示が掲出され、ドア扱いなどは運転士が行っていますが…)

また通過駅はあるものの、種車が起因してさほど性能も良くない車両がゆっくりと走る様はとても特急とは思えず、途中嘉例川駅での駅舎見物の為の停車時間が設けられている程ですが、この状況は「青春18きっぷ」(春・夏・冬の時期に発売される割安なJR全線普通列車乗り放題の乗車券)などが使用できない料金制快速列車に等しいものと感じてしまいます。

ただこの列車は特急扱いで「青春18きっぷ」では乗車できないものの、九州内のJR線が週末などに4割引(九州新幹線が介在する場合は3割引)になるナイスゴーイングカード(若者向け割引制度)などを活用すれば割合安価に乗車できますし、そうでなくても特急料金は特定特急料金が適用され、自由席であれば特急料金はライナー列車並みですので、特急列車としての速さを求めず、この車両に乗車するための設備料や観光の一環と考えればむしろ割安なものです。

ちなみにこの「はやとの風」は黒光りした車体が印象的ですが、この車体は艶が出ているほどで光を反射してしまい、乗車の記念に写真撮影と思ってもなかなかうまく写らないのが難点ですが、この車両とよく似た塗装で試験車の様な風貌をしており、今脚光を浴びている新型「お召し電車」(しかも車内の座席もJR九州某振り子式特急を連想させられるものがありますし…)も同様に撮影泣かせの車両になりそうですが、こちらは用途故に定期的な運行は考えられず(1両の特別な車両を外し、臨時列車として運行する見込みはある様ですが…)、その点でも更に厳しいものがありそうです。

なおこの記事へのコメント・並びにトラックバックは、「はやとの風」に関するものだけでなく、記事中で少々触れている新型「お召し電車」(E655系)に関するものも歓迎致します。


JR九州 813系1100番台電車~LEDの行先表示は随分とインパクトが…

2007-05-05 | 鉄道[九州・JR]

 

先月MAKIKYUがフェリーで大陸へ出向く際には、フェリーの発着する下関まで行く際に青春18きっぷを使用し、そのついでに下関から少々足を伸ばして九州の福岡一帯にも立ち寄ったのですが、その福岡都市圏のJR線で最近走り始めた車両が今日取り上げる813系1100番台で、MAKIKYUも短い区間ながらこの車両に乗車する事も出来ました。

813系は福岡都市圏を代表するVVVFインバーター制御を採用した近郊型電車で、交流専用車である事から関門トンネルを通って下関へ向かう電車には充当されませんが、小倉(北九州市)や博多(福岡市)、久留米といった福岡県内の主要都市を結ぶ鹿児島本線の快速列車や普通列車をはじめ、日豊本線や長崎本線などの一部列車にも充当されますので結構な数が活躍しており、存在感抜群の赤い塗装を纏ったこの車両の姿を見ると、福岡都市圏へ来た事を実感させられます。

この813系は既に製造初年から10年以上が経過している事から、登場年次によって内装などに幾つかのバリエーションが見られ、また比較的近年に増備された1000番台と呼ばれる車両では下回りにも変化が見られますが、前面形状は今までどのタイプも同様の形状になっていました。

ただ今年に入ってから運行開始した1100番台と呼ばれる車両では、下回りや車内などはこの車両が増装される前に登場した1000番台と呼ばれる車両と同等ながらも、昨年夏にJR九州が大分地区に導入したキハ220系200番台と呼ばれる新型気動車と同様に、日本国内の鉄道車両にしては異様なまでに大型のLED式行先表示器を採用しているのが大きな特徴で、この表示器が余りに大きい事から、これを納める為に前頭部の形状が変化して天井高さが高くなっていますので、このデザインは独特で見るからに強烈な印象を受け、今までの813系とは異なる事が素人目にも一目で識別できるほど変化しています。

また特徴的なLED式行先表示器を採用しているのは前面だけでなく、側面の行先表示器にも言える事なのですが、こちらは昨年夏にJR九州が大分地区に導入したキハ220系200番台とは異なるタイプが採用されており、MAKIKYUが見た限りでは3パターンが一定時間毎に切り替わっていましたが、これもJR九州以外の鉄道会社では類を見ない独特なもので、LED式行先表示器が随分と大きい事から、この部分の客窓がやや小さくなっているのも特徴です。

それにしてもこの車両、元々他に類を見ない強烈な印象の車両が多数走るJR九州といえども、このLED表示器は随分とインパクトがあり、福岡都市圏を訪問する際は注目したい車両の一つですが、日本国内では近年個性に乏しい車両が次々と量産されている地域もありますので、この様な個性的な車両が導入される事を羨ましく感じてしまうのはMAKIKYUだけでしょうか?


