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東海汽船のフラッグシップ「さるびあ丸」(1)~フェリーではない貨客船だけあって…

2012-07-05 | 船舶[日本国内]

先日「MAKIKYUのページ」では、東海汽船が三宅島へ試験就航させた高速船(ジェットフォイル)「セブンアイランド」に関して取り上げ、MAKIKYUが先月三宅島へ出向いた際には、往復共に試験就航のジェットフォイルに乗船する予定でした。

しかしながらMAKIKYUが三宅島から首都圏へ帰島する日は、天候こそ決して悪くなかったものの、島内を走る村営バスで伊ヶ谷港へ向かおうとしたら、運転士氏が電話でジェット船就航に関するやり取りをしており、その旨を尋ねたら「欠航」との事でした。

運転士氏からは「飛行機は?」とも尋ねられたのですが、日頃首都圏に身を置きながらも、韓国へ足を運ぶ際にもJR九州高速船「BEETLE」を愛用する程空を飛ぶのがダメなMAKIKYUとしては、幾ら所要時間が短いとは言っても、船で充分移動可能な所で、問題多発のボンバルディア製プロペラ機に搭乗するのは論外です。
(おまけに運賃も、東海汽船より大幅に割高と言うオマケ付きです)

飛行機がダメな事を運転士氏に伝えると、定期船に乗船する場合は、錆が浜(阿古)港には必ず東海汽船の係員が居り、朝の定期船(東京発八丈島行)は錆が浜港に入港している事から、東海汽船の事は詳しくは分からないが、今日の天候からすると恐らく錆が浜港出航との事でした。
(ジェット船が試験就航で予定通り運航した場合は、ジェット船とその日の午後に三宅島を出航する東京行定期船の双方が、伊ヶ谷港発着となる様です)

ただ「三池港出航となる可能性はまずないと思うが、今朝の貨物船は伊ヶ谷港に入港したので、もしかしたら伊ヶ谷港かもしれない。その場合でも錆が浜港周辺に居れば、比較的容易に移動できる」との事でしたので、村営バスで錆が浜港まで移動したら、定期船はやはり錆が浜から出航する旨の掲示が出ており、係員に乗船券の払戻・変更に関して尋ねると、乗船券発券時間が限られている(12時30分~14時)ので、発券時間になってから再度足を運んで欲しいとの事でした。

そのため現在の三宅島における中心地域ともなっている錆が浜港周辺(阿古地区)で食事などを済ませ、再度錆が浜港に足を運ぶと、ジェット船の乗船券無手数料払戻と、定期船の乗船券発券が行われ、東海汽船HPのジェット船試験就航案内に記されていた「復路欠航時に三宅島にいらしゃる場合は、三宅島14:20発大型客船(20:30東京竹芝着)のご利用となります。(2等7020円~をお求めください)」という事態になってしまいました。

そのためジェット船に乗船し、大島寄港時における島内プチ観光堪能(ジェット船は大島到着後、熱海まで往復して大島へ戻り、その後館山・東京へ向かうダイヤでした)や、館山港の初利用計画は頓挫する事になったのですが、往路欠航で三宅島に足を運べない事に比べれば…といった所で、想定範囲内の予定変更です。

時間的余裕もありましたので、ジェット船とは趣が異なる大型客船に乗船するのも一つの楽しみで、2等利用では運賃も安くなるというオマケ付き(房総半島の館山周辺在住者にとっては、かなり迷惑な話ですが…)ですので、計画外の大型客船乗船となりましたが、MAKIKYUが東海汽船の大型客船に乗船するのは、今回が初めてでした。

現在東海汽船で運航している大型客船(貨客船)は、さるびあ丸(通称さる)とかめりあ丸(通称かめ)の2艘があり、後者の方は結構古い船だけあって置き換えが確定しています。

スペック的にも新しいさるびあ丸(それでも既に就航から20年経つのですが…)の方が優れており、利用客からの評判もこちらの方が良好の様です。
(どちらの船が充当された場合でも、同時期の同じ等級では同一運賃となります)


三宅島~八丈島方面への航路(通称三八航路)は、時期によって使用船舶が入れ替わるのですが、MAKIKYUの乗船日は大型客船による大島~神津島航路(通称片航路)が運休(ジェット船運航はあり)となっており、大型客船が1艘しか稼動していない事もあり、東海汽船のフラッグシップ的存在と言える「さるびあ丸」での運航でした。


さるびあ丸は全長が約120m、総重量も5000t近い大型船で、ジェット船などと並ぶと、その差は歴然としています。


離島航路の大型客船では珍しく、フェリーではない貨客船(貨物は船体前方にコンテナ収納スペースがあり、車が直接船内へ乗り入れる構造にはなっていませんので、車両航走は行っていません)という事もあり、船体後部が丸みを帯びた展望スペースの様になっているのは、この船の大きな特徴と言えます。
(かめりあ丸も外見は類似していますが、製造時期などが異なる事もあり、2艘の写真を見比べると、幾つもの差異が見受けられます)


そしてさるびあ丸に乗り込むと、程なく三宅島(錆が浜港)を出航となり、次に訪問する機会は何時なのだろうか…と感じたものですが、往復で違う港を利用できたのは、予定変更がもたらした予想外の収穫、また訪問する機会があれば、今度は火山ガスの影響で枯れた痛々しい姿の木々が元の姿を取り戻し、活発な火山活動を続けている雄山(現在山頂周辺は火山ガスが大量に放出されており、立入禁止区域となっています)の活動が沈静化している事を願いたいものです。

三宅島をして暫くすると、MAKIKYUのさるびあ丸乗船日はジェット船が欠航となる様な海況でしたので、時化とうねりで船体は大きく揺れ、MAKIKYUは船酔いこそ免れたものの、新島の東方辺りを航行する際の揺れは相当なものでした。
(三八航路では八丈島近海もかなり揺れる模様で、船内の係員から伺った話でも、「今日八丈島周辺は結構揺れた」「凪の時でも揺れる」との事でした)

出航から2時間程度で大島周辺まで来ると揺れも大分収まり、その後東京湾に差し掛かると、殆ど揺れずに快適なクルージングを堪能できたものでした。


ただ18時頃には既に3本の煙突が特徴の久里浜沖を通るものの、東京湾は船舶が錯綜しており、浦賀水道では全長50m以上の大型船は減速航行が義務付けられているという案内放送が流れ、この辺りで下船できれば…とも感じてしまいます。


減速航行の影響もあり、久里浜沖から東京港(竹芝桟橋)まで2時間以上を要するとなると、遅い事で定評ある京急の普通車(各駅停車)に浦賀~品川間を乗り通す方がまだ早く(浦賀~品川間を普通車で乗り通す乗客は、かなり稀かと思います)、レインボーブリッジの下を通り、ほぼ定刻で竹芝桟橋に到着する頃には外は真っ暗という有様でしたので、クルーズ気分で乗船する分には良いかと思いますが、この様な運航形態も、三宅島を「近くて遠い島」にしている気がします。

東海汽船では片航路の大型客船が時期限定で、一部運航日に横浜寄港を行っている事や、ジェット船が久里浜寄港を行っている事等を踏まえると、三八航路も久里浜か横浜に寄港すれば…と感じたものでした。

さるびあ丸船内の様子に関しては、近日中に続編記事で取り上げたいと思います。


三宅島に試験就航した「セブンアイランド」~片道無料モニターも…

2012-07-03 | 船舶[日本国内]

今月18日と25~27日には、日頃東海汽船が大島などへ運航している高速船(ジェットフォイル)「セブンアイランド」が、試験的に三宅島まで運航しており、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中にも、ご存知の方が居られるかと思います。

三宅島までの高速船試験就航は、昨年も行われており、今年で2回目になりますが、三宅島は東京から180km程度しか離れていないにも関わらず、通常1日1便運航の東京(竹芝)~八丈島間を運航する大型客船では6時間以上を要し、東京発は夜行運航となっています。

1日1便運航している航空機(ANA)も、トラブル続出で悪評名高いボンバルディア製プロペラ機である上に、火山ガスの影響で空港閉鎖となる事も多く、欠航率が高く使い勝手が悪い事でも知られています。
(空を飛ぶのがダメなMAKIKYUの事ですので、ジェット機で欠航率が低いとしても、余程の事がない限り利用する気にはなれませんが…)

そのため三宅島は、距離の割には非常に足を伸ばし難い「近くて遠い島」になってしまっているのが現状で、大島やその先の新島・神津島方面への運航実績がある高速船「セブンアイランド」が三宅島に就航すれば、所要時間も大型客船の半分程度で済み、非常にアクセスしやすくなります。

 
試験運航は定期運航に向けたデータ収集的要素が大きいかと思いますが、この試験運航では三宅島行きの無料モニター(東京発片道のみで途中館山からの乗船も可・復路は自己負担)をHPでも募集しており、MAKIKYUもこのモニターに応募し、晴れてモニターに当選して東海汽船から通知が送られて来たものでした。
(MAKIKYUがこの手の応募に当選したのは、過去に交通系試乗では九州新幹線新八代~鹿児島中央間開業前の片道試乗当選(熊本~新八代間接続列車込み)があり、他には某大手私鉄の卓上カレンダー当選や、某大手飲料メーカーが主催する有名アーティストライブのペアチケット当選がありますが、どれも生活圏の首都圏とは異なる地域に関連したものばかりです)