JR九州885系・白いかもめ(2)~車内の様子

2006-11-16 | 鉄道[九州・JR]
 

(2)では車内の様子について取り上げたいと思います。

この車両は、JR九州では恒例のこだわりのデザイナーが内外を徹底的に作り込んでいる事もあり、外観は洗練された感じでかなりのモノですが、車内も他の鉄道車両とは随分様相の異なる独特のモノとなっています。

座席は本革を用いたモノで、これは日本の鉄道車両では実例が少なく好みも大きく別れそうですが、個人的には座り心地もなかなかであると感じますし、写真では分かりませんが背面にはチケットホルダーなども備えており、脚台もデザインが考慮され、一脚で座席が支持される構造になっているなど、デザインと実用面の双方でなかなか気の利いた作りになっていると感じます。

車内側面の化粧版は随分作り込んだ感じの車両にしては質素な印象を受けるものですが、床には木材を使用し、天井もデザイン性を考慮した独特な感じで、荷棚はハットラック式、これは中を開けると黄色一色になっているのには驚かされます。

これを見るだけでも驚かされますが、この列車内にはフリースペースなども設けられ、この辺りの掲示やスペースの作りをはじめ、初めて乗車したら驚かされる事が色々ある車両ですが、既存の鉄道車両に対する概念を打ち破る程インパクトのある車両ですので、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も、九州へ行かれてこの車両に遭遇した際は、外観を眺めるだけではなく是非一度乗車される事をオススメしたい車両で、MAKIKYUも初めてこの車両に乗車した際は大感激、その後九州を訪問した際に何度か乗車しています。

また885系にはこの特急「かもめ」用車両以外に、特急「ソニック」用の車両も存在しますが、こちらも座席の色彩などが異なるものの設備的には似た様なモノですので、こちらに試乗されるのも良いかもしれません。

「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も、九州へ行かれる機会がありましたら是非一度この885系電車に乗車されてみては如何でしょうか?

JR九州885系・白いかもめ(1)~在来線特急の最高傑作?

2006-11-16 | 鉄道[九州・JR]
 

今日もJR車両の紹介ですが、今度はMAKIKYUが夏の大旅行中に乗車したJR九州が誇る新型特急車・885系電車について取り上げたいと思います。

この車両は、長崎本線を走る特急「かもめ」で使用されていた旧型特急車(485系)の老朽取替えと、スピードアップや高品質な客室設備によるサービスアップを目指して親製された新型の特急形電車です。

現代の趨勢を反映して当然VVVFインバーター制御を採用、また曲線の多い線区でも速度を落とさずに高速で運行可能な様に振り子式を採用しています。

デザインはJR九州の各列車やバス・船舶までを手がけるこだわりのデザイナーが担当したもので、以前はシックで派手な感じのデザインが多かったものの、この車両辺りからは傾向が変化してシンプルな感じのモノになっていますが、ロゴなどの表記を各所に並べたデザインは相変わらずで、このデザイナーの特徴と言った所です。

個人的にはこの白一色のボディに、かもめの口ばしの様な黄色がアクセントになった塗装や、優美な形状の前面(これは一部で某国の高速列車に似ているという説も…)などはなかなかだと思いますし、MAKIKYUが九州を訪れたら必ず乗りたい車両の上位にもランクインします。