HP無料モニター当選者は事前に乗船希望日こそ選べるものの、「往路欠航時は、東京・館山~大島までの無料モニターとなります」「復路欠航時に三宅島にいらっしゃる場合は、三宅島14:20発大型客船(20:30東京竹芝着)のご利用となります(2等7020円~をお求めください)」という条件付になっていました。

そのため往路で欠航となってしまい、大島で足止めされて三宅島に行けなくなる事(現在大島から三宅島へ直接向かう定期航路は存在しておらず、一旦東京へ戻るか、1日1便だけで定員が少なく、運賃も高額なヘリコプターを利用する事になり、非常に不便です)だけは…と思っていたのですが、MAKIKYUが往路で乗船した25日は、天候こそ決して良くはないものの、無事三宅島まで就航したものでした。

HP無料モニターとしての乗船だけあって、マル優印の押された¥0乗船券と共に、モニターアンケートの用紙(両面)が渡され、下船時までにご協力を…との事(アンケート用紙は船の出口付近にあるアンケート回収箱へ投函)で、この他に大島出航後も各乗客に対し、三宅島試験就航に関するアンケート依頼がありましたので、合計2枚のアンケートを船内で書く事になったものでした。


乗船日は途中寄港地の大島・岡田(Okata)港や目的地の三宅島・伊ヶ谷(Igaya)港では、「海況不良のため船が揺れますので…」という案内があり、艇走体制では船体がかなり大きく揺れていた他、翼走体制時も大島を過ぎてからはかなり大きく揺れる状況でした。
(写真は三宅島到着前の船内から撮影した、海上と三宅島の様子です)

条件付運航が常態化している利島が、セブンアイランドの「欠航確定」という、海上は時化とうねりで荒れている状況でしたので、アンケートを書いている途中で少々船酔い状態になり、下船後にも回答できる体制であれば…と感じたものでした。

アンケートの内容は、伊豆諸島や三宅島への訪問回数や乗船動機、、運賃や時刻設定、その他要望についてなどがあり、MAKIKYUとしては、「無料モニターとして乗船したが、定価で1万円を越える運賃は…」という印象がありますので、運賃は「高い」の項目を選んだものでした。

大島航路の一部で実施している久里浜寄港か、熱海発着(これらの航路と大島で相互接続を確保し、通し運賃で乗船可能な形態でも可)にして乗船時間・運賃両面でもう少し手頃感が出れば悪くないのでは…と感じたもので、この旨もアンケートにも記したものです。

ちなみに東海汽船の高速船「セブンアイランド」は「愛」「夢」「虹」というそれぞれ異なった名称と装いの3艘があり、MAKIKYUが5月に同社の高速船を利用して伊豆大島へ出向いた際には、往復共に「夢」に当たりましたので、出来れば他2艘のどちらかに…と思っていました。


どの船に当たるかは当日の配船状況次第で、東海汽船HPの運航状況を見ても、大型客船の様に船舶名が記される事もありませんので、実際に港へ足を運ばなければ…という状況ですが、出航地の竹芝桟橋へ足を運ぶと、今回の三宅島行きに充当されるのは「セブンアイランド 愛」で、ほぼ同時刻に東京(竹芝)を出航する神津島行きは「セブンアイランド 虹」が充当される旨が出ていました。


竹芝で乗船当日にモニター当選の無料引換証から引き換えた乗船券(乗船時と下船時に回収され、手元には残りません)にも「1240便愛」と記されていましたが、復路分は翌日で配船が確定しないのか、単に「ジェット船」とだけ記されている有様でした。
(実際には「愛」が充当された模様ですが、この便は大島~三宅島間が欠航になってしまい、残念ながら復路乗船券は無手数料払戻となりました)


5月に乗船した「セブンアイランド 夢」でなかったのは、少々嬉しいものでしたが、船内設備などは「愛」も「夢」と大差なく感じたもので、乗船時間も1時間程度の久里浜や熱海から大島へ向かう便なら問題ないレベルとは言えども、乗船時間がJR九州の国際航路「BEETLE」の福岡~釜山間(約3時間)を越える程(セブンアイランドの三宅島試験運航は、館山・大島と途中2箇所の寄港地があり、運航距離はBEETLEの福岡~釜山航路より短いです)にも関わらず、決して広いとは言い難いリクライニングなしの座席しか選択肢がないのは、本格運航となれば少々問題ありと感じます。


「セブンアイランド」の定期運航便では、寄港地到着前に「われは海の子」のメロディーに続いて案内放送が流れ、三宅島行きでも館山と大島到着時にはこの放送が流れたのですが、三宅島到着時にこの放送が流れなかったのも、試験就航ならではと感じたものでした。
(写真は通常ジェットフォイルが姿を見せる機会が限られる三宅島・伊ヶ谷港を出航する「セブンアイランド 愛」です)


また到着地となった三宅島の伊ヶ谷港は、漁港と僅かな集落以外には何もないと言っても過言ではなく、食料調達や島内バスへの接続なども芳しくない上に、MAKIKYUが帰路乗船予定だったジェットフォイルは欠航(他の試験運航日は全て就航した模様)になり、その場合は大島へ向かうのが極めて困難になるなど、運航体制にもまだまだ課題があると感じたものでした。

今後三宅島へのジェットフォイル本格運航を実施するとなると、改善点は山積していると言わざるを得ないのが実情で、神津島などの様に海の向こうに見える島へ直接向かう定期航路も整備されていない事を踏まえると、新路線として三宅島航路を運航するのではなく、既存の神津島航路延伸も検討した方が…と感じたものです。

今回のジェットフォイル試験運航実績を踏まえ、実際に定期就航に向けて動き出すのか否かも気になる所ですが、三宅島が首都圏からは大型客船とプロペラ機でしか行けない「近くて遠い島」ではなく、ジェットフォイル定期就航によってもっと身近に感じられる日が訪れれば…と感じたものでした。


東海汽船「セブンアイランド」(2)~船内の様子

2012-06-06 | 船舶[日本国内]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げた東海汽船のジェットフォイル「セブンアイランド」ですが、今日は続編として乗船した「セブンアイランド 夢」の船内に関して取り上げたいと思います。

ジェットフォイルは比較的小柄な船体に多数の乗客を乗せ、目的地まで一般の船舶よりも大幅に短い時間で輸送する事を主眼とした乗り物ですので、一般の船舶のウリとも言える「広々とした空間」ではなく、比較的シートピッチの狭い座席がズラリと並んでいます。

2階前方に操縦席が存在し、1・2階それぞれに通路が2本、船内前方に1~2階を結ぶ階段があり、両端の座席が共に窓側ではなく通路側になる列が存在する辺りは、「BEETLE」など他のジェットフォイルと共通しています。


しかしながら乗船時間が博多~釜山間で片道約3時間、それも国際航路となる「BEETLE」とは異なり、熱海~大島間など片道1時間に満たない航路も存在するなど、乗船時間が比較的短い事もあってか、船内には売店(「BEETLE」では過去に存在していましたが、現在は係員によるワゴン販売に切り替えられて廃止)や物販準備スペースなどはなく、化粧室以外の付帯設備は飲料水の自動販売機程度と、随分簡素なものです。


その代わりに座席がズラリと並び、中には逆向きで対面する座席と向かい合わせになる席も存在するなど、「BEETLE」に比べると収容力
重視の傾向が強く伺え、1階後方に「サーフボード置場」が設けられている辺りも、伊豆七島航路の地域性を現していると言えます。


座席自体も比較的近年になってモケット張替えが行われた模様で、東海汽船HPや船内にある案内に出ている写真とは異なっており、結構綺麗な印象を受けたものです。

シートピッチも「BEETLE」と大差ない気がします(お世辞にも広いとは言い難く観光バスレベル、JR特急列車や新幹線などに比べると見劣りは否めません)が、セブンアイランドではリクライニング機能は設けられておらず、如何にも短距離航路向けと言った感があります。

久里浜や熱海から大島へ乗船する程度なら、それでも特に問題ない気がしますが、東京(竹芝)から神津島まで乗船するとなると、途中寄港地の数が多い事も災いしてか、国際航路の「BEETLE」よりも乗船時間が長く、ジェットフォイルにしては結構な乗船時間になりますので、2クラス制にして上級席だけでももう少しゆとりのある空間にした方が…とも感じたものです。

また「セブンアイランド」の船内でモニター放映と共に流れる放送では、系列の大島旅客自動車(大島バス)と同じ声によるアナウンスが流れ、この音声は東海バスや小田急箱根高速バス、相鉄バスや関東バスなどでお馴染みですので、初めて乗船する船ながらも妙な所で親近感を感じたのも意外でした。


東海汽船「セブンアイランド」(1)~カラフルな装いのジェットフォイル

2012-06-05 | 船舶[日本国内]