しかもこれだけの車両にも関わらず、九州内は高速バスとの競争が激しい事もあってか、「2枚きっぷ」などの企画乗車券や、利用日が限られるとはいえ若者向け(30歳以下)には「ナイスゴーイングカード」会員特典の大幅割引(101㎞以上の利用が前提で、九州内のJR在来線のみ利用の場合は料金も含めて40%OFF)などもあり、比較的割安に乗車できるのは有難いもので、また運行本数も1時間間隔などの比較的分かり易いダイヤ設定も行われていますので、乗車も比較的容易です。

この塗装の885系は専ら博多~長崎間の特急「かもめ」に使用され、この他博多~大分・佐伯間の特急「ソニック」にも色違いの車両が使用されますが、現在は両者とも半室グリーン車を含む6両編成で、若干の差はあるものの共通運用が可能な事もあって「かもめ」用の車両も時々「ソニック」に使用されます。

1枚目の写真は今年夏にMAKIKYUが特急「ソニック」に乗車して大分駅で降車後に撮影したもので、2枚目の写真は以前撮影した車外のロゴですが、これもシンプルながらなかなかいいモノと感じます。

車内の様子に関しては別記事で取り上げたいと思います。

キハ220-200番台~デビューしたばかりの最新型車(4)

2006-07-31 | 鉄道[九州・JR]
こちらはキハ220系200番台の車内に装備された案内表示装置&運賃表です。

JRをはじめとする区間制のワンマン列車では、路線バス等で多用されているデジタル表示の運賃表の採用が一般的で、三角表のみ掲示といったモノも見かけますが、これは鉄道をはじめ、路線バスでもまず見かけない新種のものです。

キハ220-200番台~デビューしたばかりの最新型車(3)

2006-07-31 | 鉄道[九州・JR]
こちらはキハ220系200番台の側面行先表示機です。

これは日本の鉄道車両としては異例といった感じのもので、まるで路線バスの様な印象を受けます。

また(1)の画像を見て頂ければ分かるかと思いますが、前面の行先表示機も路線バス並みの巨大なモノが装備されており、見慣れないだけあって異様な印象を受けます。

キハ220-200番台~デビューしたばかりの最新型車(2)

2006-07-31 | 鉄道[九州・JR]
こちらは大分地区でデビューしたばかりの新車、キハ220系200番台の車内の様子です。

クロスシートとロングシートが千鳥配置で並び、トイレのない方のクロスシートのみ転換式という変則的な配置となっています。

トイレの後ろ側のクロスシートは、転換式座席とほぼ同様のものが向かい合わせ(固定)となっており、この座席と中ドアの間にはロングシートとほぼ同形態で座高が高く、背もたれにクッションがない奇妙な座席が設けられています。

ロングシートはJR九州恒例の個別区分形ですが、下の支えになっている木材も個別区分となっているので、一部の電車で見られたモケット間にゴミが溜まるという惨状は解消されそうです。

また車内の内装も白系の明るくシンプルなものに、木材を多用という最近のJR九州恒例のパターンで、一時期良く見られたシックな内装とは対照的です。

キハ220-200番台~デビューしたばかりの最新型車(1)

2006-07-30 | 鉄道[九州・JR]
今日の旅行記録で大分の所に☆マークが出ていましたが、これは大分~古国府[Furugou]間を往復、後は昼食や駅前でバス撮影などです。

久大本線の一駅間往復は青春18きっぷなどでしたら容易ですが、今回はNGC会員特典乗車券、ということで別でわざわざ乗車券購入ですが、そこまでしたのは件名の車両乗車目的以外の何者でもありません。

この車両はまだ数日前に稼動開始したばかりで、内外ともにピカピカでしたが、今までのキハ220とは随分印象が異なる感を受けます。

今回は大分1431発の久大本線・庄内[Shonai]行きで出没、MAKIKYUは14時台の九州横断特急乗車予定で、大分に戻る列車(横断特急に接続)とは2つ目の南大分で交換(久大本線は全線単線です)、という事で乗れる場所は必然的に古国府で確定です。

そんなに長く乗って…と仰る方も居られるかもしれませんが、MAKIKYUとしてはもう少し長く新車の乗り心地を堪能したかったというのが本音で、まあそれでも乗車できただけ良かったかもしれません。

写真はその車両の外観で、車内の様子などは別記事で紹介します。