先月下旬、MAKIKYUは日帰りで伊豆大島へ足を運ぶ機会があり、その際には東海汽船が運航する高速船「セブンアイランド」を往復利用したものでした。

セブンアイランドは東海汽船が運航する高速船の名称で、首都圏と伊豆大島を結ぶ航路をはじめ、更に神津島まで足を伸ばす航路なども存在しており、現在3艘の高速船が活躍しています。

3艘の高速船は一艘毎に「愛」「夢」「虹」と異なった名称が付けられているほか、各船毎に異なるカラフルな装いが施されているのも大きな特徴です。

3艘は設備的には大きな差異がない事も影響してか、どの時間の便にどの船が来るかは特定されておらず、他社のジェットフォイル就航航路と同様に、乗りたい船に当たるか否かは運次第です。

MAKIKYUが伊豆大島へ足を運んだ際には、久里浜港発着便を利用したのですが、東京(竹芝)から乗船するよりも運賃・所要時間両面で大幅に優位な反面、セブンアイランドが久里浜港に寄港するのは不定期なのは惜しい限りです。

MAKIKYUがセブンアイランドを利用した日は、東京~神津島間を1往復する便を区間利用する形態となり、必然的に往復で同じ船に乗船する事になるのですが、もう1艘は東京~大島間往復と、間合いで大島~熱海間を2往復、1艘はお休みとなります。
(そのため東京発着で当日中に往復利用する場合、片道だけ久里浜寄港便に乗船すれば、往復で異なる船舶に乗船する事も可能な状況でした)

 
MAKIKYUはどの船に当たっても…と思いながらも、乗船便にどの船がやって来るかは気になったもので、当日久里浜港(フェリーターミナル)へ足を運ぶと、本日の就航船「セブンアイランド 夢」という掲出があり、乗船券(乗船時に半券・下船時に残りを回収されますので、手元に残らないのは残念です)にも便名脇に「夢」と乗船する船舶名が記されていたのは意外でした。
(乗船券画像の氏名表記部分は塗消加工しています)


ちなみにMAKIKYUの乗船日に就航していたもう1艘の高速船は、「セブンアイランド 愛」で、どちらかと言うと女性受けしそうな装いいう雰囲気ですが、こちらも大島・元町港で姿を見る事が出来ました。

このセブンアイランドは、幾種も存在する高速船の中でも、ジェットフォイルと呼ばれる船舶で、見た目は韓国旅行でお馴染みのJR九州高速船「BEETLE」などと同一の機種(ボーイング929)、ほぼ「BEETLE」の色違いと言っても過言ではありません。

ジェットフォイルは開発したボーイング製と、後にライセンス移管された川崎重工製の双方が存在しており、ボーイングも700番台の機種ばかりでなく、もっと929を普及させて欲しいものですが、セブンアイランドは各船共にジェットフォイルの中では比較的初期に製造された中古船(ジェットフォイルは就航後他社に売却される事例が多く、むしろ当初からずっと福岡~釜山間を就航している「ビートル2世」などの方が稀な位です)を改装しており、セブンアイランドは現在船体に就航10周年ロゴを掲出しているものの、船体自体は就航20周年を迎えた「BEETLE」よりも古参格です。

ジェットフォイルは国内では「BEETLE」やセブンアイランドの他にも、佐渡島や種子島へ向かう航路などにも就航していますが、MAKIKYUが今までに乗船した事があるジェットフォイルは殆ど「BEETLE」(旧ジェビを含む)、あとは「KOBEE」に1度乗船しただけですので、ジェットフォイルは「海外旅行の際に利用する乗り物」という印象が強く、久里浜と言う近場で乗船するのは少々違和感があります。
(余談ながらMAKIKYUは「BEETLE」などの福岡~釜山航路には、往復合計で12回程乗船していますが、旅行以外で首都圏を離れた事はなく、現住地は神奈川県横浜市です)

久里浜では不定期寄港と言う事もあってか、常設窓口も設置しておらず、金谷行東京湾フェリーのターミナル建屋入口付近に机とPC・プリンターを設置して乗船券発券を行っており、乗り場も東京湾フェリーの海側・普段は柵で仕切られて立入出来ない区域を発着します。


乗船時間が近づくと、普段は一般者が立ち入る事がまずない柵の内側へ係員が案内されて乗船となるなど、寄港が常態化しつつあるとは言ってもイレギュラー航路らしい有様です。

久里浜からだと伊豆大島までは片道僅か1時間、それでいて所要時間が長過ぎる大型船舶並の運賃で大島へ足を運べますので、個人的には運賃の割高な東京(竹芝)航路を削減してでも、久里浜航路を定期運行化して欲しいと感じるものです。
(久里浜航路を定期化&竹芝航路削減を行えば、所要時間短縮によって船舶の有効活用&首都圏~大島間のジェットフォイル増便による利便性向上も図れるかと思いますので…)

そしてジェットフォイル乗下船の際は、不定期寄港の久里浜港だけでなく、定期的にジェットフォイルが就航している大島元町港でも可動式
のタラップを使用し、2階建てとなっているジェットフォイルの、2階部分から上下船します。


MAKIKYUが乗り慣れた「BEETLE」では2階操縦室扉後方に客用扉自体が存在しておらず、1階前方からの上下船ですので、セブンアイランドはこんな所に扉が付いていたのか…と感心した程で、すっかり乗り慣れた感がある「BEETLE」とは随分勝手が異なると感じたものでした。

乗船後にネット上で調べたら、2階操縦室扉後方の客用扉はオプションで装備可能になっている模様で、どれも同じ様に見えるジェットフォイルも、こんな所で微妙な外見上の違い(他にも窓数の違いなどがあります)が出ますが、構造上は他に後部甲板からも上下船する事が可能な様です。

上下船の件は気になり、乗船中に係員に尋ねたら、「伊豆七島では岸壁の高い港が多いため」「他社では1階から上下船する事が多い様
ですが…」との事で、「BEETLE」の存在もきちんと把握していたのはさすが船舶業界の従事者と感心したものでした。
(MAKIKYUの近辺だと韓国へ足を運んだ事がある人間でも、「BEETLE」の存在自体を知らない人物も多く、知っていても韓国へ行くのに
BEETLE」は…と言っている人物が多いのは残念な限りです)

船内の様子に関しても、近日中に別記事で追って取り上げたいと思います。


大三島ブルーライン~今治と大崎上島を結ぶローカル航路

2012-02-11 | 船舶[日本国内]

先月MAKIKYUが広島県の大崎上島を訪問した際は、島内には1時間程の滞在時間しかなく、その短い時間で大西~天満間を移動しましたので、実質的に島内循環バス乗車のためだけに立ち寄ったと言っても過言ではない状況で、随分短い接続時間で数々の離島航路や路線バスを乗り継いだものでした。

この大崎上島と愛媛県の今治を結ぶローカル航路が、大三島ブルーラインで、宮浦(愛媛県大三島)~旧木江町・天満(広島県大崎上島町)~宗方(愛媛県大三島)~今治間を運行しています。
(一部便は天満~宗方~今治間のみの運航です)


起終点は共に愛媛県今治市(大三島は市町村合併で、現在今治市に編入されています)でありながら、大三島の2箇所の港を発着する間に、広島県に属する離島の大崎上島を経由する少々変わったルートを辿っているのが特徴です。


宮浦からはしまなみ海道を経て、直接今治へ向かう急行バスがそこそこ走っていますので、一応運行形態的には宮浦~今治間での乗船も可能ながら、実質的には大崎上島~今治市中心部間の流動をメインに、大崎上島~大三島(宮浦・宗方)間のローカル流動や、陸路での移動では時間や運賃面で不利になる宗方~今治市中心部間の流動を対象に運航していると言っても過言ではなく、船体にも「今治-木江-大三島」と記されている程です。

また本数は7往復(天満発着を含む)しかない航路にも関わらず、使用する船舶はフェリーと快速船の2種類が存在し、快速船は小型で車載ができない他、僅かながらも運賃が高額に設定されているのも特徴です。

MAKIKYUは天満から今治行きの船に乗船し、丁度良い時刻の便が快速船でしたので、快速船の方に乗船したのですが、この船で天満~今治間は片道1000円(フェリーの場合は930円)、安芸津から安芸津フェリー~さんようバス(大崎上島循環線)と乗り継いだ場合は合計1660円となります。

呉からでも2230円(呉~安芸津間はJR呉線利用)ですので、広島県西部から今治へ向かう場合、しまなみ海道を経由する高速バスでも結構な運賃を要する事を考えると、時間が合えば利用価値は充分にある航路と言えます。

 
MAKIKYUが乗船した快速船は、比較的小型の船と言う事もあり、安芸津~大西間で乗船した安芸津フェリーに比べると、船内は狭く騒音も大きい上に、内海の瀬戸内海でも結構揺れますので、快適さと言う点では余り歓迎できず、長時間乗船は余りおススメできません。

とはいえフェリーとの所要時間差の割には快速船の運賃割増幅は小さく、快速船では今治~天満間が44分程度と言う事も考えると、余程海が荒れて揺れる状況でなければ、充分許容範囲のレベルなのでは…と感じます。

ちなみにこの日のMAKIKYUの宿泊先は今治市中心部でしたので、天満からそのまま今治まで乗船しても良かったのですが、なかなか足を運ぶ機会がない大三島にも立ち寄りたかった事もあり、快速船には僅か10分程度の乗船で到着し、大崎上島からも目視ではっきりと姿が確認できる程近い大三島の宗方で下船したものでした。

天満~宗方間でも、フェリーと快速船の運賃は若干差があり、快速船だと30円割高(280円)になりますが、本数の少なさ故に選択余地は小さいものの、この程度の乗船時間や距離では、快速船の意義は…と感じてしまったものでした。


安芸津フェリー~大崎上島へ向かう短距離航路

2012-01-31 | 船舶[日本国内]

今月MAKIKYUが新幹線で広島へ出向き、終焉近い呉市営バスに乗車した後は、四国方面へ足を運んだものでした。

呉からは以前よりも航路数が減少しているものの、現在でも広島~呉~松山間の高速船やフェリーが運航しており、以前MAKIKYUはこの航路を利用して呉から松山(観光港)へ向かった事もあります。

しかしながら今月の旅行では、今まで足を運んだ事がないエリアへ足を運び、未乗車のローカル交通機関にも…という事で、以前JR呉線の観光列車「瀬戸内マリンビュー」号に乗車した際に姿を眺め、気になっていた瀬戸内海に浮かぶ島の幾つかをを経て今治へ向かったものでした。

呉からはまずJR呉線(広乗り換え)で安芸津(Akitsu)まで乗車し、そこから大崎上島へ向かうフェリーに乗船したものでしたが、このフェリーが山陽商船系の安芸津フェリーです。

 
安芸津フェリーは安芸津港から大崎上島の大西(Onishi)港間を、片道約35分・370円で結んでおり、安芸津港の窓口で乗船券を買い求めると、色つきの紙に印刷しただけの簡素な乗船券に、日付入りの領収印を押した乗船券が出てきました。


ちなみに今回安芸津フェリーを利用したのは、丁度列車やバスとの接続が良かった事に加え、安芸津港はJR駅から徒歩でも5分程度と至近な事(駅構内にも大崎行きフェリー乗り場案内と運航時刻が掲げられていますので、初めての訪問でもまず迷う事はないと思います)も、このルートを選んだ要因となっており、呉線沿線(呉方面)~大崎上島間を専ら公共交通機関利用で移動する場合、最も至便なルートかと思います。
(広島市内~大崎上島間を移動する場合は、竹原港が駅とは離れているものの、広島~竹原間高速バス「かぐや姫」号も発着していますので、竹原港発着航路の方が便利かもしれません)


この安芸津フェリーでは通常2隻の船が運航していますが、MAKIKYUが乗船したのは「第12やえしま」という船で、やって来たこの船に乗船すると、船の1階部分は車載スペースで、空洞の様になっているのが特徴的です。


下船時には乗船時と反対側から下船する事で、車利用の場合でもバックせずにそのまま進行方向へ向かうだけで済む構造になっているのは、短距離航路のフェリーならではです。

客室は基本的に階段を上がった2階部分になるのですが、階段の昇降が不自由な旅客向けに1階部分にも小さな客室が設けられており、MAKIKYUは2階客室を利用したものでした。


客室は比較的乗船時間や距離が短い事もあって座席主体になっているものの、僅かにカーペット敷きの区画も設けられており、ゆっくりと港を離れての出航や到着時の接岸と共に、ゆったりとした空間が広がるのは船の良い所です。

MAKIKYUの船利用頻度は鉄道や路線バス程ではなく、大荒れの外海航海などは好きではない(それでも空を飛ぶよりはずっと良いですが…)ですが、内海を航行する短距離航路や夕発朝着の貨客船、福岡~釜山間の高速船など、時折乗船機会があり、たまに船に乗るのも良いものと感じます。

 
そして安芸津を出航し、瀬戸内海に浮かぶ島々を眺めながら30分程すると、到着地となる大西港で、大崎上島には初上陸となりましたが、港のバス乗り場でバスを待っていると、見知らぬ人から「何処へ行くの?」と声がかかる辺りは、本土や橋などで繋がる島ではなく、本当の離島ならではと感じさせられます。

本土から何時間もかかる離島はともかく、船で比較的容易に足を運べる離島でも、MAKIKYUは足を運んだ事がない島ばかりですので、機会があれば大崎上島に限らず、色々足を運んでみたいと感じたものでした。

この大崎上島では滞在時間が1時間ほどしかなく、その間に島内を路線バスで移動して更に他の島へと移動したのですが、島内を走る路線バスに関しても、近日中に別記事で取り上げたいと思います。


島鉄フェリー~天草へ向かう航路

2008-02-03 | 船舶[日本国内]

今日「MAKIKYUのページ」では長崎県南島原市にある口之津駅と、隣接するバスターミナルに関して取り上げましたが、ここからは熊本県天草諸島の鬼池に至るフェリーも運航しており、このフェリーも口之津を発着する鉄道や路線バスと同じく島原鉄道が運航しています。

天草というと鉄道路線から離れ、離島(熊本方は橋で繋がっており、熊本市内から天草の本渡へは直通の快速バスも多数運行されています)だけあって行き難い場所というイメージがありますが、島原半島南部を走る島鉄の鉄道(3月末で廃線)や路線バスの車窓からは天草諸島を望むことができ、島原半島と天草諸島は海を挟んで比較的近い位置にあります。

MAKIKYUが12月に島原半島を訪問した際には、時間の関係もあって天草諸島までは足を伸ばしておらず、それどころか天草自体が未踏の地という状況ですが、口之津からは天草の鬼池まで片道僅か30分・運賃360円で行くことが可能で、写真の「フェリーあまくさ」ともう一艘の船が両岸を同時発着するダイヤが組まれ、概ね毎時1本程度(平日と休日でダイヤが変わり、最終の出航が早いですので要注意です)が運航されています。

全国版の時刻表にも一応運航時刻は掲載されていますので、この航路をご存知の方も多いと思いますが、このフェリーを活用すれば天草諸島と島原半島の両地域を周遊するにも非常に便利かと思いますし、MAKIKYUも機会があれば「SUNQパス」(九州内の一般路線・高速バスフリー乗車券:島原・天草なら北部九州版で周遊可能です)でも使って未踏の天草を訪問し、このフェリー(運賃はSUNQパスとは別途必要ですが…)にも乗船したいと思っています。


富山県営渡船

2007-03-23 | 船舶[日本国内]

今日の記事で射水市コミュニティバス新港東口・ライトレール接続線に関する記事を取り上げましたので、ついでにこちらも取り上げたいと思います。

この渡船はライトレール接続バスをはじめ、富山駅との間を結ぶ路線バスなどが発着する新港東口に隣接する射水市の堀岡渡船場と、万葉線越ノ潟駅に隣接する同市の越ノ潟渡船場の間を約5分で結んでいます。

この渡船はかつて富山地方鉄道射水線(現在は廃止され、路線バスが一日10往復程度運行)も運行していた地域を富山新港建設に伴って分断したという事もあって、運賃は無料となっているのが大きな特徴で、主に土地の生活の足として利用されて自転車を載せている姿なども見られますが、万葉線乗車を兼ねて他所の観光客が利用する事も可能で、鉄道やバスの旅にアクセントを添える存在としてもうってつけです。

ちなみにこの渡船は昼間時間帯は概ね30分毎、朝夕は15分毎程度で運行されていますが、早朝や深夜、それに荒天時などで船が航行不可能な場合などは、射水市コミュニティバスも一部受託している地元のタクシー会社・海王交通による代行タクシーが運行されている様です。


境港~宇井間の渡船

2006-10-03 | 船舶[日本国内]

今日「MAKIKYUのページ」では境港に関する記事・画像を掲載・追加していますが、この境港への公共交通機関でのアクセスとしては、鬼太郎列車も走るJR境線や日ノ丸自動車の路線バスなどで米子方面からのアクセスが最も一般的です。

ただ「ゲゲゲの鬼太郎」の水木ワールドを視察したいという方をはじめ、境港へのアクセスに往復とも同じ経路は…という方も少なからず居られるかと思います。

MAKIKYUもそういった人間の一人で、宇井(島根県)~境港間を結ぶ渡船を利用して境港へ行きましたが、鬼太郎列車などとは異なったこのルートもなかなか面白い気がします。

ちなみに宇井へは松江~美保関(万原ターミナル)の一畑バスと、万原~宇井渡船場(~美保関)の町民バスの乗り継ぎでアクセスでき、どちらのバスも昼間で1時間に1本程度は運行されていますので、ローカルバスの旅が好きな方にはこのバスとJRor日ノ丸バスで松江を基点とした周遊ルートも面白いかと思います。

また今日取り上げるこの渡船の写真は境港側で撮影したもので、写真の背景に映っている丘陵(?)はもう島根県側なので非常に近い距離ですが、この距離で所要時間は5分もかからないにも関わらず運賃200円(大人・片道)は少々高い気もします。

なお運航は20分間隔で、境港駅と乗り場も徒歩10分少々ですので、昼間の利用は全く問題ありませんが、18時台で運航が終わりますので注意が必要です。

あと近日中に、これも取り上げられる機会が少ない美保関町民バスに関しても取り上げたいと思います。